Category: コラム

【コラム】ショップの選び方

文:齋藤 稔

カタログ号もお店に並び買い換えを考えている人は、そろそろ気になるボードが出てきているんじゃないだろうか? カタログ号にはたくさんのショップが載っているし、「ちょっと見に行くか」という気持ちになるのももうすぐだろう。そこで今回は間違いなくお世話になるショップの選び方について。

僕がお薦めするのは「店から買う」のではなくて「人から買う」ことだ。これは別に友達から中古を譲ってもらおうというのではなく、しっかりした店員さんから買おうということ。長年付き合いのある行きつけのショップがある人は間違いなく担当の人というか仲のいい店員さんがいるハズだ。困ったときに助けてくれる心強い味方を作る。それが「人から買う」ということ。

いい店の条件とは何だろう? 商品がたくさん置いてある。きれいで入りやすい店内。アフターサービスも万全。このあたりは最低ライン。僕はさらに一歩進んで「きちんとした店員さんがいる」ということもいい店の条件としてあげたい。たぶん初中級の人はまだ自分がどんな道具を使えばいいのか迷ってしまうことが多いと思うし、メンテナンスなどもよくわからない。そこで登場するのが「きちんとした店員さん」なのだ。例えばバインディングのセッティングがうまくいかない。だれに聞けばいいのだろう? もちろんこのホームページで聞いてもらえればアドバイスするけれども、そのアドバイスを元に自分でやらなければならない。これがいい店員さんがいれば「この間買ったんだけどセッティングがよくわからなくて・・・」など、その場で説明しながらセッティングをちゃんとやってくれるのだ。その時にネジがゆるんでいればきっちり締めてくれるし、ソールが汚れていればきれいにクリーニングまでやってくれるかもしれない。この他にも例えば「週末山に行きたいけど、どこが調子いいの?」「ターンがうまくできないけどコツってある?」「大会に出たいけどどうすればいいの?」などなど日々の細かい質問にも丁寧に答えてくれる人を見つければ、その冬のスノーボード・ライフはかなり快適になる。

ではいい店員さんはどうすれば見分けられるんだろう? 答えは「いろんな店員さんと話しをすること」。スノーボードって決して安い買い物ではない。だから少しでも安く買いたいと思うのは人の正直な心。でもしっかりしたお店はそんなに値引きしてくれない。でも値引きでお金を得してもアフターサービスがダメだったら結果的にはよけいにお金がかかってしまうのだ。場合によっては自分に全く合わない板を薦められシーズン中に買いなおしたり、つまらないシーズンを過ごすことにもなりかねない。だから買う前にいろんなお店に行って、いろんな店員さんと話してみることが重要になる。「アフターサービスは? セッティングはやってくれる? いろんな情報がある?」などなど店員さんと話してみて初めてわかることもたくさんある。その中で「この人なら大丈夫。この人と仲良くなろう」っていう店員さんが必ずいるハズ。その人を捜し出せればスノーボードの買い物はほとんど勝利したといってもいいくらいだ。

これがいい店員さん
1 商品の知識がしっかりしていること
ワックス一個からでもきちんとしたアドバイスができること。お店の板のことなら100%なんでも答えてくれること。あやふやに濁すようならその店員さんはモノをよく知らない。

2 スノーボードをやっていること
うまいかどうかはこの際どうでもいい。プロレベルの店員さんは探す方が大変。だから本気でスノーボードをやっていることが重要。実際にやっていなくても商品の知識は勉強で覚えられる。だけど、セッティングやワックスのかけ方などはスノーボードを真剣に取り組まないとわからないことが多い。

3 話を聞いてくれること
こちらの話も聞かないで押し売りしてくる店員さんはダメ。こちらの話をきちんと聞いてくれてその上でいっしょに選んでくれる店員さんがいい。

最後にせっかくいい店員さんを発見してもその人を覚えていないことには意味がない。できれば名詞をもらったり何度が足を運んで顔を覚えてもらおう。そうすれば自然と仲良くなっていろんなアドバイスをもらえるようになっていくハズだ。せっかく高いお金を払って買うのだからいい店員さんをみつけて、道具の他にアフターサービスと情報も買っておこう。そうすればスノーボードはもっと快適になること間違いない。

