スノーボード五輪を熱心に応援して来た山田幸彦氏が北京五輪ハーフパイプのジャッジに向けて怒りの投稿

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2014年ソチオリンピック以前から、平岡卓(HOOD)や、平野歩夢(BURTON)などを熱心に応援してきたフッド株式会社の代表の山田幸彦氏が、今回の北京オリンピックのハーフパイプのジャッジ向けて怒りの投稿!(※山田氏はこれまでにも何人かの五輪選手をサポートして来ていて、オリンピック時にはよくテレビ出演もされている)
すでに山田氏のSNSで投稿されたひじょうに詳細なジャッジ見解の内容の掲載をDMKサイトへの許可していただいたので、ここで紹介したい。

https://www.afpbb.com/articles/-/3389750

私は歩夢のジャッジに対するこの問題提起は、非常に意味のあることだと思う。
そして、この歩夢の根底にあるのはきっと前回の平昌オリンピックの決勝だろう。

ショーン・ホワイトと一騎打ちとなった決勝2本目のラン、私は今でもこの二人の死闘が目に焼き付いている。
決勝2本目のショーンの一つ前に滑った歩夢のルーティンは、BSエア(メランコリーグラブ)→FS DC1440(インディグラブ)→キャブDC1440(インディグラブ)→FS DC1260(インディグラブ)→BS DC1260(ミュートグラブ)だった。

高さのある完璧なルーティンは鳥肌が立つほど凄かったことを今でも忘れていない。
スコアは95.25、この時点で暫定1位となる。

そして、この日の最終最後に滑ったショーンのルーティンが、FS DC1440(インディグラブ)→キャブDC1440(インディグラブ)→FS540(ステイルフィッシュグラブ)→ダブルマックツイスト(ミュートグラブ)→FS DC1260(ステイルフィッシュグラブ)
ショーンもノーミスで完璧に滑りきひときわ大きな歓声が沸いた。

果たして点数はどうなったのか、会場全体に緊張感が張り詰める中、電光掲示板に現れたショーンのスコアが97.75。
この瞬間、歩夢のスコアを逆転してショーンの金メダルが決まった。

しかしこの二人のスコアを巡って、当時やはり大きな社会論争に発展した。
二人はともに、5つのヒットの中でDC1440のコンボ、そして1260を2回入れてきた。
だが、歩夢の1ヒット目のBSエア(メランコリーグラブ)に対して、ショーンは3発目にFS540を入れたから、回転数で歩夢を上回った。
いやいや、歩夢の方がショーンがDC1440コンボの後にFS540を入れたのに対して、連続でDC1440コンボ→DC1260コンボを成功させた。こちらの方がはるかに難易度は高い。

またはショーンの最後のFS DC1260ステイルフィッシュグラブが、歩夢のミュートグラブよりもポイントが高かった。いや、ショーンの2ヒット目は正確にはグラブは取れていなかった。
などなどこの二人の演技のスコアを巡っては、憶測だけではっきりした答えのないまま、この4年間が過ぎてしまった。

歩夢にとってみればソチの後、雪辱を果たすべき命がけで望んだ平昌オリンピックだったはず。
なぜ自分が負けたのか、そのあと自問自答の日々を送ったことは想像に難しくはない。
それほど今思うと微妙なジャッジングだったのだ。
ただ負けは負け、次に勝つためにあらゆることを彼は考えたのだと思う
そしてそれが今回の金メダルに繋がった

予選を1位通過して、最終日に一番最後に滑り降りること、3Dスピンの数、スピンの数では誰よりも多くメイクすること、誰よりも高く同じ高さを最後まで続けて滑ること、そして確実に余裕のあるグラブを決めること。
すべては平昌からの彼なりのフィードバックだったと確信を持って言える。

この歩夢のジャッジングの対する問題提起は、金メダルを取ったから今だから言えるし、やっとそれで関係者の心に響く言葉だろう
この競技はスコアが出たら何一つそのスコアに対して選手は文句が言えず(正確には文句を言っても覆らない)、選手はジャッジに対して何も言えない立場で試合に臨んでいる。
ならば、どうしてそのスコアだったかを、ジャッジした側もやはり明らかに説明するべきではないだろうか。
選手は歩夢の言葉どおり命を張って滑っている

ジャッジと選手の間で、両社の関係が保たれるとしたら、フェアーで100%の信頼関係がなければこの競技は成り立たない。
歩夢のこのスコアに対する問題提起は、ものすごく意味のあることだと思うし、さらにこの競技が今後も発展していくためには、避けては通れないことだろう。

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