【コラム】命を賭けるプロ・スノーボーダー なのに・・・なぜかプロモーションの努力を怠る者たち

文:飯田房貴 fusaki@dmksnowboard.com

これまでたくさんのプロ・スノーボーダーやライダーと接したけれど。
彼らの、まあ間違いなくほぼすべてがスノーボードに対して多大なる努力をしている。
ライダーによっては、バックカントリーに行ったり、ストリート撮影したり、かなり命懸けのこともしている者も。

彼らが目指すところは、映像作品であったりするわけだけど・・。
なぜか、そこまでの努力で、さらにそこから露出する努力をするライダーが少なくて驚いている。

ライダーというのは露出してナンボ 売れてナンボ

多くのライダーと呼ばれる人たちは、スノーボードのギアを支給されている。
購入すれば、数万~数十万円するモノを、無料でもらっているのだ。

その代わりライダーは、その対価としてメーカーの宣伝するわけである。
さらに優秀なライダーは、ギア支給の他に金銭ももらえるケースもある。

ただ、実際、現在のスノーボード市場というのは、かつてのように潤っていないので、厳しい競争にさらされている。だから、契約金までもらえるというのは、ひじょうにマレだ。
かなり名前が売れているようなライダーでも、なかなかそこまでの契約金に辿り着けない。

ただ、本当にごく一部、まさにスーパートップのような存在は、1億円近くもらえるケースもある。
日本人ライダーで、そこまで行っているのは、もしかしたら一人か二人という感じだけど、海外のトップ・プロスノーボーダーでは、億単位の契約金をもらっているライダーもいる。

それでは、ライダーの価値というのは、どこにあるのか?
それは、もちろんライダーとして優秀な技術を持つことは大事な要素であり、さらにはそのライダーならではの個性も期待したいところ。
そして、用具支給や金銭支給しているメーカー・サイドから見れば、宣伝活動をしているかどうか、というところにある。

ライダーは露出してナンボ、売れてナンボなのだ。
いくら良い映像を残したとしても、それが多くの人に伝わらなくては、意味がない

よく昔から、良い製品と良い商品は違うという言葉ある。
いくら優秀な製品でも、それが売れなければ良い商品ではないわけだ。
ライダーも同じように、せっかく素晴らしい才能を持ったライダーでも露出がうまくできていなければ、宝の持ち腐れだ。

大きな露出ができてこそ、ライダーの価値が高まる。

今のライダーはできることがたくさん!Youtube、Facebook、Instagramすべて活用せよ!!

これから世に出ようとする若いライダーたちは、映像作りに闘志を燃やす者が多い。
一方で、できたらおしまい!とばかりに、そこからの努力を怠る者も多い。

これはライダーばかりの責任ではないが、ライダーを宣伝に使おうというメーカーもそのあと押しが必要。

90年代、00年代というのは、まだスノーボードの雑誌やビデオなどが全盛で、そこから露出されることで、プロ・ライダーとして確立する流れがあった。だから、そこに出演、登場するための営業活動も行われていた。具体的には、ライダーが雑誌社に出向き、ご挨拶という感じだ。
だけど、今の世の中、自分の力でYoutube、Facebook、Instagramなど、様々なSNS等で方法で露出できる。
それをすべて駆使すべきだろう。

ユーチューブだけでない。インスタだけでない。すべてやるべきだ

何度でも言おう。なぜなら、今の時代それができるからだ。
命を懸けてまで残した映像作品を、なんでもっと宣伝しないのだろう?なんでもっとたくさんの人に見てもらおうとしないのだろう? 

「自分で頑張りました!」って言うのがカッコ悪いと思う風潮がある。そこには、作品だから評価されるものって意識あるだろうから、謙虚な気持ちがあるのだ。
「こんなに頑張りました!いいでしょう~。」というより「こんな事やったけどどう?」というのが、カッコいいと思っているのだろう。

その気持ちわからないでもないけど、伝わらないことには意味がない

じゃあ、見てもらう人を増やすにはどうしたら良いか? 
その勉強をすればいい。行動すればいい。世の中には、どのようにして自分の動画をたくさんの人に見てもらうか、その方法の情報がたくさんあるのだから。

ライダーの中には、生き方が不器用な輩も多く、その人生の表現の不器用さが、ライダー道にまっしぐらというタイプも多い。僕はそういうタイプを見ていると応援したくなるが、でも、そこに胡坐をかいていてはダメだ。 一人でも多くの人に、〇〇〇〇(※ライダーの名前)というプロフェッショナル・ライダーを知ってもらわないと。

自分という人間を売るのではない。
ライダーとしての市場に出た商品を売るような感覚で、〇〇〇〇を売るのだ。

例えば、僕は業界としては、「フサキ」という名称で通っている。その方が覚えてもらえやすいし、ファーストネームを呼んでもらった方が親しみがあると思うからだ。
本名は飯田房貴というのだけど、状況に応じて「フサキ」や「飯田」を使い分けている。

ライダーも自分の名を売るために、また自分を応援するメーカーを宣伝するために、客観的にプロ・スノーボーダーとしての自分を見るべきである。バード(鳥)アイズ(目)。鳥のように空に舞い上がり、天の方から達観して 〇〇〇〇(=プロとしての自分)の状況を見るイメージだ。

VimeoでもYoutubeでも、もし世に出たら、それはもう弱肉強食のマーケットに参戦ということ。「評価は他人が決めるもの。僕の仕事はこれでおしまいさ。」というレベルではなく、さらに一歩、評価を決める人を増やす努力をしない、と。評価をコントロールすることはできない。でも、ジャッジを増やすことはできるし、その人数を増やす努力をしようよ、ということだ。その行動力が見たい。

