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おばばスノーボーダーのちゃれんじ記 Part 3

好評シリーズ!
おばばスノーボーダーのちゃれんじ記
Part 3

dmk名物企画!あの好評おばばボーダーが、半年間以上もの沈黙を破って帰って来た~!!
スノボやるのに年齢なんて関係ねえぞ。永遠にチャレンジを続けるスノーボーダーは、どんなうまいプロにだって負けないぞ。世界で最も輝いているライダーだ。今回のおばばボーダーの内容も失敗あり、笑いあり、そして感動あり!
さあ、久々にカマしてください。よろしくお願いしまーす、おばばボーダー!


一話

みなさん、お久しぶりでやんす。おばばボーダーのちかやんです。

先シーズンは5月のゴールデンウィークまで滑りまくって、数えてみたら45日滑ってました。あら、ビックリ!もちろんその滑走日数は主人を10日ほど上回り、シーズン終了後しばらくは優越感に浸りきっておりました。まぁ、相変わらず主人へのライバル心は根強く残っていて、技術では敵わないから何とか他のところで・・・、なんちゃって、諦めの悪いおばばです。

しかし、先シーズンもいろいろありましたよ~。そうだ!目標だった念願のJSBA1級にやっと合格しましたよ。ここまで長かったぁ~。でも、目標に向かってがむしゃらに頑張った自分に“よ~やった!”と言ってやりました。さぁ、今度は何を目標にすっかな?って、そうだよ!次はB級取るよ!懲りないおばばの目標は果てしなく続くのでした。

先シーズンの初滑りは12月10日。雪がなくて当初のオープン予定が伸び伸びになり、おばばはこの日が初滑りに。シーズン前にワックスかけまくった板の調子はなかなか良い感じ?そりゃビックリするくらいの勢いでワックスかけたんだからいいに決まっとるじゃんって?それがさぁ~…ワックスのことがちょいとさぁ~…ワックスを偉そうに語れる身分じゃないけどよー、ちょいと落ち込んじゃったことがあったのよ・・・

シーズン前にチューンナップに出した時に、サーモバッグちゅうやつもお願いしたのよ。しかも3回しっかりコース。サーモは何十回もホットワックスを塗ったのと同じ状態になって、シーズン中のメンテナンスが楽々!って言うのが売りなんだけど、おばばはそれだけに止まらず、さらに中温用、低温用のワックスを20回ほどかけまくり、滑るたんびにも毎回ワックスをかけてたんだけど・・・

それがさぁ~、予想もつかない現実が・・・、滑走わずか数日で、ソールの周りが毛羽だっているじゃあーりませんかぁ!何ですかこれは?一体どうゆうこと?おばばは目を疑ったよ。おばばのかけ方が悪かった?それともマツモトワックス使わなかったから?だって、そうじゃない?サーモ入れて尚かつ数十回もかけまくり、滑りに行く度も必ずワックスかけていてこれだよ?フサキさんじゃないけど、これじゃあシーズン前にアンチBBかけて、滑らなくなってきたらちょっとかけて・・・それでいいじゃん!って思っちゃった。

ワックスの効き目ってどうなんだろう?って疑問をひしひしと感じたシーズンだった。クロスの様にタイムを競う競技に出たり大会に出場するんならともかく、おばばのようなフリーランを楽しんでいるボーダーにどこまでのワックスが必要なんだろうねぇ?