【コラム】ギャンブル

文:齋藤 稔

NEWSコーナーでの橋本道代のニュースにはもの凄い衝撃を受けた。ただ、そのニュースを読みながら自分の中の一部分では、「またか・・・」と思っている部分もあったのが正直なところだ。数年前からプロ・スノーボーダー、特に一部のビデオ・スターと呼ばれているライダーのライディングははっきり言ってスタントマンのそれとたいして変わらなくなってきていた。より高く、よりスタイリッシュに、より複雑に、トリックとライダーは常に進化を続けているがこの進化は果たしてどこまでいくのだろうか?

FORUMチームのビデオ「TRUE LIFE」の冒頭で撮影中に怪我をしてしまい現在リハビリ中のライダーのためにというメッセージが流れる。見る側の「もっと過激に」という要求と見せる側の「もっと魅せなくては」という意識。この2つによってライダーは危険なトリック、前人未踏のラインに挑んでいく。その結果がスノーボード生命を絶たれるという最悪の結果を生むこともある。いや、本当に最悪なのは生命そのものを絶たれてしまうことだ。(不幸なことに毎年数名がひじょうに困難な状況を経験する)ただし成功すれば彼らが勝ち取るのは日常では味わえないスリルと興奮。そして何よりも達成感だ。もちろん世界の頂点というポジションも当然の報酬だ。まさにギャンブル。掛け金は異常に高いがギャンブラーはポーカーフェイスでチップを放り投げる。放り投げるチップはもちろん自分の命。FORUMチームはそんなギャンブラーの集まりといってもいいのかもしれない。(現在のところ賭に勝っているライダーが多いが大負けしたライダーもいる。負けたライダーは現在負けを回収中だ)

大きな成功を手に入れるビデオ・スター。それにあこがれるキッズたち。これは横乗り系と呼ばれる文化では当たり前のことだ。スケート、サーフィン、そしてもちろんスノーボード。スタントマンとライダーは違うのだが何も知らないでビデオを見る人にはその違いがわからない。まあ、素人から見れば無謀なチャレンジにしか見えないのだから致し方ないことだろう。だがやっている人間はもう少し冷静に見るべきだ。君はスノーボードの怖さを知っていなければならない。無謀なチャレンジには高い掛け金が必要なことも、それが意外に簡単にかけられてしまうことも覚えなければならない。橋本道代は世界でもトップ・レベルのプロ・ライダーとしてオリンピックでも活躍した本物だ。彼女のレベルにあっても突然それは訪れる。ある時、突然手札にまずいカードが回ってきてそれに気がついたときにはもう後戻りできないほどチップの山ができている。彼女が今回この高い掛け金を払うことになったのは残念で仕方がない。一日も早い回復を願うばかりだ。

話を元に戻そう。自分の中の一部分が「またか・・・」と思ったのはこの見えないギャンブルをちょっとでも知っている人間なら当然のことだ。どこのキッカーで誰がやられたなんて話は世界中でおなじみの会話だ。だが冷静になって考えてみてくれ。君たちはそこまでチップをかける必要があるのか? 橋本道代もそうだが高い代償を払うライダーは当然その覚悟ができているからやっている。もちろんその必要もあるからだ。もう1つ上の世界に上るためにテーブルにチップを放り投げカードを睨む。君はそこまでする必要が本当にあるのか? 今年の冬も君と同じような多くのスノーボーダーが平気でチップを放り投げるだろう。シーズンの終わりにはチップは増えているかもしれないし、そのままかもしれない。ただチップがなくなるっていう最悪の事態だけは避けた方がいいだろう。このアドバイスは間違いなくすべてのスノーボーダーが一度は耳にするが、すぐ忘れてしまう一番重要なアドバイスだ。頼むから君だけはこのアドバイスを忘れないでくれ。チップの回収は思いのほか難しいから。

