3日間行われたX GAMES 2024最終日のフィナーレ種目に選ばれた女子ビッグエアは、村瀬心椛が歴史的な圧巻のトリックを披露した!スタイリッシュに決めたフロントスリーから3本目にはバックサイドトリプルコーク1440、そして4本目にはフロントサイド1440をメイクし94点というハイスコアで金メダルに輝いた。
6年前に13歳で出場した2018年にノルウェーで行われたX GAMESのデビュー戦以来のビッグエア王者に栄冠。昨日のナックルハックでの金メダルに続き、2日連続で嬉しい金メダルとなった。
今大会から、30分のジャムセッション中(※実質各選手5本ラン)、最初のジャンプは回転数を必要とないスタイル合戦。そして2本目以降は、右回転(バックサイドかキャブ)、左回転(フロントサイド、スイッチバックサイド)の高回転合戦のトップスコアを採用するフォーマット。
スタイル10点、右回転45点、左回転45=合計100点で争われる形式。
村瀬心椛は、一発目フロンドサイド360ステールフィッシュでパーフェクト10点満点を獲得でリーダーに!
2本目は、得点確保もあり、フロントサイド1080で32点という高得点を獲得。
勝負どころの3本目は、バックサイドトリプルコーク1440!!このジャンプが、43.00ポイントというこの日の最高得点で1位に浮上した!
4本目には左回転が要求される中、その前に滑走したアンナ・ガッサーがハードの転倒をしてしまった。その姿を振り切るように、ちょっと首を横に振りながらスタートに集中する心椛。放ったジャンプは、フロントサイド1440だ!着地の時、やや回転数が余ってボードを流しそうになるが、持ち前の身体能力でそれをストップさせ、結果ストンプ成功させる。これで41ポイントを出し、合計94点で歴史的なトリック2本を完成させた。
すでに金メダルは間違いなかったが、ビクトリーラップで流すと思いきやラスト1本の5本目は、なんとバックサイドトリプルコーク1620に挑戦!!このトリックは、残念ながら転倒してしまったが、このガッツ溢れるランに観衆、テレビコメンテーターが大絶賛!そして、最後に今高いのBEST IN THE SNOW賞にも輝き、さらに追加の1万ドルまで獲得してしまった。(※おそらくX GAMESにはすべての招待選手が賞金がもらえて、さらに順位によって賞金ももらえる。その上での追加の賞をもらったということになる)
そして、その時にその特大チェックを渡すプレゼンターから「あなたはこの業界の未来を担う大切な存在だ」と、最高のコメントまでプレゼントされた。
以下、KOKOMOワールド全開を記録した2024 X GAMESのパフォーマンス集動画。
銀メダルは、2本目にフロントサイド・トリプルアンダーフリップ1260インディをクリーンメイクした岩渕麗楽。2022年に春に初メイクした同ドリックだが、完全にものにした印象を与えるほど完璧な出来栄え。しかし、3本目以降の右回転トリックは、4本目に放ったバックサイド1080が29点に留まり、その後のランは奇しくも女子最終走者で、大逆転を放つトリックであるバックサイド1440を狙ったが、着地が乱れたため得点は伸びず…。しかし、4本目のバック10のスコアが生き、最終的には2位を確保。昨シーズンの王者は、2年連続でメダル獲得となった。
銅メダルに輝いたのは、今大会の最年長32歳のアンナ・ガッサーで、2本目には彼女のシグネチャー・トリックでもあるキャブ・トリプルアンダーフリップを成功させた。
4度ものXゲームスのメダリストに輝いている鬼塚雅は、キャブ1260にトライし続けるも転倒。今回は幸運の女神から見放され持ち前の実力を発揮できず…8位に終わった。日本女子のエースでもあった雅がこのまま終わるとは信じがたい。超ハードワーカーの彼女の逆転Vストーリーを期待していきたい。
大会が終わってみれば、男女共にビッグエアは日本勢が1、2フィニッシュを飾ることになった。ビッグエアでは、日本勢の強さが際立った結果に。スロープスタイルの方でも、女子の方では村瀬、岩渕が銀、銅メダルを獲得する活躍を見せた。あとは日本男子のスロープスタイル陣が良い結果を残してくれたら、日本はハーフパイプを含めてスノーボード王国になるだろう。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックに向かて、期待が高まる。
X GAMES 2024 女子ビッグエア結果
金メダル:村瀬 心椛(日本)
銀メダル:岩渕 麗楽(日本)
銅メダル:アンナ・ガッサー(オーストリア)
Pacifico Women’s Snowboard Big Air Final
RANK | NAME | Run 1 | Run 2 | Run 3 | Run 4 | Run 5 | Best Straight | Best Right | Best Left | Best Two |
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1 | Kokomo Murase | 10.00 S | 32.00 L | 43.00 R | 41.00 L | 8.00 R | 10.000 | 43.000 | 41.000 | 94.00 |
2 | Reira Iwabuchi | 6.00 S | 40.00 L | 6.00 R | 29.00 R | 14.00 R | 6.000 | 29.000 | 40.000 | 75.00 |
3 | Anna Gasser | 9.00 S | 39.00 R | 23.00 L | 4.00 L | 9.000 | 39.000 | 23.000 | 71.00 | |
4 | Mia Brookes | 9.00 S | 37.00 L | 14.00 L | 5.00 L | 16.00 R | 9.000 | 16.000 | 37.000 | 62.00 |
5 | Annika Morgan | 6.00 S | 30.00 L | 16.00 R | 5.00 R | 4.00 R | 6.000 | 16.000 | 30.000 | 52.00 |
6 | Jasmine Baird | 4.00 S | 4.00 R | 7.00 R | 11.00 R | 32.00 R | 4.000 | 32.000 | 36.00 | |
7 | Laurie Blouin | 6.00 S | 21.00 R | 5.00 L | 5.00 L | 6.00 R | 6.000 | 21.000 | 5.000 | 32.00 |
8 | Miyabi Onitsuka | 1.00 S | 5.00 R | 5.00 R | 5.00 R | 15.00 L | 1.000 | 5.000 | 15.000 | 21.00 |