北京オリンピック スノーボード完全観戦ガイド【ビッグエア編】

ビッグエアは90年代の中頃から注目されるようになり、スノーボード競技の中でもとても人気が高いです。雪山だけでなく都市でも開催されるため、かつては東京ドームで開催したこともありました。
最も有名で伝統的なビッグエア大会は、1994年にオーストリアのインスブルックで始まったAIR+STYLE(エア+スタイル)です。
オリンピックでは、先の平昌大会から採用されました。

Photos: @ussnowboardteam

競技説明

選手は、49メートルという高いところから、まるでジェットコースターのような40度という超急斜面を下り、発射台から大きなジャンプを披露するジャッジング競技。ジャンプの飛行距離は36メートル以上に達することもあり、見る者も壮観です!

ジャッジは6人いて、最高点と最少点のスコアは除外され、残り4人の中スコアを合算されます。このことによって、極めて高いスコアを出したものと極めて低いスコアを出したものが省かれ、より公平なジャッジングができると言えるでしょう。
例えば、ある選手のジャンプ(演技)得点は、6人のジャッジに、以下のような評価を受けたとします。
86点、83点、82点、84点、83点、78点
すると、最高の86点と最低の78点が省かれ、残りの4つのスコアが計算され、そこから平均得点が出せれます。その選手のスコアは83点となります。

予選では、2本滑ることができ、最高得点が採用されます。
各選手は、決勝に残るトップ12位までに入れるようにエアを放ちます。

また決勝では、12位の選手から滑るので、そのへんの駆け引きも必要になります。後から滑る選手は、前の選手よりも良いエアを披露すれば、より上の順位に行けます。だから、決勝では比較的に後に滑る選手の方が有利になるのです。過去には、予選でギリギリ通過した選手が優勝したこともありましたが、通常は予選で6位ぐらいまでに入った選手たちの争いになります。

決勝では、3本滑ることができるのですが、選手は同じ方向の回転技ができません。
スノーボードの回転技は、正面側から回るフロントサイトと呼ばれるスピン・トリックと背中側に回るバックサイドと呼ばれるスピン・トリックがありますが、同じスピン技を放っても得点にならないということです。例えば、ある選手は最初にバックサイド1620を決めて得点を加えたら、今度は同じバックサイド技を放っても得点にならないので、フロントサイドで1440を狙ったりします。そのフロントサイドの技が残念ながら転倒した場合には、そもそもそのフロントサイドの技の得点スコアがかなり低いので、もう一度狙ったりするような展開になったりします。
ようは、ある選手が得意な技があっても、まったく同じ技では得点を伸ばせないというルールです。

以上のような点を理解して観戦すると、よりビッグエアという競技が楽しめると思います。

ちなみに減点対象としては、完全に転倒した場合にはかなり低いスコアになります。一方でちょっと手が付いただけなら、ややスコアを低くするぐらいになります。その手の付き方もソロっとなのか、かなり手を付いたことで転倒を防いだのか、そのへんの評価もジャッジに委ねられます。ともかく選手は、ストンプと言って、かなり安定した着地をすることが、より高得点になります。
もちろん、より難しい技を行えば、着地も難しくるなるので、そのへんが難しいところ。

2021 世界選手権のスコアを見ていると、バックサイドで1620、フロントサイドで1440あたりまで回せば上位のスコアとなっています。しかし、オリンピックでは、さらにその上のスピン数ということになるでしょう。おそらくは、1800回転での争いになると思います。

ちなみにカカト側で蹴って、ジャンプにつなげることが多いフロントサイドのトリックは、つま先側で蹴ってジャンプをするバックサイドよりも回転数が低くなる傾向になっています。ワールドカップなど見ていて、バックサイドでのスピン数が、フロントサイドよりも回転数が増える傾向があるのは、このアプローチでの「つま先側」「カカト側」に影響されているのです。

さらに選手は、ジャンプをしている時にボードをグラブしますが、そのグラブする箇所でも難易度が変わって来るので、ジャッジングはそのへんも細かくチェックしています。

会場:ビッグエア首鋼(首钢滑雪大跳台)