【コラム】メディア

文:齋藤 稔

メディア。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など、普段誰もが何気なく情報を取り込んでいる便利なモノ。スノーボードに関していえば専門誌の影響は少なくない。僕自身もメディアの端っこに立っているのだが、最近はメディアに毒される人がとても多いような気がする。

例えばファッション誌の場合、なんで各雑誌が今年の「流行はこれだ」って同じような服を載せているのか不思議に思ったことはないだろうか? 数年前のNike Air Maxの異常な値段での販売と、それを追いかける若者は記憶に新しいと思う。メディアが「これ!」って言ったらそれじゃないとダメって思っちゃう人が日本には凄く多いようだ。

もともと日本人は「世間体」という言葉を大事にする民族らしい。昔から周りを気にして「平均的」であることに執着する。良くも悪くも目立つことをさけ少数でグループを編成し、集団の一部となることで安心感を覚える。これは古くは政府の政策であり、狭い国土で多くの人間を支配するのに都合がよかった。一般市民は「おとなしい羊」であり、危険な「一匹狼」は排除することにより一部の人間が多くの人間を支配できるようになる。現在これと同じような政策を推し進める国はごくわずかだ。今はこの国も少しは変わってきているようだが、日本人に古くから刷り込まれてきている民族的な意識はそう簡単にはなくならない。最近の若者は横つながりの社会とよく言われるが、言い換えればこれも同世代との平均化が進んで来ている証拠だろう。

スノーボードは自由の国で自由な精神から生まれた遊びだ。誰かが型にはめて作り上げたものでは決してない。そのためかライダーの中には良識のある大人が眉をひそめるような強烈な個性を持っている場合も少なくない。これは日本におけるスノーボードの普及に多少はマイナスの要因となっていたようだが、今となっては見てのとおり完全に認識され、ウィンター・スポーツと言えばスノーボードというまでに成長した。この成長に貢献したのがメディアである。新しい遊びとして各メディアが競うように取り上げ、スノーボードの社会的な認識と普及に大きく貢献して来た。

しかし、今度はメディアがスノーボードをコントロールし始めてしまったようだ。いや、正確に言えばメディアに振り回される人が増えてしまったと言うべきなのだろう。数年前はハーフパイプ、ここしばらくはスロープ・スタイルがメディアの主流となり、メディアの主流になれば、それがスノーボードの主流と勘違いする人が増えてくる。(メディアが一斉にクレイグ・ケリーを取り上げ、パウダーを特集するということを一年間続ければ間違いなく来年はパウダー用のボードが飛ぶように売れるハズだ。)たしかにスロープ・スタイル、特にジブとワンメイクは主流に見えるが、これはメディアが求めるのは常に新しいことであり、今新しいのはジブ・トリックとスタイルのあるワンメイクであり、メディアに出ることで飯を食っているプロ・ライダーはメディアの求めるシーンで活躍することが求められるからだ。これをBURTONの社長ジェイクは「ヘルシーな状態ではない」と言い切っている。

メディアが主導権を握るではなくライダー一人ひとりが主導権を握る状態こそが本来のスノーボードであるハズだし、そのためには個人がもっと個性を主張していいハズだ。雑誌やビデオは学校で読む教科書程度にしか役には立たない。(言い方を変えれば少なくともその程度には役に立つ)メディアに利用されるのではなくメディアを利用することをそろそろ覚えてもいい頃だ。一番重要なのは楽しむこと。楽しむことに型はいらない。周りの目なんか気にしないでもっといろんなことにチャレンジしよう。もっと違う楽しみ方が自分には合っているのかもしれないし、そればっかりはやってみないとわからない。メディアがダサイと言い切ってもそれが最高に楽しければ、それは間違いなく自分にとってクールなことなんだ。もっと自分にとってクールなことを追い求めるんだ!

ただし、ルールやマナーを守らないで他人に迷惑をかけるのはホントにダサイので絶対にやらないように!

