
スノーボード・ハーフパイプの主要大会として注目される「ザ・スノーリーグ」第1シーズン第2戦の決勝戦が5日、中国・張家口の密苑で行われた。ミラノ・コルティナ冬季五輪シーズンの幕開けとなる今大会で、北京五輪金メダリストの平野歩夢が1対1のトーナメントを勝ち抜き、戸塚優斗との激戦を制して優勝を飾った。
ショーン・ホワイトが新設した同プロリーグは、世界トップレベルのライダーを集める新たな舞台として注目を集める。そんな中で日本勢は第1戦に続き圧倒的な存在感を示し、山田琉聖が3位に入り、男子表彰台を再び日本勢が独占した。
ファイナルは初戦王者の戸塚優斗対五輪金メダリストの平野歩夢
スノーリーグのこれまでの大会と違うユニークな点は、何と言っても決勝トーナメントで1対1の直接対決があることだ。男子は8名の選手が進む方式で、サッカーのワールドカップのようなトーナメント構成になっている。このヘッド・トゥ・ヘッドの形式は相手との駆け引きが生まれ、これまでとは違ったハーフパイプの戦いを楽しめる。
平野歩夢は重野秀一郎、アメリカのアレッサンドロ・バルビエリを破って決勝へ進出。戸塚優斗は韓国のイ・チェウン、山田琉聖に勝利し、頂点を争う舞台に立った。歩夢は北京オリンピックの金メダリストで、一方の優斗は昨年のスノーリーグ初戦の王者。まさに夢のカードが実現した。
先行の優斗は、ファーストヒットからスイッチバックサイド・ダブルコーク1260を決めたが、最後のフロントサイド・ダブルコーク1440の着地でミス。すると後攻の歩夢は無理をせず、ミスのない1本目をまとめて得点を確実に積み上げる展開となった。
2本目を決めれば優勝に近づく歩夢だったが、3発目ヒットでフロントサイド・ダブルコーク1620を狙って転倒し、スコアはイーブンに。勝負は最終3本目へ持ち越された。
運命の3本目、勝負をかけた優斗はスイッチバックサイド・ダブルコーク1260からキャブ・トリプルコーク1440、さらにフロント・ダブルコーク1620へと攻め込んだ。しかし大技を狙ったぶん、パイプのサイズに弾かれて失敗ランに終わる。最後に滑った歩夢は、5発のヒットをクリーンにまとめ、確実なランで優勝をつかんだ。だが、ライバルへの思いからか、勝利の右手を高く掲げることなく静かに勝利を噛みしめた。
ミラノ・コルティナ五輪に向けて本格的な戦いが始まる中、初戦から存在感を見せつけた平野歩夢。今シーズンのハーフパイプは、日本勢が主役となる展開が続きそうだ。

女子は中国の新星14歳のパティ・ジョウが優勝!
女子では、14歳の中国人ライダー新星のパティ・ジョウが優勝。決勝では日本の小野光希を破り、若さと大胆な技で勝利をつかんだ。パティはこの大会がスノーリーグでの初参戦だったというから驚き。
この結果、小野光希が2位、工藤璃星が3位に入った。日本勢も表彰台に立ったものの、トップは中国の新鋭となった。

【The Snow League とは】
2024年6月に発足した、スノーボードとフリースキーに特化した初のプロ・ウィンタースポーツリーグ。
設立者は、オリンピック金メダル3度のショーン・ホワイト。
シーズン1は、世界4大会で構成され、賞金総額は160万ドル(約2億3,000万円)。選手たちは各大会でポイントを獲得し、シーズン総合王者を競います。
開幕戦は米コロラド州アスペン・スノーマス(2025年3月)、第2戦は北京五輪会場でもある中国・雲頂スキー場(2025年12月)で開催。第3戦は再びアスペン(2026年2月)、最終戦はスイス・ラークス(2026年3月)で行われ、初代Snow League世界チャンピオンが決定します。
メディア権や商業パートナー戦略はRange Sportsが担当。
The Snow League公式サイト
https://thesnowleague.com/

