【フサキ日記】多くのローカルにとって大きな衝撃を与えたウィスラーの閉鎖

あまりにも衝撃的で、一瞬、何をすればいいのかわからないような戸惑いでした。
春らしい陽気な温かい日差しが射す朝、スクールのミーティングに行くと、ユキコさんとタカチャンマンの姿がありました。偶然にも日本人スノボ・イントラしかいなかったので、「おっ、今日は、チーム・ジャパンだね!」なんて談笑していました。

お客さんを迎えて、ユキコさんのあいかわらず流暢な英語を聞きながら、「これは勉強になるなあ」なんて、頭の中で自分も同じように、会話リピートしていました。

今、思えば、本当に平和な朝でした。

今朝、ロッカールームにある自分の板を引き上げるために、ビレッジに行くと閑散としていました。
本来なら、多くのスキーヤー、スノーボーダーが笑顔でゴンドラ乗り場周辺に集まるところは、驚くほど静かです。
おそらく、このへんでコロナによる影響でスキー場がクローズしてしまったのは、ウィスラーだけ。
もしかしたら、北米全体でもコロナによる閉鎖を決めたのは、ウィスラーだけなのかもしれません。

そんな悲しい状況に、改めて「何があったのだろう」と思い始めました。

今日は、金曜日だから、わずか5日前の出来事です。
月曜日のレッスンの最中に、お昼過ぎにリフト係の方が、僕に伝えてくれたのです。

「大変だ!ウィスラーがクローズになるって」
「えっ、マジ!まさか!?」
「チキショー、オレのケータイの電波つながらなくなった。誰かチェックできないか」

すると、トロントから来たという僕の生徒さんが、すかさずチェックしてくれました。
「本当だ!今夜12時にクローズだって。今日がラストディになってしまった!」

(平和な月曜日の朝の記念撮影。この時、僕たちはまさかウィスラーが今日でラストディになるなんて思ってもいませんでした)

家に帰って、すぐに調べました。
テレビの画面には、お馴染みのBC州の公衆衛生担当官であるボニー・ヘンリーさんが映っていました。
今、彼女はBC州で最も有名な女性でしょう。連日テレビに出ています。常に冷静沈着にお話しされ、この方に言われるとなんとなく従ってしまう。そんなオーラも兼ね備えています。

「ウィスラーブラッコム地域では、Vancouver Coastal Healthと協力して、人々の隔離と感染の防止を支援して来ました。予防接種プログラムも実施していたのですが、症例が再び増加しています。感染は、ウィスラーのスタッフ・アコモデーションで始まりました」

なるほど。そう言えば、スタッフアコモに住むタカチャンマンも、すでに予防接種を受けたと言っていたなあ。
にも関わらず、感染者が増え、その感染した旅行者が、地元に戻ってコロナが広がっている。そのことをことを懸念しているのです。
また、ボニーさんはブラジル型の変異ウィルスが増えていることにも心配していました。

以上のような理由から、ウィスラーをクローズする決断に至ったのです。
しかし、この決定は昨年のようにウィスラーの親会社であるベイルリゾートからの公式リリースではありません。あくまでもBC州衛生が決めたということです。
しかも、このクローズのお達しは、来月19日までということでした。

この時点で、僕はまだモヤモヤの気持ちを抱きながらも、「まっ、19日までの辛抱!さあ、春のブラッコムのパークが楽しみだな」なんて、呑気に構えていました。

(以上の映像は、スキーイントラとしてお客様からのリクエスト人気が高い同僚のアキコさんが、ちょうとクローズする日に撮影されたものです。これだけのコンディションの良さで、クローズしてしまったという状況なんです…)



翌日、ウィスラーのスノーボード仲間、マイルン(マイちゃん、ルンちゃん)、リョウくんと話す機会がありました。
すると、驚いたことに、3人とも来月19日の再オープンを懐疑的に見ていました。

マイちゃんは「昨年もフサキさん、再オープンすると言っていてビックリしましたよ」なんて言われてしまって。

「えっ、そうだったのかあ。オレ、いつも物事をプラスに考え過ぎて、判断を誤る傾向があるのかも…」

そんな反省な思いを抱きつつ、家に帰っていつものようにパソコンに向かって仕事を始めると、ウィスラーが公式リリースを発表したのです!

BC州衛生局の判断を尊重、私たちは2021-22シーズンを終了します。

「えー、尊重は大事だけど、そこまで尊重しなくていいのに~」って一瞬、思ってしまいました。

今思えば、マイちゃんの判断は、冷静だったと思います。
おそらく彼女はウィスラー側のビジネス視点から、しっかりと分析したのだろうと思います。そもそも、この春休みでお客さんの流れはピークになり、そこからはおもいっきり閑古鳥が鳴くシーズンに入ります。オープンしたところで、ローカルのスキーヤー、スノーボーダーが喜ぶだけで、ビジネス的な恩恵があまり得られない、と考えたのでしょう。

さて、改めて今回のクローズの背景にある事実を並べてみましょう。

3月22日から28日まで、保健当局はウィスラーで218件のコロナウイルスの新規症例を特定しました。これにより、1月1日から3月28日までのリゾート自治体でコロナの検査で陽性となった人の総数は1,120人になります。日本のコロナ患者数の報道と比較すると少ないように感じるかもしれませんが、軽井沢のような自然に囲われたリゾートで、その数は多いのだと思います。

全陽性患者から、900人が回復しました。 Vancouver Coastal Healthによると、ウィスラーの症例の大部分83.2%は、20〜39歳の若年成人で引き続き特定されているということです。

そう若者が、とても多いのです。
実際、娘の高校でも、コロナの患者さんが増えたそうで、「もう何々ちゃんと何々ちゃんだけしか会わないようにする」。なんて今朝も言っていました。

現在のウィスラーは、室内でのレストラン営業は禁止。レストランは、テイクアウトのみ許可されています。
当然、レクリエーションの活動も中止。
ビジネスのオーナーさん、そこで働く従業員、春のシーズンを楽しみにしていたスノーボーダーなど多くのローカルにとって大きな衝撃を与えたウィスラーの閉鎖です。


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