これからスノーボードを始めたい方、または新しいボードの購入を考えている方に最適なガイドです。たくさんの種類やメーカーがあり、選び方が分からずに迷ってしまうことはありませんか?適切な長さ、硬さ、形状の違いなど、初心者にとって重要なポイントを徹底解説します。
スノーボードの価格も幅広く、10万円を超えるプロ仕様のものから、お手頃なセットまでさまざま。初心者でも安価なボードで大丈夫なのか、どのタイプを選ぶべきか悩むことも多いでしょう。
今回は、スノーボード初心者が押さえるべき「長さ」「幅」「重さ」「硬さ」「形状」の5つのポイントについて、詳しく解説します。この記事を参考に、自分にぴったりのスノーボードを見つけ、充実したウィンタースポーツを楽しみましょう!
目次
知っておきたい!スノーボード各部の名称と役割
スノーボードには、それぞれのパーツに名称があり、基本的な部分を覚えておくと便利です。各部の名称を知っておくことで、ショップで質問する際に役立ち、スノーボードに詳しい友達からの説明もスムーズに理解できるでしょう。完璧に覚える必要はありませんが、知っておくことでスノーボードの上達にもつながります。
この記事では、スノーボードの基本的な部位とその役割について詳しく解説します。ぜひ参考にして、スノーボードライフをより楽しんでください!
①有効エッジ:ボードの両端は沿って雪に触っていませんが、ボードのほぼ全域(中央部分)は雪に接しています。この実際に雪に接している部分を有効エッジと言います。あるいは、その部分の長さを有効エッジ長、接雪長なんて呼びます。
この有効エッジが長いとボードは安定する傾向があります。単純にボードの長さ(全長)よりも有効エッジを見た方がそのボードの特徴がより理解できるでしょう。何しろ実際に雪に接した部分の長さなので。
- 有効エッジ: ボードの両端は雪に触れていませんが、ボードの中央部分は雪に接しています。この実際に雪に接している部分を有効エッジと言います。あるいは、その部分の長さを有効エッジ長、接雪長とも呼びます。有効エッジが長いとボードは安定しやすくなります。ボードの全長よりも有効エッジの長さを見ることで、そのボードの特徴がより理解できます。
- 全長: ボードの長さです。
- ノーズ: ボードの先端の反り上がった部分のエリアを指します。
- テール: ボードの後端(お尻)部分の反り上がったエリアを指します。
- ノーズ幅: ノーズの一番幅の広い部分の長さを表します。
- ウエスト幅: ボード中央、一番狭い部分の長さを表します。
- テール幅: テールの一番幅の広い部分の長さを表します。
- サイドカット半径: ボード側面の曲線部分。この半径の数値が大きいと、大きく回りやすい板で、小さいと小回りしやすくなります。ターン弧を表しています。サイドカーブとも呼ばれます。
- サイドカット深度: サイドカーブの度合いを表します。サイドカット半径の角度によってサイドカットの深さが決まります。最近では、各メーカーのボードのスペックとして「サイドカット半径」とともに「サイドカット深度」も紹介されることが多いです。
以上、ざっくりとボードの各名称を紹介しました。さらによく聞く名称として、デッキ、ソール、キャンバーがあります。すでに多くの方に知られた名称かもしれませんが、説明を加えておきますね。
- デッキ: スノーボード板の表面のこと。そこにはビンディングのネジを取り付けるインサートホールがあります。写真に示されているのは、バートンなどが採用しているチャンネルシステムの細長い穴で、スタンス幅をより自由に選べます。
- ソール: ボードの裏側のこと。滑走面です。高価なボードほど、良いソールを使う傾向があります。良いソールはとてもよく滑ります。
- キャンバー: ボード中央の反り返った部分を指します。板を置くと床から浮いている部分です。
以上、スノーボード(板)の各名称を紹介しました。他にも細かい名称はいくつかありますが、ここで紹介した名称を知っていれば十分です。次に、ボードの大きな特徴となる要素、長さや重さなどについてお伝えしましょう。
5つの板選びの要素
板選びの要素は大きく分けて5つあります。先に紹介したスノーボードの各部の名称以上に、ぜひこの5つの要素の特徴について知っていただきたいです。これらを理解すれば、板選びの良い目安となるでしょう。
- 長さ(長いか短いか)
- 幅(幅が広いか狭いか)
- 重さ(重いか軽いか)
- 硬さ(硬いか柔らかいか)
- 形状(ディレクショナルかツインか、もしくはキャンバーかロッカー他か)
初心者の方にとってスノーボード選びで最も重要なことは、最初のターンをいかにやりやすくするかです。スノーボードを始めると、最初のターンが一番難しいものですが、これをクリアすれば上達が早く、とても楽しくなります。
以上の観点から、初心者が考えるべきボードの選び方をお伝えしていきます。これから5つの要素についてわかりやすく説明していきましょう。
適切なスノーボードの長さとは?
