
ミラノ・コルティナ五輪スノーボード男子ハーフパイプ予選で、日本代表は出場した4選手全員が決勝進出を果たした。
戸塚優斗が2位、山田琉聖が3位、平野流佳が5位、そして骨折明けの平野歩夢が7位。トップ12が進む決勝の舞台に、日本勢は一人も欠けることなく名を連ねた。
その中でも、最も注目を集めたのはやはり平野歩夢だった。
1月17日のW杯スイス・ラークス大会で激しく転倒。板が折れ曲がるほどの衝撃で腸骨など2か所を骨折し、顔面も負傷。直後は車いすと松葉づえでの生活を余儀なくされた。五輪まで25日。復帰は絶望的とも言われた。
目次
骨折の王者が、五輪のパイプに戻ってきた
「戻れる可能性はゼロじゃなかった。それが1%でもあるなら、ここで滑りたい」
その言葉通り、平野歩夢は予選で2本を完遂した。
1本目。
スイッチバックサイド900ミュートから入り、キャブ・ダブルコーク1440ミュート。続いてフロントサイド900テール、バックサイド900ミュートと流れるようにつなぎ、ラストはフロントサイド・ダブルコーク1440テール。完成度の高い構成で83.00点をマークした。
2本目はさらに攻めた。
スイッチ・ダブルコーク1260ノーズ、キャブ・ダブルコーク1440ミュート、フロントサイド900テールからバックサイド・ダブルコーク1260ミュートへ。そして締めはフロントサイド・ダブルコーク1080トラックドライバー。85.50点までスコアを伸ばし、7位で決勝進出を決めた。
トリプルコークは温存。それでも骨折明けの身体でこの構成を滑り切った事実は重い。
「いろいろなことを無にしていかなきゃいけない」
痛みも、五輪の重圧も、歓声も遮断する。精神を削りながら2本を完遂した。
決勝トップ通過!日本勢の最大のライバル、スコッティ・ジェームス
一方、予選を1位で通過したのがスコッティ・ジェームス(オーストラリア)だ。完成度と安定感で頭一つ抜けた。
そのランは圧巻だった。
キャブ・ダブルコーク1080ミュートからスタート。続いてフロントサイド・ダブルコーク1260ステールフィッシュ、バックサイド・ダブルコーク1080ステールフィッシュと高難度を連続投入。さらにスイッチバックサイド・ダブルコーク1440ジャパンで高さと完成度を見せつけ、最後はバックサイド・ダブルコーク1260ミュートで締める。
難度、流れ、完成度。すべてが揃ったルーティンで90点台を叩き出し、堂々のトップ通過となった。
日本勢躍動!戸塚・山田・平野流佳が決勝進出、圧巻の予選パフォーマンス
ミラノ・コルティナ五輪スノーボード男子ハーフパイプ予選で、日本勢が強さを見せつけた。
戸塚優斗は2位で決勝進出。2本とも完璧にメイクし、2本目ではスイッチバックサイド・ダブルコーク1210ミュート、キャブ・ダブルコーク1440インディ、フロントサイド・ダブルコーク1260インディ、バックサイド900ミュート、そしてフロントサイド・トリプルコーク1440インディと高難度を連続投入。初のオリンピックメダル、そして金メダル獲得へ向けて圧倒的な完成度を見せた。
五輪初出場の山田龍聖も堂々たる滑りを披露。キャブ・ダブルコーク1440ミュートからキャブ・ダブルコーク1260ミュート、マックツイスト・ジャパン、フロントサイド・ダブルコーク1440インディ、スイッチバックサイド・アーリーウープダブルマックツイストまでを成功させ、3位で決勝に進出した。
平野流佳も2本を完璧に滑り、2本目ではスイッチ・ダブルコーク1440ノーズ、バックサイド900ミュート、フロントサイド・ダブルコーク1440インディ、キャブ・ダブルコーク1080トラックドライバー、フロントサイド・ダブルコーク1260インディとつなぎ、5位で決勝進出を決めた。
日本勢3人は、予選からその実力を存分に見せつけ、決勝でもさらなる高難度ルーティンで頂点を狙う。
満身創痍の王者、平野歩夢の逆襲はまだ終わらない
その中で、満身創痍の平野歩夢がどこまで攻めるのか。
「ここまで来た以上は、自分が積み上げてきた4年間を信じてやるべきことをやるだけ」
どこまで痛みが出るか分からない。
どこまで身体が応えるかも分からない。
だが、王者は立っている。
完璧な状態ではない。それでも決勝にいる。
この事実こそが、平野歩夢という存在の異常さを物語っている。
頂点に最も近いのはスコッティ・ジェームス。
しかし、五輪は一瞬で流れが変わる。
「決勝では、悔いなく自分の滑りをやり切る」と、力強く語った歩夢。
骨折から25日。
王者の逆襲は、まだ終わっていない。
スノーボード男子ハーフパイプ予選結果
決勝進出(1位~12位)
| 順位 | 選手名 | 国 | 1本目 | 2本目 | ベスト |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | スコッティ・ジェームス | AUS | 94.00 | — | 94.00 |
| 2 | 戸塚優斗 | JPN | 85.50 | 91.25 | 91.25 |
| 3 | 山田龍聖 | JPN | 90.25 | — | 90.25 |
| 4 | アレッサンドロ・バルビエリ | USA | 88.50 | — | 88.50 |
| 5 | 平野流佳 | JPN | 80.50 | 87.50 | 87.50 |
| 6 | バレンティノ・グセリ | AUS | 86.75 | 86.25 | 86.75 |
| 7 | 平野歩夢 | JPN | 83.00 | 85.50 | 85.50 |
| 8 | キャンベル・メルヴィル・アイブス | NZL | 84.75 | — | 84.75 |
| 9 | イ・チェウン | KOR | 82.00 | — | 82.00 |
| 10 | 王子陽(ワン・ズーヤン) | CHN | 77.75 | 80.50 | 80.50 |
| 11 | チェイス・ジョセイ | USA | 76.50 | — | 76.50 |
| 12 | ジェイク・ペイツ | USA | 24.25 | 75.50 | 75.50 |
予選敗退(13位以下)
| 順位 | 選手名 | 国 | 1本目 | 2本目 | ベスト |
|---|---|---|---|---|---|
| 13 | イ・ジオ | KOR | 17.75 | 74.00 | 74.00 |
| 14 | パトリック・ブルゲナー | BRA | 70.00 | — | 70.00 |
| 15 | チェイス・ブラックウェル | USA | 69.00 | — | 69.00 |
| 16 | ヨナス・ハスラー | SUI | 66.75 | 67.75 | 67.75 |
| 17 | ダビド・ハブリュッツェル | SUI | 64.25 | — | 64.25 |
| 18 | ルイ・ビトーIII | ITA | 58.75 | — | 58.75 |
| 19 | アウグスチーニョ・テイシェイラ | BRA | 56.50 | — | 56.50 |
| 20 | 任 崇硕(レン・チョンシュオ) | CHN | 39.25 | — | 39.25 |
| 21 | フロリアン・レヒナー | AUT | 12.25 | 13.50 | 13.50 |
| 22 | ミシャ・ツルヒャー | SUI | 13.25 | — | 13.25 |
| 23 | キム・ゴンヒ | KOR | 8.00 | 8.50 | 8.50 |
| 24 | クリストフ・レヒナー | GER | 5.00 | — | 5.00 |
| — | ヤン・シェラー | SUI | DNS | DNS | — |

