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スノーボード急斜面が怖い人へ|苦手な原因と安全に滑るためのコツ
スノーボードを始めたばかりの頃、最初の大きな壁となるのがターンの習得です。片足スケーティングに慣れ、リフトの乗り降りにも戸惑いながら、ようやくターンができるようになると、中級者コースにも挑戦できるようになります。
しかし、その先で多くの人が次に直面するのが「急斜面の恐怖」です。
斜面に立った瞬間、足がすくんで動けなくなってしまう。滑り出すとスピードが出すぎてしまい、思うようにコントロールできない。「どうすれば怖がらずに滑れるのか?」と悩む方も少なくありません。
ですが、急斜面を克服できるようになると、滑れるコースの幅は一気に広がり、スノーボードの楽しさは次のステージへと進みます。
本記事では、① 急斜面が苦手に感じてしまう原因② 急斜面で求められる基本的な動作③ 滑る際に意識すべき5つのポイント
について、順を追ってわかりやすく解説していきます。
急斜面が滑れない原因は体重が後ろ足に乗ってしまうから
いざ、急斜面を滑るチャレンジしても、怖いあまり身体が引けてしまって体重が後ろ足に乗ってしまいます。体重を後ろに乗せることは、決してスピード調整につながりません。むしろ、後ろ足に移動することで、ボードは押し出されたように加速してしまいます。人間は怖くなると、どうしても前屈み気味になり、また身体が引けてしまいます。つまり体重が後ろ足に乗って、姿勢が悪くなるのです。急斜面では、ボードの先が谷側に向いたとたんにスピードアップしてしまうので、減速させてボードをコントロールすることが大切です。速く滑ることが目的ではありません。自分の居心地が良いスピードまで低速させてコントロールすることが大切です。
後ろ足に乗ることは逆にスピードを加速させてしまう原因。また前足に乗ることで、ボードコントロールできるということを頭に抑えておきましょう。
コントロールさせるには前足に体重を乗せてテールを振る動作が必要
さらにくわしくボード・コントロールについて解説していきます。急斜面で必要なことはスピード調整すること。スピード調整するためには、前足に体重を掛けていき、テールを軽くすることが大切です。なぜならテールを軽くすれば、ボードをスイング(振る)することができ、ボードをズラしながらスピード調整できるからです。急斜面では、積極的に前足に乗っていき、ボードをスライドターンさせてスピード調整して滑る方法が有効です。
前足に体重を乗せていくのは谷側に向かって
急斜面を滑る時には、いつも前足に体重を乗せ続けるわけではありません。斜面を横切るところでは、体重の掛け方は両足均等で、50%:50%の割合でOKです。しかし、そこから徐々にボードが谷側へ進むに向かって、積極的に前足に乗せていかないと、体重が後ろ足になってしまいます。なぜなら、ボードは谷側に向かって走っていくのに、そのボードに乗っている人間が木のように天に向かって突っ立っていては、どんどん体重が後ろ側に移行してしまうからです。スノーボードの用語では、谷側のことをフォールラインと呼ぶのですが、そのフォールラインに向かって前足に積極的に体重を乗せていく必要があります。具体的には、50%:50%のところから、後足30%:前足70%へ移動していき、もっともボードの先が谷側に向かうところでは、ほぼ後足0%:前足100%に行くような感覚です。ボードがフォールラインに向かって進んでいくのに、コントロールする本人が嫌がっていては、そこでボードの進む力と意識が戦ってしまいコントロールできなくなります。フォールラインに向かうことを楽しむような意識が必要です。
POINT 1 : 両肩のラインを斜面と並行にしよう!
ここまで急斜面が滑れない要因→怖がるあまりに身体が引けて体重が後ろ足に乗ってしまうから求められる動き→谷側に向かって前足に積極的に乗っていくことを説明して来ましたが、ここから先は2つのコツをご紹介します。
実際に急斜面の滑り方がわかったところで、身体はうまく前足に乗っていけないものです。理論上では理解しながら、身体が付いていかないという感覚。必要なことは、自分の身体をうまくコントロールする意識です。そこでまずは、両肩のラインを斜面と並行にしよう!という意識を持ちましょう!