【コラム】セッション

文:齋藤 稔

先日長野で滑る機会があったんだけど、この時に思いがけないセッションを楽しむことができた。たった一本だけの短いセッションだったけど、久々に気持ちのいいセッションだった。

「雪、重くなっちゃってるね~」

僕に声をかけてきたのは一人のスノーボーダー。BURTONのCUSTOMとCFXのセットに青いウエア。地元のローカルだろうと思いながら「いや、朝は結構気持ちいい雪でしたよ。トラックもほとんどついてなかったし」バインディングを外し、ゴーグルをとって答えると、そのスノーボーダーもゴーグルを外した。その顔を見て僕は驚いた。ビーニーからでている髪の毛は白髪交じりで、何よりも目尻のしわが深く刻み込まれたおじさん(推定50代真ん中?)だったからだ。何もおじさんのスノーボーダーが珍しいんじゃなくて、その若い格好とその人のギャップに驚かされた。第一印象は「若いおじさんだな」と思ったくらいだったのが、「そうかい。今日はゆっくりきちゃったからな~」と言いながら足早にゴンドラに乗り込んで行ったその姿は、パウダーを逃したスノーボーダーそのもの。(ちなみに前日の11月27日、白馬は大雪でこの日も朝から極上のパウダーを満喫できた)僕もゴンドラに乗って上まで上っていき、バインディングをつけていると、さっきのおじさんが「籠もってるんですか?」とまた声をかけてきた。そこで僕が休みが取れたんでせっかくだからと言う感じで話しているとそれとなく、じゃあ滑りますかってことで、おじさんとのセッションが始まった。

初めは後ろを滑っていたんだけど、このおじさんかなりうまい。無駄のない滑りで、まだ残っているパウダーをヒットしていくライン取りも軽やか。若いスノーボーダーが立ち往生しているような荒れたバーンでもきれいにターンしていく滑りは最高にカッコいい。その格好に始め驚かされたが、滑りはそれ以上に驚きだった。途中ノーズが刺さってこけてしまっていたが、楽しそうな笑顔からは余裕があふれていて、僕も心配しないでそのまま下まで滑りきって、おじさんが来るのを待っていた。バインディングを外しながら「いや~、年かね。もう足にきちゃったよ」と満面の笑みでとても満足そう。「ところでおにいさんの板はなんだい?」と僕の板(5年くらい前のBURTON・SUPERMODEL68)を見ているので、説明していると「そういえばBURTONにfishとかいうのあったよな? あれが欲しくてさ~」というのでまたもやfishの説明をしてあげると「良さそうだね。今日は56だけどパウダーの時は69を使ってるから。1月2月はそのくらいないと楽に滑れないんだよ」とこれまた驚かされた。このおじさんただ者じゃない。何しろ最後は「レストラン経営しているから、これから仕事しないとね。おにいさんはもっと楽しんで行ってよ」とこれからレストランの仕事に行くというのだからもう完全にやられた。久々に本当にカッコいいおじさんに会った楽しいセッションはこれにて終了。僕はそのあとも一時間ほど滑っていたんだけど、このおじさんくらいカッコいいスノーボーダーは他には見当たらなかった。

長野からウチに向けて車を走らせながら「あのおじさんの作った飯うまいんだろうな~」と何度も思った。あれだけカッコいいおじさんの作る料理だからまずいはずもない。次に長野に行く時は教えてもらった店に必ず寄っていこう。