おばばがお世話になっているチューンナップショップには、プロの人たちやオリンピック選手、テク選上位の人達も愛用なんだけど、そこで聞いた話でビックリしたことがある。あるライダーが先シーズン、生まれて初めてチューンに出したと聞いてびっくらこいちゃった。だって、そのライダーはここ数年ずっとテク選上位で、しかもデモの人なんだよ。ってことは?それまでチューンなしで成績を残しているってことじゃん。

で、何でそのライダーがチューンナップを出すことになったか?って言うと、たまたまショップのオーナーがサポートでテク選会場のルスツにいた時、挨拶がてらにそこでワックスをかけてあげたら、本人がその効果にひっくり返るほど驚いてしまった。それがきっかけでワックスの重要性に目覚めてしまったらしいのです。こんな話しを聞くと、おばばにゃあ、ますますワックスちゅうもんがわからなくなっちゃった。もちろんワックスのおかげで、すいすいと若い奴らを抜いていける優越感にはたまらないものがあるけど、あの毛羽立ちを経験しちゃったら、ちょいと考えが変わっちゃった。

ってことで今シーズン、おばばはちとワックスのかけ方を変えてみることにした。早速チューンナップには出したんだけど、今回はサーモバッグはやめた。シーズン前のワックスも、先シーズンからは全然少なく10回程度にするつもり。これで今シーズン滑ってみて、どんな結果が出るかはっきりするんだろうな?おばばなんてまだまだ経験が少なくて偉そうなこと言えないんだけど、結構ワックス頑張っていたから、この毛羽立ちの結果はあまりにもショックだった!

でも、道具を大切にする気持ちは変わらないし、ピカピカに光ったソールはカッコイイからね。今シーズンはどんな違いがわかるか楽しみだやぁー。おばばはこれからも全力で頑張っちゃうよ。

二話

そう言えば覚えているかなぁ?スクールで出会った不思議な青年のこと。その青年とさぁ、再会しちゃったのよ。正に“しちゃったのよ”って感じ。おばばが1級合格目指して入ったバッジテスト攻略キャンプになんと彼が・・・

その日おばばは燃えていた。なんせ、ちょいとおいしいキャンプだったから。なんでおいしいか?って言うと、そのレッスン内容がバッジテストに的を絞ったものだったからだ。

朝9時に集合場所に行くと、うっ?えっ?見覚えのある顔が・・・、まさか?でも・・・ヒモがだらしなくダラーっと垂れ下ったグローブ。へっぽこドイツ軍のように下がっちまっているヘルメットのかぶり方。間違いなくそうであってほしくない彼だ!!おまけにヒモがほどけているブーツもあの時のまんまだ!だけどよ~、何でいつもほどけてるんだよ~そのヒモ?なんで縛り直さないんだよ~??おばばはすでにヒートアップしていた。何で?どうしてちみはここにいるわけ?まだ受けてるの?何級を?おばばの頭の中で質問攻撃の弾丸が飛びまくり、もうノックダウン寸前!

でも、とにかくキャンプは始まった。呆然とするおばばと相変わらず我が道を行く彼と他に検定を控えた生徒を乗せたゴンドラは、ゆっくりと山頂目指して動き出した。ゴンドラの中でイントラさんが冗談半分で彼に話しかけた。

「○○さん、今度は何級を受けるんですかぁ?」
『1級!1級!』
「あれ?2級はいつ合格したんですかぁ?」
『この前10回目で受かりました』
「えっ?10回目?あっ、そうですか…」

って、ことは?彼も1級を受けるわけ?私といっしょに~?勘弁してくれ~!それだけは・・・。おばばはレッスン前からクタクタになっちまって体に力が入らんかった。レッスンはショートターンのノーズの廻し方、斜面に落とされない方法、リズムの取り方や目線。ロングでは、切り上げ方から立ち上がり切替のポイントなど、検定間近のおばばにはおいしいキャンプだ。とにかく1級に合格しなきゃ!そう思ってレッスンに集中した。

午前のレッスンが最後の一本になった時、事件は起こった。

一番手で滑ったおばばの後に続いたのは彼だった。2ターン目にかかったところだった。上から滑り降りてきたスキーヤーが彼に激突したのだ。彼の板とスキーヤーの板がぶつかり「カーン!」という鋭い音とともに彼はすっ飛ばされ、大きく一回転し、頭から落ちた。