実際に、急な斜面で立ってみて両肩を斜面に対して並行にするようにしてみましょう。これは雪上でなくても、近所のどこかで見つけた斜面でもOKです。両肩を斜面に対して並行にしようとすると、かなり前足に体重を乗せていることが理解できます。先にお伝えした後足0%:前足100%の感覚です。
そこから、その意識を忘れないために、目をつむってみましょう。すると、この前足に乗せていく感覚がより深まっていくと思います。この感覚を忘れずに、ぜひチャレンジしてほしいのです。
POINT 2:前足が舵取りするために先行動作を使うことを覚える
ここまで聞いて、前足に体重を乗せていくことが大事ということを理解していただいたと思います。次のアドバイスは、前足で舵取りをしてほしい。そのために先行動作をオススメしたいということです。順に説明していきます。
まず舵取りというのは、文字通りこれから自分がどこへ行きたいのか、その方向付けのことです。車で言うところの前輪の役割になります。車が自由に左右に運転できるのは、前のタイヤが左右に向くからです。だけど、後輪はただ前輪に付いていくだけです。あくまでも方向付けを決めるのは、前輪となります。
スノーボードで急斜面を滑る時も同じです。前足で方向付けをして後ろ足はできる限り何もせずただ付いて来るだけでいいのです。しかし、多くの急斜面が苦手な人は、それができずに最終的には後ろ足を蹴り出すような格好でターンを仕上げてしまいます。このような上半身と下半身が捻じれた姿勢は、逆捻りターンと呼ばれます。
逆捻りターンでは、ターンの後半に急激にズラするので、効率的ではありません。しかも、意識せずにこのような逆捻りターンをしている人は、ボードの先がフォールラインに向かうところで後ろ足に体重が乗ってしまい、ターンの仕上げの段階で急激に逆捻りを行うのでひじょうに不安定。自分でも「やりたくなくても、こういう逆捻りターンになっちゃう」という症状に陥っています。急斜面が苦手な人の特徴です。(注:将来的に逆捻りターンは、積極的にコブ斜面を攻略する時などにも利用できます。ここで僕が言う逆捻りターンとは、後ろ足が体重に乗ってしまって、やりたくないのにやってしまったという状況のことです)
それでは、どのようにしたらこのようなことが解消し、ターン始動部分からボードのテールを振ってスピードをコントロールできるのか?
それは、前足を軸にして、そこから舵取るすることです。カカト側に立った状態から、つま先側のターンをしたいなら、いち早く前足首を曲げること。またつま先側からカカト側のターンにいきたいなら、いち早く前足のつま先をいち早く引き上げボードの方向付けをすることです。この動作は車のアクセルを踏むような運動にも似ています。つまり前足の上がり下がりで、うまくボードをコントロールさせていくということです。英語圏のレッスンでは、「ペダリング操作」と呼ばれるテクニックです。しかし、わかっていてもこのような前足操作ができなかったりします。そこで、プラスさせたい動作が先行動作になります。
先行動作とは?
先行動作とは、これからボードが進む方向に身体のある部分を先にそちらに向けることです。「足首さんが思うように動いてくれないなら、先に何々さんに行ってもらいましょう!」という感じのことです。それは目線であったり、腰であったり、ヒザであったりします。具体例で話しましょう。あなたはヒールエッジ(カカト側)で急斜面に立っていています。そこから、つま先側にターンしたいのだけど、どうしても怖くて入っていけません。本来なら、前足首をいち早く曲げることで、つま先側ターンに入れるハズだけど、それが怖くてできないという状況です。そこで先行動作を利用します!まったくスピードが出ていないとターンの切り替えは、きっかけはつかみ難いので、まずはボードを真横の方向に走らせましょう。この時のスピードは遅くてもいいです。できる限りエッジを立てて、板を斜面を横切るように走らせてほしいのです。次にいよいよ先行動作です。ボードは、斜面に対して真横に走っていますが、時計の針で言うところの12時から3時、あるいはもっと先の方向に目線を送ってみてください。さらに、ボードが谷側へ走り出したら、前の手を含めた上半身をより6時方向に回していきましょう。
ターンの後半へ向かってヒップ(腰)、前足もターン方向に回していきましょう。すると、自然に前足に体重が乗り、前足首が曲がってスムースにターンが完成していることでしょう。これが先行動作の効果です!前足でターンの方向付けをしたい。だけど、うまく身体が動かない。だから、先行動作を使って、その必要な前足首を曲げる方向付けをしちゃおう!ということなのです。