長い板は取り回しが難しくなるため、あまり長い板は選ばない方が良いです。しかし、あまり短すぎると安定感がなくなります。
長さの目安としては、ボードを真横に立ててみて、だいたい目からアゴぐらいの高さが理想です。口の高さほどの板を選ぶようにしましょう。
より詳しく言うと、単純な板の長さよりもスノーボード板の各部の名称でも紹介した有効エッジ(接雪長)が重要です。なぜなら、板の特徴は有効エッジに左右されるからです。
とにかく、ここでは大まかに適切な板の長さはボードを立ててみて、目からアゴぐらいの高さであることを覚えておきましょう。
以下、『体重、身長によるボード(長さ)目安表』になりますので、ご参考にしてください。
幅の広さに気を付けよう!
次に板の幅についてです。 初めてのスノーボードでは、考慮するポイントが多いですが、板の幅に関してはそれほど難しく考えなくても良いでしょう。ただ、大事なポイントがあるので、説明します。
幅が広い板は安定感が増しますが、エッジの切り替えしが鈍くなり、コントロール性が欠けます。 一方、幅が狭い板は安定感は弱くなりますが、コントロール性が高まります。具体的には、つま先からカカト側へのエッジングや、その逆のカカト側からつま先への切り替えしが素早くなります。
これから購入する板は、おそらく板の長さに応じた幅になっているので、それほど心配する必要はありません。例えば、長い板なら幅も広く、短い板なら幅も狭くなっています。
気を付けるべきは、自分の足の大きさが極端に小さいか大きい場合です。足が大きい人が狭いボードに乗ると、ブーツがはみ出してしまいます。そのため、メーカーによっては、同じ長さの板でも幅が広いモデルをリリースしていることがあります。足の大きい方や短い板を好む方にはありがたい配慮です。
以下の写真をご覧ください。私のボードとブーツの例です。
一見、ブーツの先とカカトが板よりも若干出ているように見えますが、実際にはこれぐらいがちょうど良いのです。むしろ、もう少し板が狭くても良いくらいです。なぜなら、その方がしっかりとエッジングができ、コントロール性が高まるからです。
しかし、あまりにも狭い板に乗ると、ターン中に板を寝かした状態でブーツのつま先やカカトが雪面に当たり、エッジが抜けて転ぶことがあります。足が大きい方で幅が狭い板に乗ると、このような問題が発生します。
以下のイラストは、適切な板の幅(広いか狭いか)を表現した例です。だいたいこのような幅の板を選ぶと良いでしょう。
次に足が小さい方の例をご紹介します。女性で足の大きさが23センチ以下の場合、そのブーツサイズに合わせたボード幅が必要です。
以下の写真は撮影用にブーツを後ろへずらしてわかりやすく表現していますが、ブーツの先がエッジまで届いていません。ボード幅に対してブーツ(足の大きさ)が小さい例です。この場合、ブーツの先とカカトでボード幅が余ってしまうので、なるべくブーツに合うように幅の狭いボードを選びましょう。
スノボ初心者の方はなるべく軽い板を!
重い板はスピードを出したときに安定しますが、初心者の方にとっては取り回しが難しく感じることがあります。重い板はスピードを出すとまるで高級車で高速を走っているような安定感を持ちますが、初心者が最初に覚えたいターンをする際には扱いづらいものです。
逆に、軽い板はコントロールしやすく、初心者向きです。特に初心者の方はあまりスピードを出さないため、軽い板を選ぶ方が良いでしょう。軽くてコントロール性が高い板は、操作しやすく、気持ち的にも楽に感じます。
どのようにして軽いボードを見つけるのか?
