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嬉しい速報!!!
村瀬心椛(むらせ・ここも)16歳が、今季初のワールドカップ、スイスのクールで開催されたビッグエア大会で見事に優勝を飾った。これまでX Gamesでの金メダル獲得はあったが、W杯では嬉しい初優勝となった。

@bigairfestival 

表彰式の後の公式インタビューでは、なかなか流暢な英語で喜びのコメントを語った。

「優勝ができて、とても嬉しいです。出場する選手は、みんなとてもうまいのでナーバスでした。しかし、良い結果が出せて嬉しいです。
北京オリンピックに向かって、頑張っていきたいです。」

村瀬は、1本目にバックサイド・ダブルコーク1080を決めると、トップに立った。そのまま2本目のフロントサイド・ダブルアンダーフリップ900もクリーンに決めて、終始ゲームを優勢に進めることに成功。2位に甘んじてアンナ・ガッサーは、1本目にフロントサイド・ダブルアンダーフリップ900を決め手、2本目にバックサイド7という比較的なイージーなトリックで得点を確保。そして、3本目に逆転を狙う展開となったが、最後のバックサイド1080を決めれずにそのまま2位に終わった。

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女子1位通過で優勝の期待が高まっていた岩渕麗楽は、1本目にバックサイド・ダブルコーク1080を狙うも立てず、2本目も狙ったが失敗。最後も果敢にバックサイド1260を狙うも、着地が決まらなかった。W杯初戦は悔しい7位という成績に終わったが、攻める姿勢に次大会への期待が高まった。

昨シーズン、世界選手権の銅メダリストの鬼塚雅は予選10位に終わり、残念ながら決勝に進める8位に届かない悔しい結果に終わった。

日本勢に共通している点は、試合展開がどんな状況であれ北京オリンピックを見据えて、すべてのランで最高得点を狙っていること。村瀬の3本のラン、 岩渕の3本のランはどちらも80点から90点という高得点を狙ったジャンプだったと思う。例え優勝が決まっていても、例え表彰台に立つことができなくても、いずれにしても未来のために果敢に攻め込む姿勢が見えたのだ。そういった意味でも、北京オリンピックに向けてひじょうに楽しみなバトルだった。

3位に入ったのは、カナダの伏兵ジャスミン・ベアードだ。1本目にフロントサイド・ダブルアンダーフリップ900で高得点80.00ポイントを出し、最後もバックサイド7を決めて嬉しい初の表彰台に立った。彼女は、カナダ・チームの新鋭としてラスト切符でW杯に参加しただけに、カナダチームにとっても嬉しい新鋭の台頭となった。

Women’s Podium Runs

W杯スイス大会 女子ビッグエア結果
1位 村瀬心椛(日本)
2位 アンナ・ガッサー(オーストリア)
3位 ジャスミン・ベアード(カナダ)

7位 岩渕麗楽
10位 鬼塚雅

女子結果詳細
https://medias2.fis-ski.com/pdf/2022/SB/6057/2022SB6057RLF.pdf

一方、男子は地元スイスのヨナス・ボジガーが、嬉しいワールドカップ初優勝!地元のヒーローが優勝したことで、観客席はヒートアップ!この早い時期にスイスでは伝統的にビッグエア大会を開催を続けて来たが、こうして自国の選手が優勝を遂げるのは初のこと。会場には多くの若者が集まり、コロナは関係ないのかな!? 密集した観客は大声援を送り、W杯初戦は大いに盛り上がった大会となった。なんと2日間で集まった観衆は、3万人にも達するとのことだ。
そんな中、遂にパイプ王国のスイスに、ビッグエア界のニューヒーローが誕生した!