ちなみにうまい人は、こうした上半身の先行動作をなしに、前足首だけでコントロールすることができます。実際、カナダのメソッドでは、こうした先行動作は否定的で、「足首だけで操作しよう」とアドバイスを送るインストラクターが多いです。しかし、うまくできないのなら、まずは上半身の先行動作を使うことはてっとり早い改善方法になります。僕の何年間にも及ぶレッスン経験では、この先行動作はひじょうに有効です。初心者の時に、これから進むターン方向に目線や手をリードしたことで、うまくできるようになったということは多くの人が経験していると思います。それと同じようなことを苦手な急斜面でやってしまおう、ということです。ちなみにこのような先行動作は、将来スピントリックする時にも有効で、初めてのスピントリックでは、上半身の先行動作を利用することで、回しやすくしてくれます。僕のここでのアドバイスは、「苦手なことは先行動作を利用する。うまくなったら先行動作は捨てても大丈夫!」ということです。
POINT 4:一瞬でもフォールライン(谷側)を見ること
実際に私がこれまでのレッスンで、最も効果的だったアドバイスをご紹介しましょう。それは、ターン中に必ず一瞬でも一瞬でもフォールライン(谷側)を見ることです。
先の先行動作にも関連することですが、斜面に対してボードが横になっている状態で、ターンを仕掛ける時、ボードは数秒ですが必ずフォールライン(谷側)に進みます。しかし、肝心の滑り手が怖がるあまりにフォールラインを見れないケースが多々あるのです。
特にヒール(カカト)サイドからトゥ(つま先)サイドへのターン移行を苦手としている人は多いです。ヒールサイドの斜滑降でボードを斜面に対して横にしている状態から、つま先側へエッジを切り替える段階で、一瞬たりともフォールラインを見れない方が多いのです。言い換えれば、それが急斜面を滑れない大きな原因になっています。
どんな乗り物でも、行きたい方向に目線を送るから怖がらずにスムーズに進んでいくもの。車の運転でも同じです。スノーボードのターン中にフォールラインを見れないという行為は、車の運転で言えば、正面を見ずに真横を見て運転するのと同じくらい怖い行為です。急斜面が苦手な人は、ターンを早く仕上げたいばかりに、フォールラインを見ずに斜面の切り上がる方向(=山側方向)を見る傾向が強いので、気を付けましょう。一瞬、1秒でもいいからボードがこれから進むフォールラインを見ることで、急斜面がうまく滑れるようになるでしょう。
POINT 5:いきなり谷側に落とさず、まずは斜面を横切る
急斜面が苦手なスノーボーダーを見ていると、常に谷側を見ている傾向が強いです。そして、そのままボードの先をいきなり谷側へ落とし、無理にターンを仕上げようとするケースが多く見られます。しかし、いざターンに入ると、怖がるあまり谷側を見られず、意識が山側へ向かい、結果として身体を山側に倒したり、後足に体重を乗せてしまいます。
そこで、私が強く提案するのは、まず斜面を横切るように斜滑降をして、ある程度スピードをつけてからターンに入るライン取りです。
板がほとんど動いていない状態からターンするのは難しいため、まずは斜滑降でスノーボードに助走をつけ、それから「C」の字を描くようにターンすることをおすすめします。ボードが急激に曲がらないスムースな弧を意識することも大切です。けっして、ボードの先をいきなり谷側に落とし、「L」の字を描くようなターンにならないように注意しましょう。
私がこれまで行ってきた初・中級者向けのレッスンでは、このアドバイスが有効なことが多く、正しいライン取りを意識することで急斜面でも滑れるようになる方が増えています。
ラスト・アドバイス|リラックスするためにできること
ここまでご紹介してきたポイントを実践していただければ、急斜面は確実に滑りやすくなっていくはずです。最後に、もうひとつ大切なアドバイスをお伝えします。それは、トライする前にしっかりと身体をリラックスさせることです。
急斜面が苦手な方は、斜面に立っただけでも強い緊張を感じやすいものです。滑り方を理解していても、いざ実際に滑ろうとすると、再び緊張してしまう場面は必ず訪れます。しかし、緊張した状態では身体が硬直し、本来できるはずの動きも妨げられてしまいます。
そこで、「今、自分は緊張しているな」と感じたら、まずは空を見上げてみてください。そして、ゆっくりと深呼吸を行います。鼻から息を吸い、口から長く吐き出しましょう。これを数回繰り返しながら、腕を軽くシェイクさせ、肩の力を抜いていきます。それだけでも、先ほどよりリラックスした自分に戻れるはずです。
そうしたら、あとはここまで学んだ意識と動作を試すだけです。最初から完璧なターンができなくても問題ありません。ある程度コントロールしながら急斜面を滑れるようになると、恐怖心は少しずつ薄れ、やがて「楽しい」という感覚に変わっていきます。
そのとき、あなたはもうこの急斜面ハウツーコンテンツを卒業しています。
GOOD LUCK!!!