実際にボードを購入する際、残念ながら多くのケースでは重さが表示されていないことが多いです。そのため、どの板が軽いのかわからないことがあります。しかし、お店で気になるボードをいくつか実際に持ってみると、「この板は軽いな」という感覚がわかってくるでしょう。
初心者には柔らかい板が最適!
スノーボードの板には、硬いものと柔らかいものがあります。初心者に最適なのは、柔らかい板です。硬い板は反発が強く、高速でカービングターンをしたりするのに適していますが、初心者には扱いづらいことが多いです。初めは板のコントロールが難しいため、柔らかい板の方が自由に操作しやすいです。
メーカーのサイトで硬さをチェックしてみよう!
柔らかい板を見つけるためには、ボードの硬さをどのようにチェックすればよいのでしょうか?最も手っ取り早い方法は、気になるボードがあったら、メーカーのサイトに行ってチェックすることです。
硬さを表す基準に統一的なものはありません。メーカーごとに表示方法が異なるため、多少の違いがありますが、表示される硬さは良い目安になります。
大きく分けると、2つの表示方法があります。「柔らかい(ソフト)」「中間(ミディアム)」「硬い(ハード)」をゲージ上で表す方法、もしくは、5段階または10段階で数字で表す方法です。以下のイラストは、世界的に人気のスノーボードブランド、バートンと、国産で人気の高いオガサカのサイトの表示を紹介しています。バートンはソフト、ミディアム、ハードと分けて表示し、オガサカは5段階のうち3.5であることを示しています。
各メーカーによって表示方法は様々なので、あくまでも目安にしてください。
自分でボードの硬さをチェックする方法
自分でボードの硬さをチェックする方法を説明します。ボードの先を片方の手でしっかりとつかみ、もう片方の手でボードの中央あたりを押してみます。ボードを押した時に反動でビヨーンと跳ね飛ばないように、ボードのテールはしっかりと地面に押し込むようにしましょう。反動で板が吹っ飛びそうなら、片方の足(以下の写真で言う左足)をテールに添えておくと良いでしょう。
スノーボードの板は、どんなに力強く押しても壊れることはないので、安心して押してみてください。最初は不慣れでうまくいかないかもしれませんが、様々な板をチェックしていくうちに、板の押し方がうまくなっていくでしょう。そして、市販されている板によって、フレックス(=硬さや柔らかさ)が異なることにも驚くかもしれません。
「習うより慣れろ」という言葉がありますが、大切なことはどんどんチェックしていくことです。だから、ショップへ足を運んだらどんどん板を押してみてください。きっと板選びがより一層おもしろくなっていくことでしょう。
以下のイラストは、レベル(初心者・中級者・上級者)、また使用目的に応じたおすすめの板の硬さを示すものです。上級者が必ずしも硬い板を使用しているわけではなく、上級者でもグラトリ愛好者の方は初心者が好むような柔らかい板を選んだりします。あくまでも目安に過ぎませんが、参考にしてみてください。
【予備知識】フレックスとトーション
板の硬さを表現する方法は、主に2つあります。一つは「フレックス」、もう一つは「トーション」です。
- フレックス: 板そのものの硬さと柔らかさを表現します。フレックスが硬いと反発が強く、カービングターンや高速での安定性が向上します。柔らかいフレックスは、より自由にコントロールでき、初心者には適しています。
- トーション: 板の捻じれの強さを表現します。トーションが強いと、エッジングが強化され、カービングターンやハーフパイプでの安定性が向上します。高速での安定したエッジングやジャンプに適しています。
初心者の方は、板選びでここまで考える必要はないかもしれませんが、将来的にはこの知識が役立つかもしれません。覚えておくと良いでしょう。
スノーボードの形状:2つの基本形状と3つのプロファイル
スノーボードの形状は、大きく2つのカテゴリと3つのプロファイルに分けられます。まずは、ボードの真上から見た形状から見ていきましょう。
ボードの形状
ツインチップ
前後対称で、前後どちらでも滑りやすい形状です。スイッチ(逆方向)での滑走がしやすく、フリースタイルやパークライディングに適しています。
ディレクショナル・シェイプ
ボードの前方方向に進みやすい形状です。通常、前方が少し長く、テール(後ろ)が短い形状をしており、前進方向に特化しています。パウダーや高速ライディングに向いています。
※ディレクショナル・シェイプとツインチップ・シェイプの大きな違いは、スタンスの位置にあります(以下、イラスト参照)。
ディレクショナル・ボードは、スタンスの位置がテール側に寄り、ノーズが長くなります。これにより、前方方向への安定感が増します。
一方、ツインチップ・ボードはスタンスの位置がボードの中心にあり、前後どちらにも滑りやすいですが、ディレクショナル・シェイプに比べて前方方向への安定性は少し劣ります。
【予備知識】ディレクショナルに近いディレクショナル・ツインとは?