「キャー!!」おばばはびっくりして大きな声を上げてしまった。彼は動かない。すぐにイントラさんが彼の元へ駆け上がっていった。おばばは、すっ飛んでいってしまった彼のゴーグルを途中で拾いながら付いていった。そこからだ!おばばが初めて体験する記憶喪失の現実。彼はしばらくすると、撃った頭を抱えて頭が痛いと訴えながら上半身を起こした。イントラさんは、彼の無事を確認すると、慣れた様子で矢継ぎ早に質問を繰り返した。

「何が起きたかわかりますか?」「今何をしていましたか?」「私が誰だかわかりますか?」

どうやら激しく衝突した際に記憶を一瞬無くすことが多いらしく、イントラさんはそれを確かめたかったらしい。イントラさんの質問に彼がどう答えたかって言うと、
「僕は何しとる?」「何で、転んどる?」「頭が痛い!でも、ヘルメットかぶっとったから助かった!」「なんもわからん!」
それを何度も何度も繰り返す。

この繰り返す言動も、こんな時の特徴らしかった。虚ろで視点の定まらない目は、ちょこっと怖いような危険な目に見えた。しばらくして彼は立ち上がり、「午後からのレッスンにも参加する」そう言って、止めるおばばたちを無視して滑り降りてしまった。

けれどだよ!その滑りが彼ではなかった。いつもとはまったく別人の滑りだったし、スピードに乗った切れ上がるターンは見事で驚いてしまった。イントラさん曰く、恐怖心も不安も一切なくなったからあの滑りができるんだそうな。そうだよな~、おばばだって恐怖心がいつだって最大の難関なんだから。いつだったかも言ったように、“恐怖心”という神経を抜いちまったら、何だってできそうな気がするもん!そんなんで午前のレッスンは大幅に延長して終わった。

午後のレッスンの集合時間が来ても彼はやっぱり現れなかった。心配したおばばたちは、しばらく探したのだけれど、見つからなかったから結局先に始めることになった。でも、とうとう最後まで彼は現れなかった。

翌日おばばはいつものように朝一番で滑り、いつものように少し早いお昼にしようと戻った時だ、なんと彼がいるじゃないか!ちみはどこにいたわけ?何しとったわけ?おばばが近づいて行っても、おばばのことをまったく気にしていない様子。って言うか、おばばなんて見たこともないっていう顔をする。
「大丈夫だった?」「私がわかる?」

そう聞いたらこうだ。
「何かみんなが昨日、僕はスキーヤーとぶつかって頭を打ったって言うだけど、僕全然覚えておらん」「でも、家に帰ったら頭が凄く痛かったから、病院に行ってきた」
おい!家に帰ったんかい!そして彼はおばばに言った。
「あなたは僕といっしょに滑っとった?」
滑っとったぁ~?いい加減にしろよ!おばばは顔ではニコニコと笑いながら、腹の中は煮えくりかえっていた。

聞けば、あれから午後のスクールを忘れ、もちろんロッジに泊まって次の日も滑ることも忘れて、そのまま家に帰ってしまったらしい。頭が痛いから医者に行って(その辺はしっかりしている)、翌朝オリンピックの中継で荒川静香のイナバウアーを見ていたら、突然自分はボードに行くことを思い出して、家を出て来たと言うのだ。

はぁぁぁ~?やっぱり不思議な子だ。それでも、兎にも角にも無事で良かったとおばばは心から思っちゃった。そして、肝心な彼のその後の滑りなんだけど、残念なことに恐怖心だけは完全に元に戻ってしまったようで、当然滑りも元通りの彼の滑りになっておりました(笑)

おっと、それからこんな不思議なご縁?で、彼とはその後もスクールとは関係なくいっしょに滑ったり、シーズン終了後もゲレンデで知り合った仲間と共にバーベキューをしたりして遊ぶ友になっちまったことを報告しておこう!そして、彼にはブーツのヒモの縛り方も教えてやった。ついでにダラーっと垂れ下がっただらしのないグローブのヒモは、「切っちまえ!」と言ってやった。