【コラム】スノーボードのケガと事故

文: 井田 聡

僕は前のコラムでも書きましたが先シーズン、ブラッコムのテーブルで右膝靭帯断裂というケガをしてしまい、シーズン半ばで仕方なく日本に帰ることになりました。そして入院、手術を行い、今は完璧ではないけど前のように滑れるようになりました。あの時、僕は調子に乗っていて、確実に転ばない自信がありました。だから、おもいっきり直滑ってアプローチし、ランディングの長さなど考えないで飛べるだけ飛んで、みんなを驚かそうと思っていました。みんなといっても別に、大した数のギャラリーがいるわけでもなく、そのジャンプ周辺にいた僕の仲間2、3名とリフトに乗っている人たち(?)ぐらいでしたが。というか、ほとんどいなかった、と言っていいでしょう。それなのになぜか、何を勘違いしたのか自分がうまくなったと過信してしまいやっちゃったワケです。よーするにバカです。でも入院中いろいろなことを考え、スノーボードをすることを真剣に考えることができてよかったと思ってます。ケガをすることはマイナスかもしれないけど、自分を考え直したりできるので、初めはマイナスだとは感じるけどトータルでプラスマイナス0かなとも今は思います。

でも、こんなことを書いたからってケガしたやつが偉いわけじゃなくて、僕が一番凄いと思うスノーボーダーはケガをしない人。自分のことをよく知っていて正しい判断が下せる人。地味だし全然目立たないけど凄いことだと思います。どんなにぶっ飛んでる人よりも断然にカッコいい。

最近いろいろな友達とすべる機会があって、滑りを見てると恐ろしくなる人もいる。朝方のカチカチなところで初めから猛スピードで飛んで行く。
そして凄く派手なコケ方をしてる人。しかもシーズン初めの11月から。自分も以前、その人そのものだったから気持ちはわからなくもないけど・・・。

僕は以前、休憩を取るのが凄く嫌だった。「オレがこうして休んでる間にも、コツコツ練習して着々と腕を上げてるやつがいるんじゃないか? 休んでていいのか?」と思っていたから。でも、今考えればいきなりそんなうまくなるやつもあまりいないし、みんなある程度の段階を踏みながらうまくなっている。だから「気楽に楽しみながら滑ることもうまくなるコツなんだな」と最近は思う。一日中だらだら滑るんだったら、午前中だけ集中して滑って昼から上がって温泉でも行くのもアリだなと思えるようになったのです。単にオヤジ化してきただけなのかもしれないけど(笑)。

昔、シーズン初めから飛ばしていた頃は「みんなビビってんのか?ついて来いよ!」ぐらいのことを思っていたけど、今では「まだ先が長いんだからテンション上がるのもわかるけど気楽にいこうよ」と思えるようになった。だって、もしここでケガしたらどーすんの?滑れなくなるよ! 軽いケガならまだ治せばいいけど、もし治らないケガで滑れなくなっちゃたりとか、生死にかかわることになったら・・・。

先日、僕の知り合いの弟さんがスノーボードによる事故で亡くなってしまった。僕はその弟さんとはいっしょに滑ったことはなかったけどショックを受け、なんとも言えない気持ちになりました。友達の話では、前の日にお酒を飲んで明日スノーボードに行くと楽しそうに話していたそうだ。

くどいようだけど、ケガや事故には十分に気をつけてください。ホント最高にカッコ悪いです。スノーボードでケガしたと自慢げに話す人を自分も含めて、です! よくそういう人を見かけますけど、はっきりいってダサダサです。本当に気をつけてください。「今のエアー決まったー!みんな見てくれた?」と思っていても、残念ながら自分が思ってるほど他人は自分を気にしていません(笑)。少し寂しいですが。

最後に僕の知り合いの弟さんがスノーボードの事故によって亡くなってしまったことに心よりご冥福申し上げます。これを読んでくれた人、すべてのスノーボーダーのケガと事故が少しでも減りますように!心から願っています。

【コラム】大人になろう

文:齋藤 稔

前から思っていたのだがゲレンデのみならず日本には子供が多過ぎます。この場合の「子供」とは大人としてのルールやマナーを守れない子供のことを指します。自分勝手でわがまま、マナーも護れないような大人は大人ではなく子供なのです。まず、ゲレンデ見た子供発見編からいってみましょう。

