スイス・ラークスで行われたスノーボードW杯ハーフパイプ最終第3戦、男子の決勝戦が行われ平野歩夢が優勝!北京五輪前の前哨戦で2連続V達成した!夏の東京オリンピックのスケートボードで出場した平野歩夢は、今日の勝利で自身初の総合優勝も決めた。2月4日に開幕する北京オリンピックに向けて、最高の形で挑むことになった。
北京オリンピック行きを決めたいショーン・ホワイトも、この五輪前の最終戦W杯でパワー溢れるランで3位に入った。さすが土壇場に強い男!これで5度目のオリンピック出場が決定し、4個目の金メダルを目指すことになった。
2位には、大声援を受けてドロップインし、2本目に見事なランを決めた地元スイスの英雄ヤン・シェラー が入った。
まさに持っているとし言いようがない。予選1組で1位通過を果たした平野歩夢は、最後から2番目となるほぼ最終走者。この後には、オーストラリアのパイプ王スコッティ・ジェームスがいた。
この時点でのトップスコアはショーン・ホワイトで(※上の動画参考)、最高スコアは84.00ポイント。しかし、歩夢はそのショーンの遥か上を行くルーティーンを初っ端から決めて来た!
フロントサイド・ダブルコーク1440インディ→キャブ・ダブルコーク1440ウェデル→フロントサイド・ダブルコーク1260インディ→バックサイド・ダブルコーク1260ウェデル→フロントサイド・ダブルコーク1080トラックドライバー
まったくと言っていいほど、完璧な出来栄え!わずかなミスさえ見つからないほど、完璧にクリーンに高難度ルーティーンをメイク!スタートのリラックスした笑顔、滑り終わったクールな表情を含め、力みを感じさせない。これほどまでに高く、これほどまでに回転数が高いトリックを決める歩夢の実力者ぶりに脱帽。
東京オリンピックに出場するために、雪上から離れていたというのは信じられないくらいで、むしろスケートを行って来た二刀流をしっかりとスノーボードに好影響を与えて来たという印象のランだった。
開幕戦で優勝した平野流佳は、果敢にも大技、フロントサイド・トリプルコーク1440を狙うも着地が決まらず10位。
また昨年度まで日本のエースで絶対王者だった戸塚優斗が、今大会も決まらずファイナリストの最下位12位に終わった。いったいどうしたんだ優斗!
スコッティ・ジェームスも決勝2本とも決まらず、11位に。
昨年までの戦い模様がまるで嘘のようなハーフパイプ劇場。
もしかしたら、歩夢という存在が、この世界に新たなタイフーンも巻き起こし、新たな秩序を作っているのかもしれない。
ここへ来てショーン・ホワイトが台頭して来たのも興味深い。
しかし、まだ北京までには時間がある。この後の優斗の活躍に期待したい。
ところで、北京オリンピックの4名の出場枠を賭けて、男子ハーフパイプのジャパンチームが戦っているが、果たして誰が行くのだろうか?
2連続Vの歩夢、絶対王者の優斗、初戦W杯優勝の流佳は、確実だろう。
残り1枠は、誰に!?
今大会では、歩夢の弟、平野海祝が8位、日本のパイプ陣を引っ張って来た片山來夢は9位だった(※予選2組で2位通過)。
もし、記者が協会関係者だったら、絶対にこの選ぶ作業をしたくない。
それほど高いレベルの争いを繰り広げて来たジャパン男子パイプ陣。
スイスW杯ラークス大会 男子ハーフパイプ結果
1位 平野歩夢
2位 ヤン・シェラー(スイス)
3位 ショーン・ホワイト(アメリカ)
8位 平野海祝
9位 片山來夢
12位 戸塚優斗
42位 穴井一光
以下、男子ハーフパイプ決勝スコア詳細。
https://medias3.fis-ski.com/pdf/2022/SB/6508/2022SB6508RLF.pdf
これでラスト五輪!ショーン・ホワイトが5度目のオリンピックを決めた!!
北京オリンピック後には、競技の世界から引退されると言われているショーン・ホワイトが、今大会3位で五輪切符を手にした。35歳のレジェンド・ライダーは、念願叶って5度目のオリンピックに行く。早速、嬉しいコメントを早速インスタで投稿だ。
中国に行くぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!。
なんて素晴らしい夜なんだ。この時期にまだライディングできること、そして今年のオリンピックの出場権を獲得したことにとても感謝しています。20年以上にわたって私を支えてくれたファン、友人、家族に感謝します! みんな大好きです!
ショーン・ホワイト選手のオリンピック成績(種目:ハーフパイプ)
2006年 トリノ五輪:金メダル
2102年 バンクーバー五輪:金メダル
2014年 ソチ五輪:4位
2018年 平昌五輪:金メダル
2022年 北京五輪:?
女子優勝はクロエ・キム! 小野光希が自己最高2位!!
一方、女子でも嬉しいニュース!
優勝は、クロエ・キム(アメリカ)、小野光希(17歳)のが自己最高に並ぶ2位で今季初の表彰台!小野は、フロントサイド900から入り、4発目には女子では高難度と言われているキャブ1080も鮮やかに決めた。この五輪前の大事な時期に、小野選手の台頭はジャパンチームにとって大きい。
3位はスペイン出身の五輪メダル候補のケラルト・カステリェトが入った。
バックサイド・メソッドエア→フロントサイド1080グラブ→キャブ900メラン→スイッチバックサイド540ウェデル→キャブ1080メラン
優勝したクロエは、2発目にフロントサイド1080、さらには最後の5発目にキャブ1080までメイクした。しかし、4発目のスイッチ・バックサイド540では減速しており、全体的なスムースさでは小野の方が上回ったようにも見えた。クロエが、10+10を決めたにも関わらず、微微妙な得点差、わずか1.25点の争いとなったのは、このへんのランのクリーンさがあったようにも思われる。小野選手は、この調子でこのルーティーンを磨いていけば、北京オリンピックでのメダルが近づくのではないだろうか。
女子の方も白熱した素晴らしい戦いだった。
他の日本勢では、冨田せなは4位、松本遥奈は5位と健闘。
これで、北京オリンピック前のワールドカップは最後となったが、まだ1月21日(金)~23日(日)までは、X Gamesという大事なプロ戦も控えている。おそらく、ここでも今大会のファイナル戦を賑わせてくれた世界屈指のトップ選手たちが出場するだろう。
スノーボード・コンペティション・ファンにとっては、まだ楽しみなイベントが控えているぞ。
スイスW杯ラークス大会 女子ハーフパイプ結果
1位 クロエ・キム(アメリカ)
2位 小野光希
3位 ケラルト・カステリェト(スペイン)
4位 冨田せな
5位 松本遥奈
9位 今井胡桃
23位 鍛冶茉音
以下、女子ハーフパイプ決勝スコア詳細
https://medias3.fis-ski.com/pdf/2022/SB/6509/2022SB6509RLF.pdf