三話

先シーズンは腰の手術からわずか4ヵ月足らずでゲレンデに立つことができちゃった。だって、リハビリめっちゃ頑張ったもん!多少の不安はあったけど、しっかりとプロテクター付けて万全の体勢で望んだから4本のボルトは無事だった。

そうだ、プロテクターは付けにゃいかんよ。先シーズンもプロテクターとヘルメットのおかげで何回助けられたことか。プロテクターはもちろんHAZAKだよ。ケツパットにニーパット、それに腰を守るプロテクターの計3個付けて滑っていたから、安心して滑ることができちゃった。

1級の検定にエアーがあったから、先シーズンは練習でよく転んだんだけど、プロテクター付けてるおかげで飛ぶ時もケガへの恐怖心も少ないし、実際に転んで落ちてもなんともなかったのは、まさにプロテクターのおかげ。まぁ、見た目のスタイルが悪くなるのは少々難ありだけどね(笑)

そうだ、意外にまだまだ少ないね、自分の身を大切に考えている人が・・・。だってゲレンデのレストランなんかでね、プロテクター付けてる人なんて見ないよー!飛び系のお兄さんたちは別として、女の子たちが付けてるのはほとんど見たことないもん。ヘルメットも大事だと思うよ。おばばにゃあなくてはならんモノだよ。今シーズンからは亀の甲羅みたいなやつも背負って滑るだよ。ちっちゃいおばばには、ちょいと重いけど、命には変えられましぇん。

先シーズンはね、たくさんスクールに入ったけど、プロのキャンプにも結構参加しただよ。いろんな人たちと出会ういいチャンスだし、それにおばばよりうまい人たちと滑ることがとっても良い刺激になると思ってさ。だから、どんどんチャレンジしたよ。

でも、入る時は凄く迷ったし心配した。おばばみたいなへたくそがいると、他の人たちの足手まといになるんじゃないか?って・・・でも、心配しているおばばに主人がね、こう言った。「ちかやんのことなんて誰も見てないし、気にもしてないと思うよ」って。

ちょいと傷ついたけど、考えてみたらそりゃそうだ。確かにそうだよ!おばばだって、自分のことが精一杯で他の人のことなんて気にしたことなんかないもん!おばばはちょいと自惚れてたかぁ~?

なんか吹っ切れちゃったらさ、キャンプも楽しくてさ。検定の極意といっしょ。自信はなくてもいつでも一番手で滑っちゃった(笑)やっぱり一番手は収穫多いよ。二番目から滑る人たちのイントラのコメントを全部聞けちゃうし、おまけにみんなの滑りを見ている間に質問もできちゃうし、こっそりいろんなコツを教えてもらえちゃうし、凄く得した気分だよ。

先シーズン参加したキャンプの中で印象に残っているキャンプはね、『マ○ツキャンプ』。
そのキャンプは凄くためになったしおもしろかった。今まで誰も教えてくれなかったことをたくさん教えてもらっちゃった。マ○ツ(今期デモ)の教え方は理論的で凄くわかりやすいから、あんぽんたんなおばばにはあり難い。いろんな人がいるし、いろんな教え方があるから一概には言えないけど、おばばも主人も感覚で覚えるタイプじゃない。きちんと考えて一つずつクリアしていくタイプだから、マ○ツの教え方はうちらにはぴったりだ。

マ○ツが教えてくれたことの一つに『足裏の意識』っていうのがある。マ○ツはブーツの中での足裏の動きの重要さを説いてくれた。足裏に常に圧をかけ続けること。体全体を使って足裏を意識すること。雪面を足裏で感じる意識の大切さ。マ○ツは滑る時常に足裏に雪の壁があるような・・・って言う表現をよくする。それが何となく体でわかる感じがした。

そして、目から鱗は『後ろ足の操作』。今までずっと前足重視で考えてきたけど、実は後ろ足も同じぐらい重要だってこと。特にズレやすいバックサイドは後ろ足が肝心。ぐっと後ろ足を曲げてやると、あれれ?いつもとちょっと違う感じ。おばばにとったらこんなちょっとしたことが、もの凄い感動につながった。

