平昌オリンピック スノーボード完全観戦ガイド ハーフパイプ編

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平昌オリンピック スノーボード完全観戦ガイド【ハーフパイプ編】。
日程、競技説明、主要選手、五輪メダル予想まとめ。

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前回ソチ五輪では、ハーフパイプで平野歩夢が銀メダル獲得、平岡卓が銅メダルを獲得し遂に日本スノーボード界の悲願、オリンピックのメダリストが誕生!その模様は日本中に大きな話題を振り撒いた。男子エース、平野歩夢を筆頭に、男女共にメダル・ラッシュが期待!!

今回は男子4人、女子4人、合計8名という史上最多のメンバーで世界の頂点を狙う。悲願の男女両メダルに挑む。
このメンバーなら夢ではないぞ!

 

韓国 平昌オリンピック スノーボード(ハーフパイプ) 開催日程

女子予選 2月12日(月) 13:00~15:00
女子決勝 2月13日(火) 10:00~11:30
男子予選 2月13日(火) 13:00~14:50
男子決勝 2月14日(水) 10:30~12:00

 

競技説明: ハーフパイプ

長野でスノーボード種目が初めて採用された時から、ずっと採用されて来たハーフパイプ。スノーボード・オリンピック競技の中で最も長い歴史を持つ。
アメリカで人気が高いビッグな大会、X Gamesでは、「ハーフパイプ」とは呼ばれずに「スーパーパイプ」と呼ばれているが同じ競技。

コースの長さはおよそ260メートル。横幅21メートル。
左右の壁(高さ7メートル)でジャンプを繰り出す採点競技。
エア(ジャンプ)の高さ、技の完成度と難易度を争う。
平昌パイプコースの傾斜は18度。

予選では2本滑り、最高得点が採用。
また決勝では12人の選手が3本滑り、最高得点が採用される。

ジャンプ中安定感に欠ける、着地で転倒、手をつくなど減点される。
エアーの高さはボトムから9メートルにも達し、およそマンションの3階の高さになる。

その時の雪の状況やパイプのサイズによるが、1つのランで6回のジャンプが予想される。
当然、ジャンプ数が増えれば、それだけ点数が上がるように思われるが、前回のソチではユーリ・ポドラドチコフが、5回だけのジャンプ。しかし当時最高に難易度が高い技、ヨーロ・フリップ(キャブ・ダブルコーク1440)を決めたインパクトで金メダルを獲得してしまった。このことは、専門家の間でも大きな疑問が残った。

今回の五輪でも、ダブルコーク1440を出せるかどうかが、勝敗の鍵となりそうで、史上初のダブルコーク1440の連続技、キャブ・ダブルコーク1440→ダブルコーク1440を決めることができれば金メダルを獲得できそう。この技ができるかもしれないと言われているのが、ショーン・ホワイト、そして平野歩夢だ。

採点方法、見どころ

ジャッジは6人でスコアを満点を100点として付ける。最も高いスコアと最も低いスコア、2つを除く4つのスコアの平均がスコアとなる。
ベストスコア採用法で、各選手2本滑り、スコアの高い方が個人スコアとして採用される仕組み。

争われるのは、技の難易度、どれだけ難しいトリックにチャレンジしたか。
また、技の完成度。空中での姿勢、しっかりとグラブができたか。

技の高さ。どれだけ高く飛べたのか。

さらに、安定感。
着地の際に手が付くなどは減点対象となり、転倒となるとほぼ失敗ランと言っていい。フィギュアスケートの場合、狙った大技が失敗し手を付いても上位に残ることがあるが、スノーボードの場合、手を付く、お尻を付いてしまったような転倒では次のジャンプへの高さやトリックに大きな支障を来たすために、失敗はほぼアウト。絶対的な王者がミスで脱落することもあり、その点、ハラハラドキドキさせられる。

そして、全体のルーティーン(構成)。
単調に同じトリックだけでなく、スノーボードの魅力である様々なトリックを入れることができたのか。
回転は、フラット・スピンだけでなく、斜めに回る3Dトリックも入れたのか。
シンプルに少ない回転でスタイリッシュに決めるトリックを混ぜるのも、ジャッジングに好印象を与えることができる。

