日経新聞で西田崇コーチが語った鬼塚雅が1本目から勝負をかけた理由

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日経新聞で西田崇コーチが、北京五輪でのスノーボード勢活躍の舞台裏を明かした貴重な記事がアップされている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH031AJ0T00C22A3000000/

トピック内容には、村瀬心椛がスロープスタイルで決勝で10位となった事情、岩渕麗楽がトリプルアンダーリップに挑んだワケ、平野歩夢の採点に異論が噴出した2本目ジャッジの判断は?など、ひじょうに興味深い内容だ。
その中でも、目に入ったのは、これまで伝えられて来なかった鬼塚雅がビッグエアで1本目から勝負をかけた理由だ。
記者もなぜ、一発目にもっと無難な高得点を狙えるダブルコーク1080でなく、いきなりスイッチダブルコーク1260を狙ったのか、不思議だった。
結果は残念ながら、転倒。しかも2本目が滑れるか?と心配されるほどの大クラッシュだった。

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今回、日経で西田コーチが明かしてくれたのは、成功すれば他の選手へのプレッシャーにはもなり、一気にゲーム展開をアドバンテージに持って行けること。その大きな賭けに出たということ。また、鬼塚雅の公開練習では不安を感じたが、最後は彼女を信じたこと。また決勝で行なえる3本のランは、西田コーチがアドバイスしたのではなく、これまで鬼塚選手を支えて来た女子のコーチが行ったという点だ。
もしも、自分が仮に彼女をサポートするようなコーチの立場であれば、まずは予選でも見せたダブルコーク1080で高位置をキープするように提言したと思う。それで、ゲーム展開である程度の余裕とリズムを持たせて、2本目でさらに5位以内に付け、最後に大技ということを考えたであろう。他の選手のスコア展開次第で、おそらくそのやり方で5位から2位には入れたような気がするのだ。いわゆる、今大会で4位に入った岩渕麗楽のような攻め方だ。

しかし、実際、鬼塚が選んだのは、いきなり誰も届かないような大技、スイッチダブルコーク1260だった。
おそらく責任感が強い彼女なので、これまで応援して来た方のためにもメダルを届けたいという強い思いでの挑戦だったのだろう。

結果論だが、たしかに1本目にダブルコーク1080では表彰台に届かなかった。他のトップ選手たちが、オリンピックという大舞台で素晴らしいトリックをメイクすることに成功したからだ。
だから鬼塚の選択は間違っていなかったのだ。その結果、彼女は2本目も同じようにスイッチダブルコーク1260挑戦できたのである。しかし、1本目の大クラッシュの代償は大きかった。おそらく、相当な痛みと共に2本目に挑んだのではないだろうか。結果、2本目でも着地が流れてしまい万事休す。彼女の2度目のオリンピックも苦い思い出となってしまった…。
3度目の挑戦には、ぜひとも彼女の笑顔が見たいものだ。

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