先日、イントラ仲間といっしょにゴンドラで山へ上がっている時、スタンスの話題になりました。
あるイントラは、「あまりスタンスとかにこだわりはないけど、ハイバックのローテーションは行っている」とのこと。
あっ、そう言えば、そんな技があったのを思い出しました。
以前は確かにローテーション入れていましたが、ここ10シーズンくらい忘れていました。特に止めた理由もなくなんとなく新しいビンディングを買い直した際、ローテーションを忘れていただけです。
そこで、持っていたドライバーで山の上でハイバックのローテーションを入れてみました。すると、ヒールサイドのエッジングがよりパワフルになったような…。
今回は、スノーボードのビンディングのハイバックのローテーション方法、その効果の高さなど紹介します。
Special Thanks: sigmundchan、takashi_sato.3230
この記事は、友人であるsigmundchanとtakashi_sato.3230のアドバイスを参考に完成させました。
「スノーボードの正しいスタンス幅、角度の決め方」あるいは「スノーボードのビンディング ハイバック(フォワードリーン)角度の調整」を知りたい方は、以下のリンク画像をクリックしてください。
ハイバックのローテーションとは?
ハイバックのローテーションとはハイバックの角度をボード(エッジ)と平行することを言います。
以下の写真のように。
一見したところ、ノーマルなローテーション入れていないようにも。だけど、よく見ると、ハイバックがよりボード(エッジ)と平行になっています。
逆に、ローテーションを入れていないビンディングというのは、以下のような写真になっています。
こうして見てみると、結構、違いますね。上のローテーションを入れていない場合の写真は、レッスンに参加してある生徒さん(グーフィースタンス)のものになります。その方には、早速、「ローテーションした方が調子良くなりますよ」とアドバイスしました。
ローテーションの効果とデメリット?
ローテーションの効果は、ヒールサイドでのエッジング強化です。
ローテなしの時は、やや斜めにエッジングを掛けていた力が、ローテを入れたことでより平行にダイレクトに掛かるため、ヒールサイドでのエッジングが高まります。
また、ハイバックを平行にしたため、脚を左右に動かしやすくなります。
例えば、これまで前足を伸ばそうと思っても、ややハイバックに引っかかっていたところが、よりスムースになるという感じ。前足が伸ばしやすくなればテールプレスなどしやすくなり、またインディやメランコリーのトリックなどで前足を伸ばすカッコ良いスタイルも作りやすくなるでしょう。
デメリットというと、思いつきませんが…。しいてあげるのなら、ビンディングを折りたたんだ際、しっかりとハマらないことです。ビンディングの種類によっては、ハイバックをたたんでトゥストラップを閉められないということもあるようです。しかし、自分が使っているバートンのマラビータはフレックスもあり問題なくたたむことができます。
他のビンディングの調整、幅、角度、あるいはフォワードリーンなどは、こうすることでこの部分が良くなることで、逆にこういう部分が悪くなったということがあるのですが、ローテーションのデメリットは、以上のたためないケースがあるという以外は、まず考えられないです。
ただ、その分、効果も薄いのですが…。
自分自身、ハイバックをローテーションした直後には、「わあ、ヒールサイドのエッジングが上がったな」と思いましたが、すぐに慣れてしまってその恩恵も1週間経った今、感じられなくなりました。
他のビンディング設定の変化でより考えれる効果が、ハイバックのローテーションではそれほどない、その効果はわずか、という感じです。
だけど、ローテーションしたことで、ほんのわずかにヒールサイドが強化されるのだから、これまでヒールサイドのエッジングが弱くて悩んでいた人は、ちょっとした効果があるので、ぜひやってみたらいいと思います。
ハイバックのローテーション方法
ハイバックのローテーション方法は、ビンディングのメーカーにもよって若干変わって来ると思いますが、大抵はカカト部分のサイドのネジで調整できます。
上写真の部分を緩めて、また反対側にも同じようにネジがあるので、そこを緩めてローテーション(板に対して平行にする)を行います。
気を付ける点は、以下のようにハイバックを立たせた時にしっかりと収まることです。ややズラしてつけてしまうと、ハイバックをうまく収めることができません。
ちなみにユニオンの場合には、以下のように行います。公式サイトから動画がアップされているので、ご紹介します。
以上、よりエッジングを強化させるためのハイバックのローテーション方法でした。
まだやったことがない方は、ぜひ試してみてください。きっと、ちょっとだけエッジング力が上がりますよ。
飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをしており、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox、Endeavor Snowboards等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。主な執筆書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書 』『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は38年。
スノーボード情報を伝える専門家として、2022年2月19日放送のTBSテレビの『新・情報7daysニュースキャスター』特集に、また2022年3月13日に公開された講談社FRIDAY日本が「スノーボードの強豪」になった意外な理由にも登場。
インスタ:https://www.instagram.com/fusakidmk/
ツイッター:https://twitter.com/dmksnowboard