飯田房貴(いいだ・ふさき) プロフィール@fusakidmk東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。スノーボード歴は40シーズンを超え、約20年にわたり雑誌、ビデオ、ウェブなどを通じてハウツー記事の発信に取り組んできた。1990年代を代表するスノーボード専門誌『SNOWing』では、「ハウツー天使」というコラムを執筆。季刊誌という発行ペースの中で100回以上の連載を達成し、金字塔を打ち立てた。『SnowBoarder』誌でも初期からハウツーコーナーを担当し、中でも読者へのアドバイスコーナー「ドクタービーバー」は大人気となった。自身が監修・出演したハウツービデオやハウツー本も大ヒットし、1990年代のスノーボードブームを支える存在となった。現在はカナダ・ウィスラーを拠点に、インストラクターとして世界中の人にスノーボードの魅力を伝え続けている。著書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書』、『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
【完全ガイド】ハイバック(フォワードリーン)角度の最適設定とビンディング調整術
スノーボードの滑りを大きく左右する「ハイバック角度(フォワードリーン)」の調整。しかしスタンス幅やビンディング角度と違い、メーカーごとに仕様がバラバラで、明確な度数表示もないため初心者がもっとも迷いやすい設定でもあります。
本記事では、ハイバック角度とは何か、調整で何が変わるのか、そして“最適な設定方法” をわかりやすく解説します。
ハイバック(フォワードリーン)は感覚頼りになりがち
スノーボードのビンディング(バインディング)設定といえば、
スタンス幅
スタンス角度
ハイバック(フォワードリーン)角度
の3つが基本。スタンス幅や角度はセンチや度数で表示されるため理解しやすい一方で、ハイバック角度だけは“メモリ”や“ダイヤル”など曖昧な調整方式が多く、感覚頼りの設定になりがちです。
たとえば、こんな会話を聞いたことはないでしょうか?
「オレはフォワードリーンを結構入れてる」「私は1メモリだけ入れる派」「だいたい真ん中くらいかな?」
同じビンディングなら通じても、メーカーが違うとまったく意味が変わってしまいます。
さらに、同メーカー・同モデルであっても、シーズンによって調整方式が変わるケースもあるため注意が必要です。昨年はギザギザのブロック調整、翌年はダイヤル式に変更…ということも珍しくありません(以下写真参考)。
そこで、まずは基本的な考え方として、フォワードリーンを入れると滑りにどんな影響を与えるのか、お伝えします。
●スタンスの幅、角度に関する説明は以下の記事を参考にしてみてください。https://dmksnowboard.com/how-to-set-up-a-snowboard/
ハイバック(フォワードリーン)角度を入れるとよりキレる滑りがしやすくなる
ハイバック(フォワードリーン)角度の調整は、特にハイバックを利用してエッジングするヒールサイド(カカト側)のターンで影響を及ぼします。ふくらはぎがハイバックにより掛かる力が加わり、フォワードリーンを入れた場合、より強いエッジングを得られるのです。結果、キレるターンができます。
感覚的には「足首を曲げるよう」道具(ハイバック)が求めて来るので、力強いターンができます。一方で常に足首の曲げを強制させられるので、筋力の疲れも伴います。
ハイバック(フォワードリーン)角度を入れないとズラしやすい
一方でハイバックを立てた場合。つまりフォワードリーンの角度が、おそらく買ったままの状態だと、棒立ちのような姿勢が取りやすくなります。その結果ボードはズラしやすくなります。逃げしやすいという印象もあります。常にリラックスしたような立った姿勢ができるので、感覚としては楽でしょう。
例えばボックスやレールなど強いエッジングを使わないケースでは、 こうした逃げやすい設定が有効になります。
次にプロ・スノーボーダーやインストラクターが実際にどのような考えを持って、フォワードリーンの調整しているのか、具体例をご紹介していきましょう。
フリースタイル派はフォワード角度入れない傾向
もちろんすべてのフリースタイルライダーが当てはまるわけではないですが、多くのフリースタイルを愛好するライダーたちは、フォワード角度入れない傾向があります。ボックスやレールなどするライダーは、特にフォワード角度を入れません。
ウィスラーで滑っている中村一樹プロは、キッカージャンプからジブまでこなすライダーですが、角度はまったく入れないそうです。立てたままにしている、とのことでした。
また、マイルン動画でお馴染みの中谷ルンちゃんは、元々スロープスタイルの選手でもあったけど、その時には一樹プロ同様に角度を入れなかったとのこと。しかし、最近はちょっと入れるようにしていて、また様々なシチュエーションでより角度を入れることも考えています。例えば、アイスバーンの時やバンクドスラロームのような大会では、強いエッジングが求められるので、「フォワードリーン角度を入れたい」とのことでした。