そして、もう一つは板の上での動きの幅を広げると言うこと。板の上で前後、左右、上下が自由自在に動けて初めて板と追従できるし、どんなバーンでもリカバリーができる。その練習法を教えてもらっちゃった。(これは言えんな!マル秘だからね。)板に素直に乗ってあげること。行きたい方向に行かせてあげること。そうするために何が重要で、何が大切なのかがだんだんとわかってくるような気がした。とってもいいキャンプだったよ。

そうだ、“抱え込み”なんちゅうやつも他のキャンプで教わっちゃったよん!立ち上がりとはまったく逆の動きで、これまた難し~!立ち上がる時に抱え込んで、低くなる時に立ち上がって…おばばは頭の中がこんがらがっちゃってさ、主人曰く、すっとこどっこいな動きだったそうな。でも、おばばは新しいことにどんどんチャレンジすることを忘れない!いつだって「チャレンジ!」だよ。チャレンジしなきゃ、な~んも始まらないもん!

ちかやんのプロフィール

なまえ: ちかやん
生年月日: 1959年6月26日
スノーボード歴: 6年
年間滑走日数: 約40日

愛用ギア
ボード: OGASAKA CT148
バイン: FLUX PLATINUM
ブーツ: DEELUXE VICIOUS
プロテクター: CCC & HAZAK
ワックス: マツモトワックス

スタンス: レギュラー46cm F21°B0°
得意技: バックサイドターンからのヒップスライド(単におしりから転ぶともいう)
スポンサー: ZORA
愛車: パジェロイオ

おばばボーダーちゃれんじ記 Part 2は以下からどうぞ
http://www.dmksnowboard.com/special/special-060.htm

おばばボーダーちゃれんじ記 Part 1は以下からどうぞ
http://www.dmksnowboard.com/special/special-054.htm

シモン・チェンバレンのオフトレ術

早いものでシモン・チェンバレンと出会ってから5シーズン目を迎えた。シモンは確実に毎年ステップアップして、今では世界のトップ・ライダーの仲間入り。誰もが認めるプロ・ライダーになった。その間、シモンのライディングはもちろん、考え方、またオフトレ練習など拝見して来た。今から紹介できることは、そのシモンのオフトレの一部だけど、こんなことをやっているんだよ、ということを紹介してみよう、と思う。そして、この企画がみなさんのスノーボーディングに参考になれば、と思う。

photo & text :Fusaki Iida

ボールを使ったトレーニング方法

これは昨年SnowBoarder誌の囲み記事のような扱いで紹介した、シモンのボールを使ったトレーニング方法だ。SnowBoarder誌のシモンのハウツーは毎年、自分が写真&ライティングを担当していて、シモンと相談しながら作っている。今年もSnowBoarder誌の2号でシモンの基本的なジブ・ハウツーをやったので、まだ見ていない人はぜひチェックしてみてほしい。

さて、このボール・トレーニングのテーマだが、主に腹付近の筋力を鍛えるためのものだ。腹筋、背筋は、バランスを取る重要な鍵となる筋力だし、トリックを決めるため、またリカバリーをするための大事な筋力だ。そこで、シモンはこのボールを使ったトレーニングを行っている。

まずは、ボールを使って腕立て伏せをやろう。
通常の腕立てよりも、体が起きている分だけ楽に感じるが、実際にはボールは転がりやすいので、バランスを保ち難い。ボールを一定の場所に保ち続けるのもハードだ。実際にやってみると、腕の力、また腹筋の力が必要とされることがわかる。

この腹筋の運動は、真っ直ぐに起きると腹筋の中央が鍛えられる。
そして左右に起きると、左右が鍛えられる。
ボールを使わないでやるのと違いは、ボールを使った方がボールを動かさないようにするため、より腹筋を使って体のバランスを取るところ。結果、腹筋を使うし、体の軸への意識も生まれ、なかなか良いトレーニングだ。