予選では2本滑ることができ、ベスト・スコアランを採用
予選トップ12位に入れば、決勝へ。決勝では、3本滑ることができ、ベストランが採用される。

 

出場する男子ハーフパイプ日本人選手

平野 歩夢 Ayumu Hirano

ソチ五輪銀メダリスト。
4歳の頃から兄とスノーボードを始め、小学4年生でBURTONとスポンサー契約を結び多くのコンテストに参戦。
小学6年生の時にすでにBURTON US OPEN 2011で優勝。その滑りは世界中のスノーボードメディアに衝撃を与えた。翌年BURTON US OPEN 2012ジュニアジャムでは史上最高得点を出して連覇を達成している。同年8月のBURTON HIGH FIVES 2012では現役日本ナショナルチームメンバーやバンクーバー五輪銅メダリストが出場する中、13歳にして優勝。
2016 X Gamesヨーロッパ大会では金メダルを獲得。
前五輪では、スノーボーダー関係者の多くが、歩夢こそ金メダルの演技だったと言わしめ、今回の平昌オリンピックでは金メダル獲得の期待が掛かる。
ここ最近行われたワールドカップ2戦で連続優勝し、その内容も抜群に良かった。

さらに五輪前哨戦と言われたエックスゲームス(1月28日開催)で前人未到の1440連続技に成功し、世界中からもはや人間業を超えた神の領域に入ったと言わしめた。
その平野の決めたルーティーンは、
バックサイド・メソッド→フロントサイド・ダブルコーク1440→キャブ・ダブルコーク1440→フロントサイドダブルコーク1260→バックサイドダブルコーク1260

これと同じ滑りが平昌でもできれば、きっと悲願の金メダルを獲得することになるだろう。

 

平岡 卓 Taku Hiraoka


photo by HOOD,INC/Yukihiko Yamada

ソチ五輪銅メダリスト。日本屈指のスタイリッシュ・ライダー!
平岡卓の後援会会長の山田幸彦氏によれば、「卓はおそらく自分の中でもこの大会が自身の集大成のつもりで臨むだろう。」とのこと。卓が22才になるこの2018年のオリンピックに標準しよう、とやって来たというのだ。
オリンピックでは、おそらく900以上、ダブルコークなら1080は当たり前で、1260、そして1440などの高スピントリックが、フロントサイド、バックサイドと両側で確実に決められた者が勝者となるだろうが、卓はすでに全ての技を身につけている。2016年のBURTON US Openで見せた1440。結果3位のあの演技を、さらに完成度と安定性を高めれば、おのずと結果は出るだろう。
全観客を魅了した上で、輝かしいメダル獲得してほしい。

 

片山來夢 Raibu Katayama

3歳の時初めてスノーボードに始めて、12歳で室内でハーフパイプができる愛媛に単身引っ越し。
17歳時の全日本選手権優勝。2015年から全日本指定強化選手になり、同年8月には、ニュージーランドのカードローナで行われたワールドカップで初優勝を成し遂げた。
同年代の平岡や、さらに若い平野と比べて、ジュニア時代に大きな結果を残していないが、その分、遅咲きの苦労人。
昨年、ニュージーランドで行われたワールドカップは、表彰台には届かなかったが、予選では1位通過で十分にメダルを獲得できたチャンスがあった。
中国で行われたワールドカップでは、持ち前の爆発スタイルで平野に続き2位。恐れを知らぬ若武者がオリンピックでも暴れてくれそう。何よりナショナルチームでは、最も勢いがありそうなスタイルで、そのアグレッシブなライディングは魅力的。
メダル獲得するのも夢ではない実力者!

 

戸塚優斗 Yuto Totsuka

ニュージーランドで行われたワールドカップで15歳という若さでの初出場ながら優勝という快挙を成し遂げたスーパーミラクル・ボーイ。
状況が悪いところでも、強さを発揮するという野性味溢れるスタイルの選手である。
北海道の全日本も、先月のワールドカップでもパイプの状況が悪い中、見事に結果を残している。

スポンサーショップHAVEN STORE.のオーナーである中本健太郎氏も、「泥試合に強い!」と評し、今後さらに個性が磨かれれば、スターになれると大いに期待している。
オリンピックでも、ぜひ持ち前のタフネスぶりを発揮し、さらなる成果を見せてほしい!