前後対称な形状のツインチップボードでも、よりディレクショナルな乗り心地を追求するために、スタンスを後ろに下げる「セットバック」という方法があります。また、ツインチップの形状でありながら、推奨スタンス位置にビンディングをセッティングすることで、まるでディレクショナルボードのように前方が長くなる板を「ディレクショナル・ツイン」と呼びます。
初心者の方は、まず前に進むことやターンを覚えることが大切なので、ディレクショナル・ツインやディレクショナルボードを選ぶと良いでしょう。ただし、ツインチップボードでもスタンス設定を後ろにすることで、前方向に進みやすくすることも可能です。
キャンバー、ロッカー、フラット
次に、ボードを真横から見たときのプロファイルを確認しましょう。
キャンバー形状
キャンバー形状の板は、ボードをしっかり踏み込むことでたわみ、板の反発を活かすことができます。カービングターンに最適です。しかし、初心者にはエッジが引っかかりやすく、やや扱いが難しいと感じることがあります。将来的に頑張って使っていくことでメリットを感じられる形状で、特に脚力がある初心者に向いています。
ロッカー形状
ロッカー形状の板は、雪上でのトリックやグラトリに適しています。パークでのボックスやレールに対するエッジの引っかかりが少なく、パウダーライディングにも向いています。操作性が高く、初心者にも適していますが、高速でのライディングではグリップ力が弱く、フリーランを重視する人には物足りないかもしれません。最近では、ロッカー形状の人気が落ちてきており、ダブルキャンバーの方が人気が高まっています。
フラット形状
フラット形状は、キャンバーとロッカーの中間的な特性を持ちます。滑走性の安定感と操作性の良さから、初心者に最適とされることが多いですが、中途半端な印象を持たれることもあります。近年では、フラット形状の板の取り扱いが減少しているようです。
この項目のまとめ
フラット:キャンバーとロッカーの中間的な特性があり、初心者に最適との意見が多いが、取り扱いが減少している。
キャンバー:スピード滑走に優れるが、初心者やグラトリ愛好者にはエッジが引っかかりやすいことが懸念される。
ロッカー:操作性が高いが、高速でのライディングでは弱さを感じることがある。
近年人気のダブルキャンバーとは?
ダブルキャンバーとは、スノーボードのセンター部分がキャンバーのように反り上がっており、ビンディング設置部がロッカー形状になっていることで、全体として「W」のような形状を持つスノーボードのことです。
現在のトレンドであるハイブリッドキャンバーも、キャンバーとロッカーを組み合わせた形状であり、ダブルキャンバーのカテゴリーに入ります。この形状は、キャンバーのエッジホールドとロッカーの浮力やターンのしやすさを兼ね備えているため、多様なライディングスタイルに対応できるのが特徴です。
ダブルキャンバーは、キャンバーとロッカーそれぞれの長所を融合させていると言われており、カービングターン、パウダー、フリースタイルなど、さまざまな要素に対応できる「魔法のような板」と称されています。確かに、そのような特徴を持っていますが、良いとこ取りした分、キャンバーやロッカーの長所を完全には達成できない場合もあります。カービングを重視するならキャンバー、板を回すトリックにはロッカーが最適です。しかし、どんなスタイルにも対応しやすいということで、ダブルキャンバーは画期的なアイデアとして近年人気が高まっています。
また最近では、ダブルキャンバーがカービング性能でキャンバーに劣るとされていた問題をフォローする新技術も登場しています。例えば、エッジを従来のように真っ直ぐにするのではなく、波状にすることでエッジング性能を向上させる技術(リブテックのマグネトラクションエッジなど)や、ノーズとテールに厚みを持たせてエッジング能力を高める方法などがあります。ダブルキャンバーを採用している各メーカーは、これらの新技術を取り入れてダブルキャンバーの弱点を補っているため、近年人気のシェイプと言えるでしょう。
キャンバー、ロッカー、フラット、ダブルキャンバーの割合
世の中に出ているスノーボードの中で、キャンバー、ロッカー、フラット、ダブルキャンバーの割合はどれくらいなのか気になる方も多いでしょう。しかし、このリサーチは非常に難しく、有名なメーカーを選び、その全モデル数の統計を取らないと正確な割合はわかりません。
