北京オリンピック選手団最年少のスノボ村瀬心椛が銅メダル獲得!岩渕麗楽が「超」大技!フロントサイドトリプルアンダーフリップに挑戦!!

広告 five  

北京オリンピックのスノーボード女子ビッグエア決勝速報!!
今大会の日本人選手団最年少のスノボ村瀬心椛が、歴史に名を刻む銅メダル獲得!同種目、男女合わせても初の五輪メダリストとなった!しかも2010年バンクーバー大会のフィギュア女子、銀メダリストの浅田真央の19歳153日を抜いて、女子最年少の快挙となった。

村瀬は1本目にご挨拶とばかりに、バックサイド・ダブルコーク1080をメイクして調子付けると、2本目ではフロントでも1080を決めて、試合を有利に進めた。この2本目で3位以上をキープしていたが、3本目はさらにチャージするも着地がヒールで流れで失敗ランに。
しかし、17歳らしからぬ終始スマートなゲーム運びで、輝かしい銅メダルに輝いた。

広告

ちなみに記者が初めて村瀬心椛を取材させてもらったのは、2017年春のブラッコム(カナダ)だ。あの時、たしかまだ中学生になったばかりで、あどけない印象だったが、お母さんといっしょにブラッコムのパークでトレーニングしていた。
そして、記者はたまたま心椛が初めてフロントサイド1080をメイクした日に遭遇したのである。トリックを決めた後、お母さんが撮影してくれたビデオ映像を熱心に見ていた彼女の下向きに打ち込む姿勢が印象だった。あれから5年経った、今、まさに今日、歴史に名を刻むオリンピックの銅メダルに輝くてなんて!きっとお父さんと妹さんも含めて、親子姉妹で歩んだ二人三脚の結果だろう。おめでとうございます!スノーボード界に歴史に新たなページを加えてくれて、ありがとう!!

2017年に春に取材させてもらった時の親子の様子。

岩渕麗楽が「超」大技!フロントサイドトリプルアンダーフリップ挑戦で世界を驚かした!

岩渕麗楽は、1本目から順調にフロントサイド・ダブルコーク1080をクリーンメイク!さらに2本目もフロントダブル1080をビタビタに着地!
ここまで順調な試合運びだが、3本目にアンナに決められ、3本目のところでは4位というポジションだった。
ラスト1本は何をしてくるのか!先の平昌オリンピックでも悔しい4位だったのに、狙って来るに違いないと思っていたが…。

飛び出したのは、なんと女子では初となる「超」大技!フロントサイドトリプルアンダーフリップだった!!!
残念ながら転んでしまったが、この勇気と挑戦には決勝に進出してすでにゴールエリアにいた女子選手たちを感動。みんなから、ハグハグを受けて、会場を超盛り上げてくれた。女子ビッグエアの最大の山場、見どころを麗楽が創ってくれたと言っていいだろう。

おそらく彼女は、今回の北京オリンピックで平野海祝(※歩夢の弟)と共に、メダルを獲れなかった伝説のライダーとなったに違いない。それくらいカッコ良いことに挑戦したと思う。実際に彼女の挑戦は業界関係者のハートをぶち抜いたようで、記者の周りにも涙腺が止まらない人たちが増えている。

ビッグエア女王アンナ君臨!新星ゾーイが金を狙うが銀メダルに!鬼塚は五輪の女神が微笑まず…

金メダルは予選では劣勢に見えて、「どうかな?」とちょっと心配だった前五輪覇者のアンナ・ガッサー。今大会決勝に進んだ最年長30歳のアンナが、ここ一番で凄い集中力の高さは流石だ。

正直、前日の予選の日には、ゾーイや村瀬に押され気味で、今回の金はないかな?と思っていたけど、どうしてどうして!一発目から全開で3発目はスイッチからの1260まで決めた!

2人のライダーは、共に2本ともジャンプを成功させて、得点は0.25ポイント差となっていた。勝負はラスト3本目に掛かっていた。
ゾーイよりも先に飛んだアンナは、ニュージーの新星を追い抜くには1080スピンでは不十分と判断し、キャブ1260点を狙った。そして大会最高得点となる95.50点を獲得し、ライバルの勝利を阻んだ!