2位は、この日も終始熱いライディングで観客を沸かし続けたレネ・リンネカンガス 。1本目にバックサイド1620でトップに立ち、2本目はやや消化不良気味のフロント10で2位に後退。最後は逆転のフロント1440を狙うも着地決まらずに、そのまま2位になった。しかし、その転倒後にもゴール地点でハンドプラントを披露するパフォーマンスぶりで、今大会も全力で楽しでいる様子だった。

3位には、3本のランすべてをクリーンにメイクしたスヴェン・ソーグレンが入った。1本、2本はフロントとバックで1080という無難なトリックで得点を稼ぎ、ゲーム状況を見据えた。そして、最後の3本目にバックサイド1440を決めてしっかり決めて、見事に表彰台に立つ試合巧者ぶり。

Men’s Podium Runs

日本期待の國武大晃は予選でバックサイド1620を成功させて1位通過で期待が高まっていたが、残念ながら決勝は7位に終わった。
國武は、1本目にバックサイド1440を狙うも着地に嫌われ失敗。2本目にはノーズ、テールのダブルグラブをクリーンに決めながら、バックサイド1440をメイクし、76点という得点を得た。最後のフロントサイド1440が決まれば、表彰台も見えていたが、残念ながらメイクできずに終了。

全体的に見て男子のトリックは、1080回転の技をクリーンに決めると50点前後の得点だが、さらに1回転多い1440をメイクすると、高得点につながった。選手のトリック内容は、ジャンプ台のサイズやコンディション、風を含めた天候コンディションにも左右されるわけだが、今大会は1620回転を狙ってクリーンに決まらないよりも、1440回転でしっかりと決めることが上位に入った印象を持った。

優勝候補と言われていたマーク・マクモリスは、1本目と2本目を連続して転倒してしまったが、最後の3本目ではバックサイド・トリプル1620をクリーンにメイクし、実力者の片りんを見せた。

男子の方は昨日までノーマークの選手が優勝したり活躍したりして、誰か勝つのかわからない戦国スロープ時代に入った模様。
それだけに今回悔しい思いをした日本人選手たちにも、まだまだチャンスがあり。次戦は12月4日、アメリカのスティームボードで開催されるビッグエア大会だ。


W杯スイス大会 男子ビッグエア結果
1位 ヨナス・ボジガー(スイス)
2位 レネ・リンネカンガス(フィンランド)
3位 スヴェン・ソーグレン(スウェーデン)

25位 飛田流輝
28位 荻原大翔
34位 浜田海人
DNS 長谷川帝勝

男子結果詳細
https://medias1.fis-ski.com/pdf/2022/SB/6058/2022SB6058RLF.pdf

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LIVE SCORE: BIG AIR CHUR(Snowboard World Cup in Switzerland)
https://dmksnowboard.com/live-score-big-air-chursnowboard-world-cup-in-switzerland/

Big Air Chur FIS Snowboard World Cup highlights

2022年 北京オリンピック・スロープスタイル/ビッグエア出場条件

北京オリンピックの参加者数:男子30名、女子30名。その内、1人は自国開催枠で、中国の選手に割り当てる。
したがって、男女それぞれ29名の五輪出場枠を北京大会まで争う。
また、1つの国の最大参加者数は、男女それぞれで4名まで。

ポイントの加算される時期は、ビッグエアが2019年7月1日から2022年1月16日までの期間に行われたFISワールドカップ大会の他、2021年に開催された世界選手権も含まれる。 その内、最高スコア4つが採用。
スロープスタイルも同様に、2019年7月1日から2022年1月16日までの期間に行われたFISのW杯&世界選手権の最高スコア6つが採用される。
ランキングは上記のスロープスタイルとビッグエアの平均スコアによって決定されるので、両種目の総合結果によってオリンピック出場が決まる。
スノーボードのいくつかの種目の中でも、スロープスタイル、ビッグエアは世代交代が激しい最も熱いカテゴリーと言われている。

BIG AIR CHUR website
https://bigairfestival.com/

FIS Snowboard
https://www.fis-ski.com/en/snowboard/park-and-pipe


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