例えば、Wキャンバーがセールスポイントのメーカーもあり、そのようなボードしか作っていないこともあります。代表的な例として、NEVER SUMMER(ネバーサマー)が挙げられます。また、私が代理店業務を担当しているEndeavor Snowboards(エンデバー)は、ほとんどがキャンバーです。人気メーカーのバートンも、キャンバーボードが半数を占めています。
しかし、国内ではグラトリ人気が高く、ダブルキャンバーの板が目立ちます。ですので、非常に大まかな予想ですが、以下のような割合になるでしょう。
- キャンバー: 50%
- ダブルキャンバー: 30%
- ロッカー: 10%
- フラット: 10%
私が住むカナダでは、キャンバーの割合がさらに高くなると考えられます。
大切なのは、どの形状がどのような滑りに適しており、逆にどの部分が劣るのかを理解することです。この項目では、そのポイントを押さえておくと良いでしょう。
具体的なボードの選び方
ボードの選び方のまとめとして、具体的な選び方の例を紹介します。
- ボードの長さを決める
自分の身長や体重に合わせたボードの長さを考えてみてください。脚力が強い人や将来的に高速安定性を求める人は、少し長めのボードを選んでも良いでしょう。 - シェイプを選ぶ
ディレクショナルまたはセミ・ディレクショナルを選んでください。ボードの横から見た形状(キャンバー、フラット、ロッカーなど)は、将来的な用途に合わせて選ぶと良いですが、初心者にはフラットがターンを覚えやすいかもしれません。 - デザインを考える
自分の好みに合ったグラフィックデザインを選んでみましょう。せっかくスノーボードを始めるのですから、自分がテンションの上がるデザインのボードが良いですね。ファッションと同じように、自分のセンスに合ったカッコいいボードを選ぶと気持ちも高まります。 - 信頼できるメーカーを選ぶ
バートン、ナイトロ、K2、サロモン、オガサカなど、信頼のおけるメーカーのボードは安心です。これらのメーカーは、多くの人に愛用されてきた歴史があります。 - ショップでの確認
候補のボードを決めたら、ショップへ行って実際にチェックしましょう。ボードの重さ、硬さ、自分の足サイズに合った幅かどうか、デザインが自分好みかどうかを確認します。 - ショップの店員さんに相談
最後に、ショップの店員さんが大いに役立ちます。不安なことはどんどん聞いてみてください。知識豊富な店員さんは、将来的にカウンセラーやパートナーとしても頼りにできる存在です。
ショップはスノーボーダーにとって楽しい空間です。最初はちょっとドキドキするかもしれませんが、すぐに楽しい気持ちになることでしょう!
気を付けよう!安いスノボ3点セット
ネットで販売されている安価なスノーボード3点セットについて、どういった点に注意が必要かを解説します。これらのセットの多くは、あまり知られていないメーカーのギアで構成されていることが多いです。もちろん、有名メーカーでないからといって必ずしも悪いわけではありませんが、以下のリスクが考えられます。
- 専門的なアドバイスが得られない
ネットで購入する場合、初心者に最適なボードかどうかを直接相談することができません。 - 知識が浅い可能性がある
3万円以下の安価なセットでは、店員の知識が浅い場合が多く、ビンディングの取り付けや設定に不安が残ります。ワックスサービスがないケースが多いです。 - ブーツの選択が難しい
スノーボードのブーツは非常に重要な要素で、ネットショップでの選択にはリスクがあります。自分の足にぴったり合ったブーツを選ぶことは難しいかもしれません。
一方、普通のスノーボードショップや大手量販店では、どのギアが自分に合うかアドバイスしてくれます。こうしたショップでの3点セット購入は安心です。旧モデル(型落ち)でも、良いギアをうまく組み合わせてオススメしてくれることもあります。
予算について
スノーボードギアの3点セットを揃えるために必要な予算について、プロショップHEAVEN STOREのオーナー、中本さんに取材しました。以下が彼のコメントです。