この時点で、ゾーイ・サドウスキー・シノットも1260を狙わなければならなくなった。しかし、彼女はバックサイド1260に挑戦するも着地することができず…、2位となった。同国、冬の五輪の金メダリストは、この北京で2つの金メダルを持ち帰る予定だったかもしれないが、残念ながらもう1つは銀となった。

今大会でのアンナの姿は、新世代のゾーイ、村瀬の前に立ちはだかり、「まだまだ女子スノーボード界はあなたたちの思い通りはさせないわよ!」と女王が再び君臨したような格好となった。今回の北京オリンピックでは、これまでの女子スノーボード界を引っ張って来たジェイミー・アンダーソンが予選敗退となったが、ベテランの域に入った30歳のアンナが大きな成果を収め、来シーズンからの女子スノーボード界もひじょうに楽しみな展開となった。

銀メダル獲得のゾーイ・サドウスキー・シノットは、近年、日増しに力強く成長するモンスター。彼女は、1週間ほど前のスロープスタイルの金メダル獲得により、ニュージーランドで初のウィンター五輪の金メダリストとなった。ビッグエアの予選でもトップ通過で彼女に死角はないと思われたが…。それほど誰もが見ても強く映った。ラスト1本は転倒してしまったが、最後まで攻め抜いた姿勢は素晴らしい。予選を通して、今大会の女子ビッグエアを盛り上げた立役者と言っていいだろう。彼女の未来は明るいと思われた北京大会だった。

ひじょうに残念な結果だったのは、日本のエースとして活躍して来た鬼塚雅が、またしても五輪の女神が微笑まなかったことだ。W杯、世界選手権、Xゲームスなど、スノーボードのあらゆるビッグ大会で好成績を収めながら肝心の五輪では良い結果が出ない…。

鬼塚は1本目から、いきなり勝負に出た!スイッチダブルコーク1260を豪快に狙ったのだ。しかし、これが着地が決まらず、怪我に繋がりかねないような大転倒だった。一瞬、もう2本目は滑れないのではないか、と心配されるほどのダメージを受けたように見えた。
それでも立ち上がり、2本目も果敢にスイッチダブルコークにトライ。しかし着地で板が流れて得点が伸びなかった…。

思えば彼女は、平昌オリンピック前のソチ大会からオリンピックに出場できる逸材だった。しかし、8年前に当時の世界レベルのプロ戦で表彰台に立ちながらも当時のナショナルチームの規定でソチには行けなかった。しかし、その悔しさをバネに平昌ではエース的な存在で出場。しかし、そのプレッシャーの大きさからか、または強風のためか、彼女は持ち前の実力を出し切れなかった。今回の北京ビッグエアでは予選までは雅スマイルで良い方向に進んでいると思えたが、決勝では、またしても残念な結果になってしまった。これが五輪の怖さだろう。
今はゆっくりと休んでもらって、これからもこの悔しさをバネに頑張って、4年後のイタリアで開催されるオリンピックにぜひとも己の実力を出し切ったジャンプを披露してほしい。最後まで戦う姿勢を見せてくれた彼女には感動した。

●女子ビッグエアの展開を知るためにも!以下のライブスコア速報ページもご参照ください!
https://dmksnowboard.com/live-socre-womens-bigair/

北京オリンピック女子ビッグエア結果

金メダル:アンナ・ガッサー(オーストリア)
銀メダル:ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)
銅メダル:村瀬心椛(日本)
4位:岩渕麗楽(日本)
5位:栄 格(中国)
6位:メリッサ・ペパーキャンプ(オランダ)
7位:ジャスミン・ベアード(カナダ)
8位:ローリー・ブルーアン(カナダ)
9位:テス・コーディ(オーストラリア)
10位:アニカ・モーガン(ドイツ)
11位:鬼塚 雅(日本)
12位:ヘイリー・ラングランド(アメリカ)

広告