1 タバコのポイ捨て
これだけみんなが口を酸っぱくして言ってもまだいるから不思議なものです。ゲレンデでタバコを吸ってポイ捨てするのは最低です。大人としてのマナーが全く見られません。最低限携帯灰皿を持ち歩いてください。バインディングをつけるときにタバコで汚れた雪面を見ると悲しくなります。

2 わがままし放題
リフトの割り込み、無謀な暴走などわがままし放題の人も子供です。リフトの割り込みはいい年した大人の方が目立ちます。逆に小さい子どもなんかはきちんと順番を守るようマナーを教えられているようです。せっかくの休日に来ているからたくさん滑りたいのはよくわかります。ですがそれはみんないっしょなのです。小さい子どもを押しのけて割り込んでいくあなたは最低な大人だとしか言いようがありません。反省してください。無謀な暴走も問題です。コントロールされた高速滑走と暴走をいっしょにしないでください。ゲレンデを高速で滑っていくうまい人はそれだけの技術を状況判断をもっているのです。自分の技術以上のスピードで暴走するのは自分が危険なだけでなく、周りも危険です。ぶつかって怪我したらどうするんですか? あなたはカゲしても構わないかもしれませんがぶつけられた方は最悪です。自分のレベルをもう一度認識してください。自分の限界にチャレンジするのであれば人の少ないゲレンデとコースを選ぶべきでしょう。

3 それを注意できない悲しさ
これが一番悲しいです。僕は基本的に見つけたら注意します。場合によっては怒ります。昨年僕といっしょにツアーで滑った人の何人かは見ていると思うのですが、割り込んできたスキーヤーを怒ったことがあります。そのスキーヤーは年の頃30前半くらいだったのですが思いっきり割り込んで行き、挙げ句の果てに彼女まで「早く来い」と割り込ませる始末。これを見ているゲレンデのリフト係や他のお客さんも見て見ぬふり。思いっきり頭に来たので怒ってやると「すみません」の一言も無く、じろりとにらみつけながら早くいけと言った表情。反省の色が全く見られませんでした。こういう大人には死んでもなりたくありませんね。もちろんそれを見ていたリフト係の人や他のスノーボーダー・スキーヤーも注意するべきです。面倒なことに巻き込まれたくないという気持ちから黙っているのでしょうが、最低限リフト係は注意するべきです。このままでは野放し状態で改善の余地がありません。

よくメディアでは「ずいぶん日本も熟成されて大人の文化になってきた」などとことあるごとに言っていますが、まだまだ日本は子供が多いようです。繰り返しますがルールとマナーを守れない人は子供なのです。はやく大人になりましょう。子供が多すぎるから未だにスノーボード滑走禁止のエリアがあったり、せっかくのパウダーエリアが滑走禁止なったりするのです。もちろんこういう子どもは一部なのですがこの一部のために本当の大人が迷惑するのは間違いです。昔はどの子供でも叱られたりしたのですが、最近は子供を叱るとその親が逆に怒られるという子供だったりするので大人の義務を逃げる人が多いようです。政府のTVCMだったと思うのですが、病院で子どもが暴れていても誰も注意しないでみている。「いつから子どもが怖くなったのだろう?」というナレーションが流れ、最後には一人のおじさんが立ち上がり「大人を逃げていませんか?」というナレーションで終わるのがありました。まさにそれです。大人を逃げてはいけません。一人ひとりがマナーとルールを守ればもっと快適で楽しい世の中になるはずなのです。

あなたは本当に大人ですか?あなたの周りに子どもはいませんか?

【コラム】バッジテスト改訂について

文:青木貴則

バッジテストという存在を知っている人はどれくらいいるのだろうか? インストラクターを目指している人であればこの存在を知らない人はいないと思うが一般のスノーボーダーははたしてどれほどの人がこの存在を知っているのだろう。

バッジテストの詳細についてはJSBAのホームページにて確認してもらうこととして、ここでは簡単にバッジテストの概要について紹介しよう。

バッジテストとは滑走技術を評価するためのシステムで、1級~5級の5段階にわかれている。滑走種目は級によって異なるが、ロングターン、ミドルターン、ショートターン、フリーラインディング、エアなどがある。最も簡単なのが5級で、1級が最上位の級となる。1級取得者にはC級インストラクターになるための資格が与えられるため、インストラクターを目指す人にとっては必ず通らなければならないものとなっている。