「一概には言えませんが、NEWモデルと昨年モデルを組み合わせて、大体10万〜12万くらいを用意すれば、良いアイテムにたどり着けるでしょう。余裕がある人は、すべてNEWモデルで15万あればほぼ確実です。予算が厳しい場合は、最低でも8万は見てください。昨年モデルなどで探せば可能です。3点セットで5万以下は安く感じますが、スノーボードにハマった場合、1〜2年で買い換えることが多いので、結果的に2年で10万以上かかります。量販店販売員時代に多くの人を見てきました(笑)」
参考リンク
スノーボード選びのエキスパート!中本店長に聞く「初心者が気を付けるべきこと」
https://dmksnowboard.com/how-to-choose-snowboard-gear/
また、量販店でも店員さんの知識が不足している場合があるので、1店舗に絞らず、いくつかのお店を回ることをおすすめします。スノーボードショップを巡ることは、一仕事に感じるかもしれませんが、「これからスノーボードに挑戦したい!」というあなたにとっては楽しい体験になるでしょう。初心者にとっては、ショップ訪問時に様々な発見があります。老舗のプロショップは、スノーボードの最新ギアに関する知識を教えてくれる専門学校のような場所でもあります。しかも、無料です!行かない理由はありません。
最初は緊張するかもしれませんが、多くのスノーボードショップの店員さんはフレンドリーで、丁寧に説明してくれるでしょう。接客が好きでその仕事を選んだ人が多いので、お客さんと話すことが好きな人ばかりです。かつてスノーボードショップで働いていた私も、お客さんと話す時間が一番楽しかったです。だから、勇気を持ってスノーボードショップに行って、ギア選びを楽しんでください。
スノーボードのブーツ選びは妥協すべきギアではない!ということは、『スノーボード3点セット買うなら絶対2点セットが良い理由』でも紹介していますので、ぜひそちらの方も一読してみてください。
またネットで3点セットを買うなら、ブーツなしの2点セット方がいいでしょう。以下はその理由をまとめた記事なので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
参考リンク
https://dmksnowboard.com/why-buying-a-3-piece-snowboard-set-is-better-than-buying-a-2-piece-set/
スノーボード盗難防止の鍵は必ず!
新しいスノーボードを購入したのに、ランチ中に置いていたら盗まれてしまったという話をよく聞きます。特に人気のスノーボードメーカーのボードは、盗難のリスクが高く、注意が必要です。スノーボードの盗難防止には、1000円以内で購入できる鍵を使うことをおすすめします。
ケーブルロックとワイヤーロック
ケーブルロック式の鍵が手軽で便利ですが、強力なカッターを使ってケーブルを切る盗難者も稀にいます。そのため、自転車用のワイヤーロック式の鍵も考慮する価値があります。ワイヤーロックは一般的に強度が高く、より安全性が増します。ただし、ワイヤーロックは少し重く、滑っている時にポケットに入れておくのは面倒かもしれません。
友人と共有する
鍵のワイヤーの長さにもよりますが、多くの場合、友人のボードと一緒にロックを掛けることができます。二人で1つの鍵を使って対応するのもひとつの手です。
ステッカーでの対策
自分のスノーボードにステッカーをたくさん貼ることで、盗む側にプレッシャーをかけることができます。ステッカーを剥がしてきれいにする手間がかかるため、盗難の抑止力となります。さらに、ステッカーを貼ることで自分のボードをカスタマイズする楽しみもあり、個性的なデザインにすることができます。
まとめ
スノーボードの盗難を防ぐためには、鍵を使うことが最も確実な対策です。ケーブルロックやワイヤーロックを活用し、友人と共有する方法やステッカーでの対策も合わせて考慮してみてください。自分のスノーボードを安全に保ち、楽しいシーズンを過ごしましょう!
参考リンク
春になるとスノーボードの盗難が増える!盗難を防ぐための方法
https://dmksnowboard.com/how-to-prevent-snowboard-theft/
スノーボード 板のステッカー貼り方講座
https://dmksnowboard.com/snowboard-stiker-tune/
数多くあるスノーボードブランドの特徴は?
