W杯２戦目となった北京で行われたスノーボードのビッグエア大会は、地元のヒーローで北京オリンピックの金メダリスト、イー・スーミン（蘇翊鳴）が優勝した。日本勢も大活躍で、男子では木俣椋真が２位で今季嬉しい初の表彰台。また開幕戦で２位に入った木村葵来が２戦連続で表彰台に立つ３位に輝いた。昨季の世界選手権を制した長谷川帝勝は、惜しくも4位で表彰台を逃した。
期待された開幕戦覇者の荻原大翔は予選を２位で通過するものの決勝では３本とも持ち前のパフォーマンスを発揮できず10位に終わった。
女子の方の優勝は、北京オリンピック金メダリストのアンナ・ガッサー（オーストリア）、２位はオーストラリアの実力者テス・コーディ、３位には鬼塚雅が嬉しい今季初の表彰台となる３位に輝いた。
決勝に進んでいた深田茉莉は6位、岩渕麗楽は7位だった。
今回のビッグエアの会場は、北京五輪にも使用されており、世界で唯一のスキー、スノーボードのためのビッグエア専用施設。その地の利を生かした地元のヒーローのイー・スーミンが佐藤YASコーチに見守れながら、１本目から全開ファイト！１本目はトリプルコーク・バックサイド1800メランコリーをメイク。２本目にはさらに難易度が高いバックサイド1980インディを決めて、トップに立った。ビッグエアでは３回ジャンプができ、ハイスコアの２本を採用するルール。同じトリックでの高得点狙いを防ぐため、その２本は同回転はカウントされないルールになっているが、イー・スーミンは１本目にフロントサイドのトリック、２本目にバックサイドのトリック、共に高難度のトリックを決めて他の選手を圧倒する形になった。
予選スコアの低い得点選手からスタートするルールで、イー・スーミンは予選１位だったので最終走者。地元のヒーローが見事にトリを飾り、ラストすでに優勝を決まっていたところでの３本目は、フロントフリップでビクトリーご挨拶！
男子で２位に輝いた木俣椋真は、この日、出場した選手の中で最も優等生と言える活躍。というのも３本ジャンプ共に見事なクリーンに決めて見せたのだ。２本目には、バックサイド1980メランコリーを決めて、３本目には印象的なフロントサイド1800でのダブルテールグラブをした。（※一番下のハイライト動画でチェックできる！）
日本勢は、本当に嬉しい意味で、様々なライダーが活躍し台頭して来るが、椋真にとってもこの北京大会は大きなステップアップになったに違いない。今後の彼の活躍から目が離せなくなって来た。
３位に入った木村葵来は、１本目にバックサイド1800インディを決めて上位ポジションをキープ。しかし、２本目のトリプルコーク・バックサイド1800が失敗。しかし、彼はいつも３本目に輝く。大逆転を狙ったスイッチバックサイド・クワッド1980ウェドルグラブで92.50点というハイスコアを出し、表彰３位まで駆け上がった。もちろん出るからには優勝を狙って出場しただろうが、この３本目を決めれたことは本人にとって大きな自信になったに違いない。
女子で優勝したアンナ・ガッサーは、１本目のキャブダブルコーク1440こそ失敗したもの、さすがの女王！２本目にはキャブダブルコーク1260メランコリーをメイクし、３本目にはバックサイド・ダブルコーク1080メランコリーを決めて、自分よりも２倍も若い選手たちを圧倒した。世界のシーンでトップを走り続けて来たアンナもすでに32歳だが、まだまだやれる！ということを改めてこの北京の地で見せしめた。
２位に入ったテス・コーディは１本目にバックサイド・ダブルコーク1080、２本目にはフロントサイド900ダブルテールブラブを決めて、さらに３本目にはその上を行く1080でのダブルテールブラブを決めた。
鬼塚雅は、どちらかと言うとこれまでスロースターターとも言われていたが、今季は２戦目ですでに表彰台に立った。
１本目のキャブ1260こそ失敗したものの、２本目には見事に修正してキャブ1260ウェドルグラブをメイク。そして３本目にはバックサイドダブルコーク1080トラックドライバーを決めた。
ワールドカップ ビッグエア２戦目 中国・北京大会
男子ファイナル結果
1 イー・スーミン（中国）
2 木俣 椋真
3 木村 葵来
4 長谷川帝勝
10 荻原大翔
11 宮村結斗
12 國武 大晃
23 宮村 結斗
43 大塚 健
女子ファイナル結果
1 アンナ・ガッサー（オーストリア）
2 テス・コーディ（オーストラリア）
3 鬼塚 雅
6 深田 茉莉
7 岩渕 麗羅
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