さて、このバッジテストは今シーズンからいくつかの項目が改訂された。まず1級の種目からロングターン(ドリフト)が消え、代わりにエアーが入ってきた。次に1級、2級の総合滑走がフリーラインディングという種目に置き換わった。この変更では、今までの総合滑走という滑走技術の評価に加え、トリックやビッテリーターン等が加点要素として考慮されることになった。

今回の改訂によってトリックやエアなどフリースタイル・フリーライディングの要素が考慮されることになったというのはとても良いことだと思う。しかしながら、このトリックやエアーの導入にあたって、いくつかの問題点を指摘することができる。

一つめは、検定員はフリーライディング中のトリックをきちんと見極められるのか?ということである。私の手元にはインストラクター講習会でもらった資料があるが、この資料によると「フリーライディングで考えられる主だったトリック」として、フラットジャンプ、オーリー、スイッチ等が書かれてある。この程度のシンプルなトリックであればさほど問題は生じないだろう。それじゃぁバックサイドノーズプレスをしてからフェイキーになったとしたらどうだろう。スイッチしてノーズに乗りそこから180したらどうだろう?検定員はこれらのトリックを正しく見極められるのだろうか?うまく回せなかった、スイッチした時にバランスを崩していたと勘違いしないだろうか?
トリックはやったら必ず加点されるというものではなく、完成度が高いものについては加点、失敗した場合は減点にもなりうる。となると、検定員の見誤りによって、せっかく完璧なトリックだったにもかかわらず減点にされてしまうという事態が起き得る。これで合格だったのが不合格なんてことになったらとっても悔しい思いをするにちがいない。

検定員に関しては今回の改訂による移行講習が行われている。そこである程度のトリックの解説は行われたようであるが、トリックなんてものは名前のきちんと付いたものあれば自分であみだしような名も無いトリックというのもある。検定員にはそのようなトリックでさえも運動の性質を見極めて正しいジャッジをすることが求められる。
JSBAの方でもトリックの種類による点数化だけではなく、運動の性質という視点からトリックの点数化を行っていくべきであると考える。

二つめは、受験者の模範となるエアーを飛べるインストラクターが少ないということである。B級インストラクター以上の資格を持っている人はインストラクター検定の時に必ずエアーを飛んでいるはずである。しかしながら、この間参加したインストラクター講習会ではほとんどの人がエアーを飛べてないかった。たった50cm位のエアー台、普段パークで遊んでいる人からみると段差?とも思えるくらい小さなもの。さらに助走も15mくらいで、ゆるーい斜面であったにもかかわらず多くの人はきちんとランディングできずにコケていたのである。ビビッたのか、中には飛ばずに横を滑ってくる人さえいた。こんなんで良いのだろうか?

今いるインストラクターの半数以上はアルペンライダーであり、その多くはあまりエアーをしたことがない人のようである(少なくともインストラクター検定では飛んでいる)。しかし、インストラクターであり、バッジテストにエアーという種目が入ってきた以上、アルペンであれフリースタイルであれインストラクターはみなエアーができる必要がある。しかし現状はそうではない。JSBAはこのような状況をどう考えているのだろうか?

バッジテストにフリーライディングの要素を取り入れることはとても歓迎できることであるが、それをちゃんと見極められる検定員、デモれるインストラクターがいなければとても中途半端なシステムになってしまう。JSBAはこれらの整備をきちんと行ってこそ、初めて「バッジテストのシステムが改訂されました」と胸を張って言えるのではなかろうか。種目を見直すというのも大事ではあるが、それに伴う環境もきちんと整備する必要があるということを忘れてはならない。