前足以上に後ろ足を入れる派が多い
実を言うと、フォワードリーンの角度は、前足と後ろ足を同じにせず、後ろ足により角度を入れるというライダーもいます。なぜなら、前の足首よりも後ろ足首の方が曲げやすく、そこで過重などを調整するからです。僕も以前は、後ろ足のフォワードリーンを入れていました。スノーボードは、後ろ足の方がしっかりと曲げるライディング・シチュエーションが求められるケースが多いので、このようなライダーが多いのでしょう。実際にスノーボードに立ってみて足首を曲げると、後ろ足の方が曲げやすいことがわかるか、と思います。
ハイバックの角度を入れたことがないという方は、両足を入れてみるのもいいけど、まずは後ろ足だけ入れてみるのも手ですね。
ハイバックの角度はブーツ角度分だけ入れるというインストラクター
私の友人のスノーボード・インストラクターは、ハイバック角度は、スノーボード・ブーツの本来持つ角度に合わせると言います。確かにスノーボードのブーツは、一見すると突っ立っているようなデザインですが、実を言うとちょっと前寄りに角度が入っています。
この表現方法は、ひじょうにわかりやすいですね。先にご紹介したように、スノーボードのビンディング・メーカーによって角度設定の方法は様々だから、早い話、ブーツの角度分だけ入れれいいや、という考え方です。
そうすると、結果的には立ったところから、ほんのわずかだけ入れるという形になります。
以上、これまであまりフォワードリーンを考えてアジャストしていなかった方は、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに僕が愛用しているビンディングは、バートンのマラビータです。以前はカーテルを3シーズン使っていたけど、昨シーズンからマラビータに変えました。どちらのビンディングもとても調子がよく、カーテルの方がよりカービング向き、マラビータの方が感覚的にもっと遊びがあってフリースタイル向きだと思いました。
●関連記事
意外と知られていない!?BurtonビンディングEST®とRe:Flexの利点と欠点https://dmksnowboard.com/advantages-and-disadvantages-of-burton-bindings-est-and-reflex/
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こちらのハウツーのコンテンツは、みなさんのご質問、ご感想などを元にさらに発展していきます。みなさんにお役に立つスノーボード・ハウツーを目指しますので、何か伝えたいことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
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飯田房貴(いいだ・ふさき) プロフィール@fusakidmk東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。スノーボード歴は41シーズンを超え、約20年にわたり雑誌、ビデオ、ウェブなどを通じてハウツー記事の発信に取り組んできた。1990年代を代表するスノーボード専門誌『SNOWing』では、「ハウツー天使」というコラムを執筆。季刊誌という発行ペースの中で100回以上の連載を達成し、金字塔を打ち立てた。『SnowBoarder』誌でも初期からハウツーコーナーを担当し、中でも読者へのアドバイスコーナー「ドクタービーバー」は大人気となった。自身が監修・出演したハウツービデオやハウツー本も大ヒットし、1990年代のスノーボードブームを支える存在となった。現在はカナダ・ウィスラーを拠点に、インストラクターとして世界中の人にスノーボードの魅力を伝え続けている。著書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書』、『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
スノーボード・ビンディングのセンタリング調整方法を徹底解説
スノーボードの新しい板を購入して、自分専用の「マイ・ボード」にビンディング(バインディング)をセッティングするのは、スノーボーダーにとってワクワクする瞬間です。しかし、初心者にとっては「どうやって調整すればいいのか分からない」と悩むことも多いでしょう。そこで今回は、スノーボードのビンディングを正しい位置に調整するための「センタリング調整」の方法を分かりやすく説明します。
ビンディングを調整する前に確認しておきたいポイント
スタンス幅や角度について知りたい方はこちら
ビンディングを取り付ける前に、スタンス幅や角度を正しく設定する方法について確認したい方は、以下のページがおすすめです。初心者向け!スノーボードのスタンス幅と角度の設定方法
ハイバックの調整方法も要チェック
ビンディングのハイバック調整が分からないという方は、以下のページをご覧ください。スノーボードのハイバック調整ガイド
それでは、今回はセンタリング調整について、お伝えしていきましょう。
センタリング調整とは?