脚を伸ばしたところから曲げると、脚の裏側の筋力も鍛えられる。と、同時に腹筋、背筋も鍛えられる。

以上、簡単にボールでできる3つのトレーニングを紹介したが、自分がシモンにちょっとの時間で見せてもらっただけでも10近くもあった。きっとこのボールを使ったトレーニングで20以上、いや30ぐらいあるのだろう。

このボールを使ったトレーニングの特長は、ともかくだいたいどんなトレーニングしても腹筋、背筋を鍛えられるところ。さらに腕や脚なども鍛えることができて、ひじょうにいい。ウチにもあるけど、大して高くないし(注:日本では4000円ほどらしい)、ダイエット効果、しいては健康のための適度な運動にもなるので、ぜひ購入してみてやってみてほしい。
実際のトレーニング例などは、きっとボールが買うとマニュアルがあるだろうし、自分で工夫していろいろできる。

シモンのように立てるようになったら、キミも一流ジバーになれるかも!?

室内ジブトレ

これはvitaminJIB(DVD)でも紹介した室内ジブトレ。シモンはシーズン前になると、ママに叱られるのを気をつけるようにして、こればっかりやっていたって。実際この室内ジブトレってハンパない運動量になるから良い汗をかくし、ボードに乗る良い練習だ。スノーボードのDVDを見ながらやると、かなり良いだろう。ぜひ、vitaminJIBを見ながらやってみてね。シモンは簡単そうにやるけど、実際にやってみると意外に難しいし、おもしろいから。

ノーズに乗ったり、テールに乗ったり。

スピンしたり、こんなポーズを決めて遊んでみたり。

ところで、オーリーとかノーリーとか、何度やってもシモンのようにカッコよくできないものだ。そこでシモンにどうしたらいいかな?と聞くと、あまりコツとかは話さずに「ともかく練習」と答えが返って来る。実際シモンも練習のオニで、ともかく同じことを繰り返しやっていたということだ。

俊敏性も鍛えるということだ

シモンの話で、今でも興味に残っているのは、俊敏性を鍛えるトレーニング。これはスーパーボールのように壁にぶつけると跳ね返って来るボードでやるということだが、形がちょっと変形していて、思わぬところに飛ぶということだ。そのボールを取って俊敏性を鍛えると。それの応用として、スーパーボールを跳ね返りが予想し難い壁を使ってやってみたらいいと思った。そして、実際、自分は子供のスーパーボールを使って、時々遊んでみたりする。結構おもしろいし、俊敏性を鍛えられる。そう言えば、先日NHKのガッテンで卓球が脳活性に良いとあったけど、これなんかも同じような効果があるんだろうね。

ちなみにシモンのトレーニングというのは、NHL(北米プロ・アイスホッケー)のトレーナーが見てくれている。以前、デバン(ウォルッシュ)も同じようにやっていると言っていたけど、結構な金が掛かるらしい。いわゆるジムで行う筋力トレーニングは自給系のトレーニングと違って、もっと複雑系なトレーニングになるらしいけど。オレの勝手な予想だと、柔軟性に筋力、持久力(もしくは筋持久力)などが土台で、さらには瞬発力や俊敏性も鍛えているのだと思う。まあ、お金がない人は、前回の特集でやったやつも参考にしてほしいけど、とりあえずスーパーボールで俊敏性を鍛えるのはオススメ。レールやエアーの場面でも一瞬の判断で体を動かし、リカバリーする状況だって出て来るものだから。


パイプ(左)にジブ(右)何をやるにも敏捷性は役立つだろう

シモンのスタンスは?

