スノーボード界に置き去りになっていた、ミッシングピースが遂に帰って来る!FORUM SNOWBOARDSが再び動き出した!!
この夏、マウントフッドでかつてのFORUM戦士でもあるジェレミー・ジョーンズが、テストライドを慣行。プロトタイプの板で、見事なフロントサイド・アーリーウープを披露した。
FORUM SNOWBOARDSは、当時もっとも影響力が高かったスノーボードビデオ・プロダクションのマックダウと共に対等したブランド。特に90年代後期は、FORUM 8という形で、ピーター・ライン、ジェレミー・ジョーンズ、JPウォーカー、デヴァン・ウォルッシュなどスノーボード界に次々にスーパースターを送り出した。2000年のピーク時には、神田のど真ん中に建っていたSPAZIOという巨大スノーボードショップ・ビルディングの2階を占領するほど、爆発人気となった。
しかし、FORUMの勢いは、そこまでだった。コアイメージが強かったブランドだけに、メジャーブランド化された反動は大きく、売り上げ減少。遂には、いくつかの大手スポーツ会社から買収の話を持ち掛けられ、最終的にはBurtonが買収する形に落ち着いた。
もの凄く市場を席捲したイメージのFORUMだが、実際、当時Burtonで働いていた人によると「思っているよりも売れていなくてびっくりした」というコメントを残している。おそらくは、最終的には、Burtonの10分の1規模くらいにしか売れていなかったのだろう。
この買収時には「量販店にFORUMを売ることになるのか?」とコアユーザーからの反発があったが、ForumはBurton傘下の元、第二の船出となった。
しかし、結局のところBurtonはForumというブランドを盛り上げることはできずに、そのまま撤退…。いつしか人々からその存在は忘れられていくことになる。
気づけば、Forumの象徴的なライダーであるジェレミー・ジョーンズは、Burtonに移籍。その後、ジェレミーはTHE CHANNELとESTビンディングの開発へ力を注ぐことになる。あまり一般ユーザーには伝わっていないが、この2点留めのシステムは、ボードのフレックスを損なわず理想的なものという業界内の評判は高い。ライダーとして名を馳せたジェレミーだが、実を言うと開発力も高かったのである。
しかし、そんなジェレミーもいつしかBurtonではお払い箱!? Burtonから離れた後には、Nitroに乗っていた。2017年1月には雪崩による事故から両足骨折という事態に追い込まれプロ活動を引退していた。
そのジェレミーが、今、マウントフッドでForumに乗っているのだから、本当に驚かされる。
Burtonから解放されたForumの所有権は、今、どこにあるのだろうか?
あきらかなことは公式発表されていないが、そのカギとなるヒントは今、積極的にForumのSNS投稿を始めたカート・ヘインが握っているようだ。
彼は、Kemper Snowboardsの復活に携わったライダーで、数多くのメーカーのボードのデザイナーでもある。ショーン・ホワイトの新スノーボード・ブランドWhitespaceにも関わり、その他、様々なメーカーの企画にも参加していると聞く。
今回のForumのデザインも彼が手掛けたのかもしれない。ここ最近の彼の投稿を拝見すると、繋がっているように思うのだ。また、彼の取り巻きの誰かがお金を出し、Forumを何者かが所有し、そこにジェレミーも参加させた可能性も考えられる。カートはショーンを幼少の頃から知り、また数多くのオールドタイマーとの親交もあるので、こうしたリバイバルブーム作りに一役買っているようだ。ある意味、影のフィクサー的な存在と言えるだろう。
あと気になったのは、彼の投稿にTheMotherShipのハシュタグでがあることだ。
業界内なら多くの人が知っているが、これはCAPiTAがヨーロッパで所有するスノーボード・ファクトリーの名称だ。そこでは、いくつかのメーカーの最上機種モデルのボードも作られていると言われている。ということは、復活するForumはかなりの高品質スノーボードとして生まれ変わり、かつて90年代にスノーボードにハマったおじさんたちを幸せにするボードになるのかもしれない。
(以下、TheMotherShipに関することも書いてある記事、【コラム】スノーボード(板)は どこの工場で作られるのか?のリンクページ)
https://dmksnowboard.com/where-are-snowboards-made/
正式にForum復活となれば、第三次の船出となるが、果たしてForumは再び市場を席捲するパワーを発揮できるのか。注目していきたい。