そこで勝つためには、躊躇は禁物なのだ。
あの日、映像を残すために命を懸けたように、全身全霊で露出するべきである。

それができるライダーは強い。

自分は、Sandboxのプロモーション・ワークもしているが、そこでは20人ほどのライダーとの連絡がある。
何か連絡すると、間違いなく即反応を示してくれるライダーの一人は、田中幸だ。
先日は、本社に使える写真オファーしたところ、すぐに動いてくれた。
お陰で、新しい仕事に発展することになった。

昔からそうだ。サッチャンは、もの凄いエネルギーで、即行動なのだ。
ルックスが美しい、明るい人柄などプロ・スノーボーダーとしてプラスアルファの魅力があるが、それだけではない。なんだかんだ言ってもの凄い行動力。そして新しいステージに行く度胸があり、そのステージが彼女をより一層輝かせる。環境が彼女をさらに育てる。田中幸はそうやって今の地位を築き上げて来たのだろう。
だから、彼女はこの喰っていくのが難しいスノーボード業界で、今でも強く輝いているのだ。

プロ・スノーボーダーとして今の立場以上に輝くことが可能!

他のライダーのことを見ていると、なかなか自分がそこまで行けるイメージが抱けないという方もいるかもしれない。
そんな時、そのライダーは、悔しさのあまり己の技術をさらに磨き、一方である成功者をやっかみがちだ。
「あいつは口がうまい。」とか。「調子いい!」とか。

ある意味、その根性がそのライダーをより一層、カッコいいライダーとして磨かせている面もあるが、それではもったいない。なぜなら、そう妬んだライダーも今の立場よりも一層、輝くことができるからだ。

そこで僕は最後のアドバイスを伝えたい。
それは営業ワークの基本とも言えることだが、「NO」と言われるまでやり続けること。

例えば、自分を売るために、DMKsnowboard.comに聞いてみよう。
きっと、僕は「ウエルカム!」と言って君を宣伝するだろう。
インタビューをしてほしいって?
「はい、了解!じゃあ、君を宣伝するためにどんなインタビュー内容にするか、いっしょに考えてみようよ。」って。

さらには、他のメディア、雑誌にも聞いてみたらどうだろう?
もし、あなたがかなり優秀なコンテンツ、映像などを残したら、どこも採用したがるだろうから。
さらには、海外のメディアにも、どんどんアピールしようよ!
意外にみんなそんなことやっているものだよ。

例えば、バンクーバーにエンデバーというスノーボードのカンパニーがあるのだけど、そこの代表のマックスさんは、バートンのチャンネルシステムを自社のボードに使いたくって。でも、わからないから直接ジェイク・バートンさんに電話したらしいよ。そしたら、「いいよ!」と言われたんだって。

僕もより売り上げがアップできる代理店の仕事をしたくて、ヨガのメーカーで有名なlululemon(ルルレモン)に、契約の話をしたく連絡したことあったよ。あっさり断られたけど、丁寧に対応してくれた(笑)。

Nomisのディスリビューターしていた時は、セレクトショップで有名なBEAMS(ビームス)の本社にアポなしに行って営業しに行ったこともあったよ。アポなしでビルの中まで入るアホはいないから、「どなたですか?アポイントは?」みたいになって。コーヒー飲んで待たされた時は緊張したけど(笑

こういう空振りも多いのだけど、空振りできるってことが大事なんだよ。空振りを怖がっていたら、ヒットも打てないし、ホームランだって打てないでしょ?まずは打席に立たないと

だから、世界のトップと言われるようなスノーボード・メディアに掛け合ったり、もしアメリカに行ったらアポなしで、自分の映像のDVDを置いて来てみたらいい。
そうやって誰かに 「NO」 と言われるまでオファーするのだ。

会わないにしても、こうして営業のメールしたり連絡するのって、どれくらい時間が掛かる?おそらく数分でしょ?もちろん魂の入った文章で1つ1つ丁寧に時間を掛けてやれば、もっと時間が掛かるだろうけど。でも、撮影した時の気合に比べれば、そんな仕事はたわいもないだろう。だって、みんなの映像を見れば、想像できる。努力したかって、わかるよ。どれだけ気合入っていたかって!

何度も言うけど、優秀な営業マンとは、 「NO」 の数!
そして、現代のプロ・スノーボーダーの優秀さは、もちろん滑り&技術が前提にあり、さらに露出する努力で決まるのだ。
今後おそらくそのような努力が、さらに必要になって来る時代になるだろうね。

「フゥー、やんなっちゃうって!?」

そこでため息を吹いているあなた!その気持ちわかるよ(笑)。人間というのは、結婚のようなハッピーな出来事さえ、ストレスが出るというデータもあるぐらいだから。人間が持つ爬虫類時代の古い脳みその部分、それが新しいことを行うことに対してストップを掛けるらしいよ。

「一生懸命に残した映像ワークに加えて、さらに露出活動もするなんて!」って、思うことも無理もない。だから、「それは世間が評価すること。」と強がることで自分を肯定することも無理もない。

でも、大丈夫!ありがたいことに、現在はグーグル先生もユーチューブもたくさんあるではないか。意外にストレスはないもんだよ。ようは、どれだけ勉強して行動をして来たかということ。シンプルにそれだけの話だ。

だから、今一度立ち止まって考えてほしい!!!
これまでのライダー人生に足りなかったものを。作戦を立て直し、努力の方向、時間の使い方を考え直してみないかい?って。