中国で行われたワールドカップでは、平野、片山に続き3位だったが、そのトリックのクリーンさは見事!これからさらに伸び盛りの年齢を考えれば、オリンピックで大化けしてメダルも夢ではないだろう。

ショーン・ホワイトが参加して100点満点を取ったW杯では、果敢に攻めて3位確保。世界を相手に引けを取らないところを見せた。
現在、ハーフパイプ界では、平野に続いて注目株となっていて、その若さでさらに飛躍しそう。まさかまさかの金メダル獲得も!

 

 

ライバルとなるハーフパイプ世界強豪選手 (男子

ショーン・ホワイト(アメリカ)Shaun White

2006年トリノ、2010年バンクーバーで連続金メダルを獲得!
13歳の時にプロのスノーボーダーとなり、最も若い年齢でUS OPEN制覇。X Gamesではただ一人の100点満点をスコアを叩き出し、15度もの金メダルを獲得。
スケートボードでは17歳にプロなり、X Games唯一の夏冬制覇のライダーに。
マンモスマウンテンのオーナーであり、20年の歴史を持つスノーボード・イベント(大会)AIR & STYLEのオーナーでもある。さらにミュージシャンとしても活躍!
億万長者であり、名声も持ったショーンの人生の汚点は、前回のソチだったのかもしれない。絶対金メダル候補で望んだ五輪で、まさかの4位で表彰台を逃す結果に。
この悔しさが、ショーンを平昌へ掻き立てているのだろう。
オリンピック選考大会となったアメリカW杯では、最後の最後のランで100点満点ランを出し、周囲の度肝を抜いた。
アメリカ生んだが、世界のスーパースター!

 

ベン・ファーガソン(アメリカ) Ben Ferguson

まだ21歳という若さながら、そのハーフパイプの滑るスタイルは世界でも一番!という評判のライダー。
大会ではあまり見ないバックサイド180のような形からのスイッチ・インを見せたり、モンスター級のエアーで観客を魅了する。
平野やショーンのように、スピン数が高いトリックは見せないが、誰もが見せないようなトリックを織り交ぜ、なおかつジャッジにアピールする難易度高いトリックをする。
おそらく金メダルはないだろうが、メダル獲得には充分な実力者。
表彰台を狙う日本勢にとって強力なライバルとなることだろう。

 

スコッティ・ジェームス(オーストラリア)Scotty James

2015年、2017年、2年に一回行われる世界選手権で連続金メダル獲得。
2017年のX Gamesでも金メダルを獲得し、近年、ショーン・ホワイトを破れるライバルとして台頭している。
15歳で挑んだバンクーバー五輪では21位(ハーフパイプ)。
19歳で挑んだソチでもハーフパイプで21位。またスロープスタイルも出場し、こちらは16位だった。
24歳で迎える平昌では、まさに脂がのったキャリアハイで挑むことになり、メダル有力候補。

 

 

ユーリ・ポドラドチコフ(スイス)Iouri Podladtchikov
※脳の怪我のため欠場

ロシア生まれだが、8歳の時にスイスに移住したことでスイス国籍所得。
前回のソチ五輪では、ヨーロ・フリップ(キャブ・ダブルコーク1440)のインパクトの高さで金メダルを獲得。
最近の大会では、2016年X Gamesオスロ大会での銀メダルから主だった結果は出ていなく、年齢的にも29歳とショーン・ホワイトに続き年長者だが、そのキャリアが逆に武器で、平昌でもメダルを獲ってもおかしくない存在。
未だにヨーロ・フリップを大会で決めれるのはユーリだけで、そんなところも日本勢にとって不気味な存在である。おそらく、彼にとって最後のオリンピックだけに、勝負を賭けたトリックはかなり危険だ。
オリンピック直前に行われた地元スイスでのワールドカップでも戸塚を抑えて優勝している。

 

 