サッカーならプーマやアディダス、車ならトヨタやニッサンなど、そのスポーツや商品に応じて、ブランド名がすぐに思い浮かぶものです。しかし、スノーボードの場合、信じられないほど多くのブランドが存在し、初心者がどのブランドを選べば良いのか、わかりにくいのが現状です。
基本的には、ここで紹介してきた「長さ」「幅」「重さ」「硬さ」「形状」といった要素をしっかり確認すれば、どのブランドでも問題ありません。
また、海外のスノーボードブランドは、国産ブランドと比べて仕上がりがラフなこともありますが、しっかりとチューンナップすることで、ボードの機能を最大限に引き出すことができます。
その意味では「どのブランドでもOK!チューンナップは怠らずに!」というのが、初心者へのアドバイスです。しかし、それでも気になるスノーボードブランドについて、いくつか代表的なものを紹介しましょう。
以下の紹介は、私が40シーズンのスノーボード経験をもとに感じた主観的なものです。「そういうイメージのブランドなんだな」くらいに軽く捉えていただければと思います。
では、まずはスノーボード界で最も人気が高いバートンから紹介していきましょう。
BURTON(バートン)
世界中のスノーボーダーから愛されるブランド。性別や年齢に関係なく、多くのボーダーに支持されています。スノーボード界では他の追随を許さない、圧倒的なリーディングカンパニーです。
CAPiTA(キャピタ)
グラフィックのカッコ良さで知られるスタイリッシュなブランド。オーストリアにある「マザーシップ」と呼ばれる最新鋭の工場で製造されており、品質も高いです。特にフリースタイル派や若い世代からの人気が強い印象です。
ROXY(ロキシー)
もともと女性用ウエア・ブランドとしてスタートしましたが、スノーボード分野でも注目を集めています。北京オリンピックの金メダリスト、クロエ・キムが愛用していることでも有名です。
HEAD(ヘッド)
量販店でよく見かけるブランドで、独自の「Double Camber Torsion(DCT)」形状を採用し、最新テクノロジーを積極的に取り入れています。
YONEX(ヨネックス)
ハニカム構造のカーボン素材で知られる競技者向けブランド。日本製らしい精密なイメージが強く、製品カタログにはベース素材メーカーなどの詳細情報も記載されています。
OGASAKA(オガサカ)
プロショップで販売されることが多く、シーズン前には完売することもあります。カービングに特化したい人におすすめのモデルを揃えた、信頼性の高い国産ブランドです。
K2(ケーツー)
量販店で見かけることが多く、伝統的にコストパフォーマンスに優れたブランド。特に初心者向けの安定したモデルが充実しています。
RIDE(ライド)
K2と同じ親会社ですが、より自由で大胆なイメージのブランドです。スタイリッシュなムービーも制作しており、世界中でファンを増やしています。
ALLIAN(アライアン)
国内でも人気が高く、特に女性ライダーの支持を得ているブランド。比較的手頃な価格で、初心者にも購入しやすいモデルが揃っています。
GNU(グヌー)
女性専用ブランドではありませんが、女性ユーザーからの人気が特に高いブランド。ジェイミー・アンダーソンなど、世界的に有名な女性ライダーが愛用していることも影響しています。
SALOMON(サロモン)
信頼のおけるブランドで、品質の高さは間違いありません。よくサロモンを乗っているスノーボーダーの友人から「調子いい!」と聞きます。あらゆる層のボーダーから人気があり、世界中で愛用されています。
NITRO(ナイトロ)
バートンに次ぐ歴史を誇る老舗ブランドで、初心者から上級者まで幅広いラインナップを展開。世界中にファンが多く、業界内でも確かな地位を築いています。オリンピックで活躍する選手たちも使用し、ひじょうに信頼できるブランドです。
JONES(ジョーンズ)
私が住むウィスラーでは、中・上級者の女性がよく乗っているブランド。パウダー好きで、上昇思考が高い女子におすすめです!