【コラム】達人に学ぶ ブルース・リー編

文:齋藤 稔

水のように

コップに注げばコップの形に、ヤカンに注げばヤカンの形になる。ブルース・リーは自身の武道について教えるときによく「水」のたとえを話したという。一見自分の形を持たない水であるが、水であるという本質は変わることがない。つまり適応力を持ちながら自分の本質を強くもてと言うことなのだろう。水が注がれる入れ物の形になるように、様々な状況に柔軟に対応できる適応力を持つこと。それが水のようになることだ。
スノーボードに於いても水になることは非常に重要だ。天候・雪質・コースの状況に柔軟に対応し、その時のベストを探し出せる能力を持つことは上達の上で欠かすことのできないことだ。パイプの形が悪いから飛べないし、つまらないと考えるのではなく、このパイプでそうやって遊べば一番おもしろいかと考える。パウダーがあればパウダーを楽しみ、パークが調子よければパークで遊ぶ。柔軟に物事を捉えることができればフィールドはもっと広がるのだ。
水のように柔軟に考え、行動すること。間違いなくこれが全ての奥義につながるだろう。

【コラム】メンテナンス

文:齋藤 稔

メンテナンスと言っても道具ではなく、身体の方。最近クラブ員の掲示板で盛り上がっているのがケガについて。スポーツにつきものではあるのだが、実際その多くは未然に防ぐことができるものであると思うのは僕だけではないハズだ。

では未然に防ぐためにはどうすればいいのだろうか?
それはオフシーズンの過ごし方が重要になってくる。オフシーズンもしっかりとスポーツを楽しみ、ちょっとだけ身体に気を遣った生活を送るだけでケガの多くは防ぐことができる。
ケガを防ぐために必要なことは身体の柔軟性を保つこと、筋力を落とさないで機敏に反応できる状態を維持すること、そして食生活による健康な身体の状態の維持。以上の3点が大きいだろう。

身体の柔軟性を保つこと
例えば転倒したとき身体が柔らかい人は硬い人に比べケガをしにくい。これは転んだときの衝撃を身体の柔軟性が自然に吸収するためで、実際に身体の柔軟性はケガの予防につながるという話は全てのスポーツで聞くことができる。もちろんスノーボードでも柔軟性はひじょうに大事な点。ケガの予防の他にもパフォーマンスのアップも期待できるので柔軟性は最低限今のレベルを維持するよう努力しよう。毎日10分のストレッチでもかなり効果的。

筋力を落とさないで機敏に反応できる状態を維持すること
年々筋力は衰えていく。これは普段生活していても実感するし、ましてやスポーツの時などはなおさらだ。「年を取ったな~」と感じる人は間違いなく体力の低下を感じているハズ。長い年月スポーツを楽しみたいのであればトレーニングとまではいかなくても普段からちょっと気を遣うようにするといいだろう。なるべく歩く、階段を積極的に使う、散歩するなどほんのちょっとで筋力のレベルは変わってくる。まだまだ若いつもりでも間違いなく年々筋力は落ちているので落とさない努力を。

食生活による健康な身体の状態の維持
食生活により身体を健康にすることは基本中の基本。しかし、よく見ればコンビニの弁当が主食だったり、忙しくてサプリメントに頼っていたり。現代人の食生活はスポーツをする人には全く向いていない。無理に現在の食生活を変えるのは難しいと思うが、コンビニの弁当でもなるべくいろんなおかずがあるものを選んで毎日同じような内容を避ける。サラダを一品多く食べるようにすると言ったことでもかなり栄養のバランスは良くなる。またサプリメントはあくまでも「補助」であると考え食事による体調管理を心がけることが重要。

先日70歳という年齢で見事エベレストの山頂に立った三浦雄一朗さんはエベレストに向けて様々なトレーニングや準備を行ったとはいえ、チャレンジをしようと思うまでの体力をキープしたことは驚異である。間違いなくその裏には日頃からの体調管理があったことは簡単に想像できる。そこまでは必要ではないかもしれないが、少しでも長くスノーボードを楽しみたいのなら毎日のちょっとした努力をしてみてもいいのでは?