ビッグエアイベントは、首鋼工業団地にあるビッグエア首鋼(首钢滑雪大跳台)で開催されます。
会場は世界初となる常設ビッグエア施設で、大会終了後は一般の人々がレクリエーション目的で使用する予定になっています。

ビッグエア開催日程: 2月14日~2月15日

Monday, February 14
ビッグエア公開練習

Tuesday, February 15
ビッグエア男女予選・決勝

さらなる公開練習・時間スケジュールの詳細などは、以下のページをご参考にしてください。
https://medias2.fis-ski.com/pdf/2022/SB/6080/2022SB6080PROG.pdf

注目選手

北京オリンピックのハーフパイプに参加する注目選手をご紹介します。

マーク・マクモリス Mark McMorris

Date Of Birth: September 3, 1986
国籍: カナダ
@markmcmorris
2021 Cup Standings: 30th
Stance: Regular


競争の激しいスノーボードの歴史の中で最も成功したライダーの一人。
マーク・マクモリスは2つの五輪メダルを獲得、またXゲームスでは20回ものメダリスト!それだけに留まらず4つのUSオープン、さらにスポーツ界の名誉あるESPY受賞者も獲得しました。
しかし、多くの素晴らしい結果をもたらしました一方で、多くの困難を抱えました。

2014年ソチ五輪では、オリンピックデビュー戦スロープスタイルで銅メダルを獲得しましたが、その2週間前にはアスペンで開催されたXゲームスで肋骨を骨折しています。(以下、動画参照)

2016年2月、マークはロサンゼルスで開催されたのAir + Style(エアー・アンド・スタイル)ビッグエア大会で着地の際に右大腿骨を骨折しました。 そして、その8か月後にカムバック!2016-17シーズンは、平昌オリンピック出場するための大事なワールドカップ戦がありましたが、そこでもサクセスストーリーを決めました。

そんな素晴らしいシーズンだったのですが、3月下旬にバックカントリースノーボードの事故で、顎、左腕、骨盤、肋骨の骨折、脾臓の破裂、左肺の虚脱など、複数の負傷を負いました。 しかし、その怪我をも克服し、2017年11月下旬に北京で開催されたワールドカップ北京大会のビッグエアで優勝!!
その後、平昌で2回連続のオリンピックスロープスタイル銅メダルを獲得しました。

マーク・マクモリスは、スノーボード界の新たなステップアップにも献立して来ています。
2011年にはバックサイドトリプルコルク1440を着陸させた最初のスノーボーダーとなりました。2017USオープンのスロープスタイルではスイッチバックサイド・トリプルコーク1620を初メイクし、金メダルを獲得しました。

2021年2月、北京オリンピック参加するポイントを得るためにスイスのワールドカップに参加しました。 しかし、スイスに行ったとき、コロナに掛かっていることがわかり、参加できませんでした。 しかし、翌月アスペンで開催されたビッグエア世界選手権では、見事に金メダルを獲得ししています。
マーク・マクモリスほど人生の正負の法則を教えてくれるライダーはいないかもしれません。
人生山あり谷ありで、良い時もあれば悪い時もあります。
マークは、スノーボードを通じて僕たちに大事なことを伝えてくれるような存在です。

マックス・パロット Max Parrot

Date Of Birth: June 6, 1994
国籍:カナダ
@maxparrot
Cup Standings: 1st
Stance: Goofy

マックス・パロットは、Xゲームスで7回も優勝し、平昌オリンピックのスロープスタイルでは、銀メダルに輝いています。

マックスはケベック州のブロモントスキー場の近くで生まれ育ちました。 彼は3歳でスキーを始め、10歳でスノーボードに出会います。マックスのお父さんは、カナダを代表するアルペンスキーレーサーで、ウィンタースポーツのサラブレッドでもあります。

マックスがここまで実績を残せた背景には、彼の故郷にあるケベックにあるMAXIMIZEという施設によるところも大きいでしょう。
MAXIMIZEには夏でも大きなジャンプができるエアマットがあり、トリックを練習できるトランポリンもあります。マックスに加えて、セバスチャン・トゥータント(平昌オリンピックの男子ビッグエア金メダリスト)とローリー・ブルーイン(平昌オリンピックの女子スロープスタイル銀メダリスト)も、 MAXIMIZE出身で活躍しています。