ビンディングの「センタリング調整」とは、ビンディングの位置を前後に動かして、つま先側とカカト側がボードの中央に正しく位置するよう調整する作業を指します。この調整を適切に行うことで、以下のような効果が得られます:
操作性の向上:エッジングがスムーズになり、ボードのコントロールがしやすくなります。
安全性の向上:つま先やカカトが極端に出過ぎていると、ボードを寝かせた際にブーツが雪面に接触して転倒するリスクがあります。
初心者だけでなく、中級者や上級者にとっても重要な作業であり、ライディングの質を高めるためには欠かせません。
前後に動かす方法
前後に動かす方法は、ビンディングメーカーによっても異なりますが、多くの場合には、ボードに装着するディスク部分を動かすことによって、調整できます。
ビンディングでなくブーツを中央に
ビンディングをボードの前後真ん中に持っていくようなイメージが強いかもしれませんが、むしろブーツをボードの真ん中に持っていくような形で行います。
ややつま先を出しカカト側に収めるといい
スノーボードのエッジング操作、切り替えはつま先とカカトで行います。その時、カカト側はまさにカカトを使ってエッジングするのですが、つま先側は厳密に言えば、つま先でなく足の指の付け根あたりになります。
以上の写真で赤くしたところが、だいたい実際に使用しているところになります。やや極端な表現ですが、つま先側は意外にも足の指の付け根あたりで踏んでいるということを伝えたくて、このような表現にしてみました。
その結果、ちょっとだけつま先を出すような感じでセッティングすることになります。ぜひ、参考にしてあなたの大事な板とビンディングのセンタリングをしてみてください。こちらのセッティングがうまく行っていなかった人は、劇的に滑りやすくなる可能性もあるでしょう。
●ご質問などは、以下メールでも受け付けます。何かお困りの際には連絡してください。e-mail: fusaki@dmksnowboard.com
飯田房貴(いいだ・ふさき) プロフィール@fusakidmk東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。スノーボード歴は40シーズンを超え、約20年にわたり雑誌、ビデオ、ウェブなどを通じてハウツー記事の発信に取り組んできた。1990年代を代表するスノーボード専門誌『SNOWing』では、「ハウツー天使」というコラムを執筆。季刊誌という発行ペースの中で100回以上の連載を達成し、金字塔を打ち立てた。『SnowBoarder』誌でも初期からハウツーコーナーを担当し、中でも読者へのアドバイスコーナー「ドクタービーバー」は大人気となった。自身が監修・出演したハウツービデオやハウツー本も大ヒットし、1990年代のスノーボードブームを支える存在となった。現在はカナダ・ウィスラーを拠点に、インストラクターとして世界中の人にスノーボードの魅力を伝え続けている。著書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書』、『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
スノーボードの正しいスタンス幅、角度の決め方
スノーボードのスタンス幅や角度の選び方は、スノーボードを始めたばかりの方から経験豊富なライダーまで、誰にとっても重要なポイントです
ヘルメットだけは絶対に中古で買うべきではない理由
近年、スノーボードギアの価格が上昇し、リフト券の値段やガソリン代まで高騰しています。スノーボードを続けたい気持ちはあっても、出費がかさみ、節約の方法を探している方も多いのではないでしょうか