出場する女子ハーフパイプ日本人選手

松本 遥奈 Haruna Matsumoto

伝統ある日本ハーフパイプ界女子のエース。
日本女子では、最も早くフロントサイド900メイクした選手と言われ、そのジャンプの高さも男子並みの高さと評判。
国内だけでなく、世界の大会でも活躍。昨季はアメリカ、マンモスマウンテンで開催されたW杯で2位の快挙。
さらに続くスペインで開催された世界選手権でも2位に輝く。
日本ハーフパイプ女子悲願のメダル獲得の第一選手となるか。注目だ。

 

大江 光 Hikaru Oe

2011年全日本選手権優勝を皮切りに世界の大会でも活躍。
2016年、世界の強豪選手が参加したLAAX OPENで3位に入った。ワールドカップ、X Gamesなど世界のトップ級選手が出場する大会で、上位に入る。
元々機械体操を得意として、空中感覚の高さは定評ある。また女子では、難しいとされるバックサイド(ヒール側)の壁で、早くからバックサイド900を決めている逸材。
大江選手の力強いライディングを見ていると、まるでアメリカのケリー・クラークのような迫力を感じさせる。
「平昌という大舞台でこれまでの自分の最高のランを見せたい。」語る彼女は、まさにオリンピックのために賭けて来た。
悲願のメダル獲得になるか!

 

今井 胡桃 Kurumi Imai

10歳でアマチュア7大会を完全制覇して、史上最年少のプロ資格を取得。日本女子期待のニューリーダー。
スムースなライディングでコーク・キャブ720という難易度高いトリックもこなす。
全日本優勝という輝かしい成績の他、昨年は平昌のワールドカップで見事に5位入賞。
18歳で挑む平昌オリンピックではメダルを狙う!


冨田 せな Sena Tomita

2017年ワールド・ルーキーで優勝。
さらに、スノーボード界で最も権威が高いと言われているUS OPENで4位入賞!
今、最も伸びている若手選手で、オリンピックの表彰台も夢ではない。
高校生最後の思い出はオリンピックのメダリスト!?


World Rookie Finals 2017 – Kaprun (AUT) – Halfpipe Finals from World of Freesports on Vimeo.

 

 

 

ライバルとなる世界強豪選手 (女子)

クロエ・キム(アメリカ)Chloe Kim

通信制のハイスクールに通いながらスノーボードの練習に励み、14歳で挑んだX Gamesで最年少メダリスト、銀メダルに輝いた。
昨シーズンは、X Gamesのコロラド・アスペン大会、オスロ大会で金メダルを獲得し、今、最も世界で強いハーフパイプ選手と言っていいだろう。
オリンピックは初挑戦だが、17歳で挑む彼女には怖い者がなさそう。

 

ケリー・クラーク(アメリカ)Kelly Clark

オリンピックで金メダル1回、銅メダル2回。
その2つの銅も、金メダル候補と言われていた中で持ち前の実力を発揮できずに逃した結果。
X Gamesでは、10個ものメダルを獲得し、内5回が金メダル。

男子選手並みの高さで、他の女子を圧倒し、まさにハーフパイプ界のクイーン。
スノーボードの歴史上、最も実力ある女子ハーフパイプ選手。
おろらく、この平昌で彼女は、金メダルを獲得し、有終の美を飾ろうとしているに違いない。

 

日本人選手がメダルを獲る期待度

男子:★★★★★
女子:★★

星5つ:めちゃくちゃアリ!
星4つ:かなり高い!
星3つ:可能性充分!
星2つ:獲ってもおかしくない
星1つ:うまくハマれば
星0個:たぶん難しい

 

2017/2018 JAPAN SKI TEAM 【スノーボード】 スロープスタイル・コーチング&選手

コーチ: 治部忠重、深澤健悟、神戸忠仙、村上大輔

男子
平野歩夢
平岡卓
片山來夢
戸塚優斗

女子
松本 遥奈
大江 光
今井 胡桃
冨田 せな

 

 

関連リンク

平昌オリンピック スノーボード完全観戦ガイド スロープスタイル&ビッグエアー編
https://dmksnowboard.com/peongchang-olympic/snowboard-slopestyle-bigair

 

平昌オリンピック スノーボード完全観戦ガイド パラレル大回転編

スノーボード オリンピック・ヒストリー

 

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