マックス・パロットは、スノーボードの歴史を4回塗り替えました。
2013年、彼はXゲームス大会スロープスタイルで、初となるバックサイド・トリプルコークをメイクしました。 2014年にはXゲームスでのスロープスタイルでは、トリプルコークを連続で決めています。 また2015年4月、マックスは世界初となるキャブ・クワッド・アンダーフリップ1620をメイク。そして、2016年1月、Xゲームスでキャブ1800トリプルコークを決めて、2度目となるビッグエアの金メダルを獲得しました。

スノーボード競技において、そんな輝かしい成績を収めて来たマックスですが、2018年12月なショッキングな出来事がありました。ホジキンリンパ腫と呼ばれる癌と診断されたのです。今後の競技生活が危ぶまれたしたが、その後に懸命の治療とリハビリを続けて、翌年の夏、マックスはXゲームスの舞台に戻って来ました。8月31日、ノルウェーで開催されたビッグエア大会で、奇跡のカムバック勝利を収めたのです。

マックスの生い立ちと奇跡のカムバックを伝える以下の動画もぜひご覧ください。

マーカス・クリーブランド Marcus Kleveland

Date Of Birth: April 25, 1999
国籍:ノルウェー
@marcuskleveland
2021 Cup Standings: –th

(近日中にアップ!)

ジェイミー・アンダーソン Jamie Anderson

Date Of Birth: September 13, 1990
Nationality: United States
@jamieanderson
2022 Cup Standings: –th

(近日中にアップ!)

鬼塚雅 Miyabi Onistuka

Date Of Birth: October 12, 1998
Nationality: Japan
@miyabionitsuka
2021 Cup Standings: 5th

(近日中にアップ!)

2022年 北京オリンピック・スロープスタイル/ビッグエア出場者リスト現在ランキング

北京オリンピックの参加者数:男子30名、女子30名。その内、1人は自国開催枠で、中国の選手に割り当てされます。
したがって、男女それぞれ29名の五輪出場枠を北京大会まで争います。
また、1つの国の最大参加者数は、男女それぞれで4名までです。例えば、1つの国に5人のポイントが高い選手がいても、その国は4名までしか出場させることができません。

ポイントの加算される時期は、ビッグエアが2019年7月1日から2022年1月16日までの期間に行われたFISワールドカップ大会の他、2021年に開催された世界選手権も含まれます。 その内、最高スコア4つが採用されます。
スロープスタイルも同様に、2019年7月1日から2022年1月16日までの期間に行われたFISのW杯&世界選手権の最高スコア6つが採用されます。
ランキングは上記の平均スコアによって決定されます。

Men

  1. Chris Corning (USA) 435pt
  2. Marcus Kleveland (NOR) 370pt
  3. Ruki Tobita (JPN) 373pt
  4. Max Parrot (CAN) 370pt
  5. Redmond Gerard (JPN) 320pt
  6. Justus Henkes (USA) 293pt
  7. Sven Thorgren (SWE) 288pt
  8. Dusy Henricksen (USA) 287pt
  9. Nicolas Laframboise (CAN) 284pt
  10. Ryoma Kimata (JPN) 283pt
  11. Mark McMorris (CAN) 256pt

さらなる詳細順位は、以下のFISページのリンクを参考に。
https://www.fis-ski.com/DB/v2/quota/allocation/owg/sb/2022?gender=M&event=SS-BA&page=1

Women

  1. Reira Iwabuchi (JPN) 563pt
  2. Laurie Blouin (CAN) 548pt
  3. Katie Ormerod (GBR) 533pt
  4. Anna Gasser (AUT) 485pt
  5. Kokomo Murase (JPN) 478pt
  6. Jamie Anderson (USA) 448pt
  7. Zoi Synnott Sasowski (NZE) 437pt
  8. Tess Coady (AUS) 403pt
  9. Brooke Voigt (CAN) 391pt
  10. Miyabi Onitsuka (JPN) 335pt

さらなる詳細順位は、以下のFISページのリンクを参考に。
https://www.fis-ski.com/DB/v2/quota/allocation/owg/sb/2022?gender=W&event=SS-BA&page=1