ところでシモンのスタンスって気にならない?
これも昨年、SnowBoarder誌で撮影したものだけど、改めてお見せしよう。スタンス角度はいくつだったか忘れちゃったけど(前足15度、後ろ足-15度くらいだろう)、左右角度はいっしょだったって覚えている。このスタンスが自然に踏みやすい、とも言っていた。
ちなみに同じ左右角度なんだけど、おもいっきり降ってあったのはマーク・アンドレ・ターレ。確か左右共に21度くらい振ってあったような。合計で42度のガニ股かスタンスかあ(笑)。凄いね。

スノーボードも90年頭ぐらいまではダックにせず前足21度、後ろ足9度とかメインだったけど、今ではダックってあたり前になったね。実際自分もダックだけど、踏みやすいので好き。
またまたちなみに、って話になるけど、よくカービング・ハウツーをいっしょにやるベン・ウェインライトというライダーは「イスに座ってダラーンって両足を垂らす。その時の角度こそその人のスタンスじゃない」と言っていた。「ああ、それも一理あるな」って思っていたけど、だったら世界中の人、すべてがダックスタンスかな!?

シモンは努力する天才

シモンって、だいたいスマートに見えるし、天才肌に見える。だけど、シモンと接してわかるけど、努力する天才でもあるんだ。
スノーボードに出会って、毎日滑りたくて、裏庭に擦りアイテムを3つも作った。来る日も来る日も毎日練習していた、と兄のマットが言っていた(このくわしい話はPEAK#02で紹介している)。そしてフロントボードをやり始めると、自分が納得できるまで何度もハイクして練習。また、スイッチフロントを始めれば、それも自分が納得できるまで何度も練習。暗くなるまでやっていたからお父さんが、電灯を設置してくれたんだって。凄いファミリーだね(笑)。

昨年もこの時期よくゲレンデでシモンに会ったけど、車で1時間も掛かるウィスラーの隣町スコーミッシュから毎日通っていた。どんな天気でも必ず。「この時期はシーズンパスを持っているとレストハウスの食事が半額でいいね」なんて気さくなことを言っていたな。昨年シーズンインの頃は「お友達を迎えに空港に行った日以外は、ともかく滑った」と言っていた。

あとハウツーの仕事も始めると、サクサク上る。特に4年前か3年前の夏に初めていっしょにハウツー撮影した時にはビックリだったなあ。ともかくハイクが早い。いろいろなライダーと仕事したけど、デレック先生(注:元Burtonライダーのデレック・ハイト、現在オークリーのチーム・マネージャー)の早さを超えた! ここだけの話、日本人のそのへんのライダー、特に能書きばかりぶっこいてハイク遅い奴には、見せてあげたいね。一流選手はこうした泥臭いようなハイクとか、しっかりとやるぞ、って。こうしてハイクが早いのも練習のオニだからだろう。実際、シモンに限らず世界のトップと言われている人はサクサク早い。忠くんもそうだと言うし、デバンなんかもこの時期よく滑るというし、話しているとトップのライダーは日頃からどんな努力をしていて、どれだけスノーボードに惚れているか、とわかるものだ。例え、そういうことをストレートに話さなくても、わかってしまうってことはある。「僕練習していますよ」って堂々を話しちゃうライダーが大してやっていなかったりするんだよなあ。もちろん一概には言えないけど、シモンなんかも自分がどれだけやっているか、ってことを決して見せないタイプ。だけど、確実に努力しているのはわかる。

今、これを読んでいるあなたもいろいろなためになる情報を得ようとするだろう。だけど、大切なのはその情報を活かして努力すること。結局はあたり前の話に落ち着いてしまうのだけど、良かったら今回の特集記事、ご参考に!

スペシャル

このスペシャルは、インターネット・スノーボード・マガジンがさらにおもしろさを爆発させるために生まれたコーナーです。01-02年度の冬に誕生しました。従来のハウツー、マテリアル、コラム、インタビューでは入りきらないような面白いことに関して特集していこうという趣向です。ネット・マガジンのどんなコーナーにも負けない!そんなディープでいて、ためになってとにかくおもしろいと思われるようなコーナーに育てていきたいと思っています。