初心者向けスノーボードの選び方Q&A – 最適なボード選びのヒント
Q. ボードの長さ、幅、硬さ、形状などの5つの要素からアドバイスしてもらいましたが、結局のところ最も重視すべきことは?
A. すべての要素が大事ですが、まず最も重要なのはボードの長さです。身長に対してボードの長さが適切であることが基本です。通常、身長マイナス15~20センチ程度が目安で、ボードの先端がアゴから鼻くらいになる長さが適切です。硬さについては、初心者にはミドルからソフトの柔らかめのボードをお勧めします。また、軽めのボードの方が取り扱いやすいでしょう。
しかし、これらのことはあくまでも目安に過ぎず、ぞれぞれが持つ身体の骨格や特徴、運動経験にも左右されたります。
もちろん本人に合ったボードのサイズ、フレックスが良いのですが、極端な話、どんな板でも上達できないことはありません。初心者の方は、時に上達できないことをギアのせいにすることもありますので、何度も言いますがあくまでも「目安」と考えましょう。
ちなみに私は、身長164cmで板、152cmを使用して来ました。ちょっと長めからもしれませんね。だけど今季は、久しぶりに154cmの長さに挑戦し、高速安定性を求める考えです。
Q. 今シーズンのボードのトレンドはありますか?
A. 現在のトレンドはハイブリッドキャンバーです。これはキャンバーとロッカーの両方を組み合わせたボードで、体重移動がしやすくターンもしやすい特徴があります。オールラウンドに使えるため、フリーランからグラトリ、パウダーまで幅広く対応できます。ただし、特定のカテゴリーにこだわるなら、キャンバー(カービング用)やロッカー(ジブ用)も検討してください。
※今回の記事では、先にWキャンバーと紹介しているのがハイブリットキャンバーになります。
Q. グラフィックデザインが個性的なスノーボードですが、人気なものとかありますか?
A. 最近はナチュラルなグラフィックやシンプルなデザインが人気です。個性的なデザインも良いですが、長く愛用できるシンプルなデザインを選ぶのもおすすめです。自分のスタイルや好みに合ったものを選ぶと良いでしょう。
Q. ブランド品でなくても大丈夫でしょうか?
A. 有名ブランドでなくても問題ありません。適切なサイズのボードを選んでください。また、あなたにとってテンションが上がるグラフィックのボードを選ぶといいでしょう。
Q. そもそも板の値段の差は?
A. 板の価格は、使用されるマテリアルやブランドによって異なります。高品質な滑走面や特別なマテリアルを使用していると高価になりますが、必ずしも価格が高いから良いとは限りません。ブーツやビンディングにはある程度良いものを選ぶと、初心者にとっても快適さが増すでしょう。
Q. 日本には、関西方面などの暖かいエリアもあれば、北海道など寒いエリアもあります。地域差でボードの選び方は変わりますか?
A. 高レベルを求めるライダーであれば地域差も考慮するべきですが、初心者には特に気にしなくて大丈夫です。自分の予算とライディングスタイルに合わせたボードを選ぶことが最も重要です。
Q. 「今イケてる板」はありますか?
A. うーん、難しい質問ですね。今人気の板には、キャピタやライドかな。カッコいいイメージがあります。またバタレオンも人気があります。イケてるというか、国産のオガサカ系、スクーター、ノーベンバーなどは信頼高い品質で人気があってシーズン前には売り切れてしまうイメージがあります。
スノボ界の絶対的ヒーローのショーン・ホワイトが始めたホワイトスペースも注目です。特にフリーランを本気で狙うなら、カナダ生まれのエンデバーもおすすめです。
Q. ボードを新しく買ったらワックスが必要?
A. プロショップで購入するとワックスサービスがある場合もありますが、自分でワックスをかけるのも良いでしょう。ワックス作業は難しくありませんし、自分でやることでボードを長持ちさせることができます。少しずつ慣れていけば、簡単にできるようになるでしょう。
心配なら、プレチューンと言って、新品のボードをあなた好みにより滑りやすくする方法もおすすめです。特にこれまでチューンナップなどやったことがない初心者にはおすすめです。
以下の記事も参考にしてみてください。
Q. ボードケースは必要ですか?
A. はい、ボードケースは購入をおすすめします。エッジや滑走面を保護し、移動中のダメージを防ぐために役立ちます。簡単なケースでも効果がありますし、収納力のあるケースならブーツやウェアも一緒にしまえるので便利です。
●ご不明な点・ご質問・ご意見などありませんか?
こちらのハウツーのコンテンツは、みなさんのご質問、ご感想などを元にさらに発展していきます。
みなさんにお役に立つスノーボード・ハウツーを目指しますので、何か伝えたいことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
飯田房貴(いいだ・ふさき) プロフィール
@fusakidmk
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴39シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ、ウェブ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWingでは、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、レッスンも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして、世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!
著書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書』、『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。