ウィスラーブラッコムで新雪が42センチ降るとどうなる?

@Whistler Blackcomb Skiers & Snowboarders
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文:fusakidmk

2024年1月6日。カナダのウィスラーブラッコムでは、とんでもないことが起ころうとしていた。
一晩で積もった新雪は、42センチ。日本同様にエルニーニョが発生しているウィスラーは記録的な雪不足に見舞われていた。通常、この時期にはウィスラーベースまで滑れるのに、未だにクローズ。
ブラッコムのアルパインエリアとして有名なセブンスヘブンも最近まで雪不足でクローズしていたし、ウィスラーのピークは開いたものの雪不足のためにピークボールに入るには、まるで崖のような斜面を降りないと侵入できない。パウダースキー&ライディングを楽しみにしていたスキーヤー、
スノーボーダーのフラストレーションが溜まり、中にはお隣の町に行ってマウンテンバイクを出る輩が出るほど。「今季はもう終わりだよ」と嘆く人も少なくなかった。

ところが、1月5日(金)に豪雪警報が発生!!なんと一晩で42センチも積もったのである。

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待ちわびたスキーヤー、スノーボーダーたちは、明朝からゴンドラ乗り場に並んだ。以下の写真は、朝6時半にブラッコムゴンドラに並んでいた光景である。


ちなみにウィスラーのクリークサイドの列は、ハイウエイまで届いてしまったというから驚きだ。

私は、シーズン中はウィスラーのスノースクールでイントラとして働いているので、幸運なことに従業員の特別の入口ドアからゴンドラに8時半前に乗り込み、ミーティング場所までのアルパインに向かった。いっしょにゴンドラに乗った人にどれくらい待ったのか聞いてみると、なんと「2時間」!!
しかも、その方、朝誰よりも早く上がれるフレッシュトラックのチケットを持っているにも関わらずである。

「僕が朝、ゴンドラ乗り場に行くと、もうすでに多くの人でごった返していたんだ。本来なら、フレッシュトラックのチケットを持っている人が優先して乗れるはずなのに、チケットを持っていない一般のお客と列と混ざり合って収集がつかなくて。もう参ったよ。これは、おそらくクレーム出して返金ということになるだろうね」

このフレッシュトラックというのは、通常8時半にゴンドラに乗れるところ、それよりも1時間以上も前に早く乗ることができ、しかもアルパインエリアにあるラウンドハウスの朝食もいただけるというもの。価格は28ドルと安い。
一日に最大で販売するフレッシュトラック券数は、600枚までだ。

この日、ウィスラーで滑っている人たちは、何人くらいいたのだろう。クリスマスの時期の忙しい日には、3万人もの方が山に上がるということを聞いたことがあるけど、もしかしたら同じようなレベルの人数がやって来たのかもしれない。その大勢の人たちが、リフト券を買ったり、山で食事をしたのだろうから、この日のウィスラーの収益はシーズン中で最高額に達したのかもしれない。

私は、この日、3人の生徒さんと共に、まずはハーモニーチェアに上がった。そこからウィスラーのピークチェアに向かって「リトルウィスラー」という斜面を滑った。斜度が30度ほどなので、パウダーではもって来いという感じのところ。スピードを付けて斜面に突入し、ヒールサイドでスプレーを抑えようと滑ったが、あまりにも深くでターン後に一瞬にして視界が雪煙で真っ白になってしまった。そこから感覚を頼りに夢中でトゥサイドで入っていく時、本当に気持ちいい感覚を味わえた。

まだシーズンは序盤だが、振り返ってみれば、この日が最高の一日だったということになるのかもしれない。そう考えると、あのパウダーをいただけたことに改めて感謝する気持ちが湧いて来る。

(いつもならビレッジに近いLOT2に駐車できるのに、この日は500メートルほど歩かなくていけないLOT4にかろうじて停めることができた。駐車スペースがあっただけでもラッキーだったかもしれない。というのもこの日、駐車スペースがなくて諦めて帰ってしまった人もいただろうから)
(朝、ゴンドラから上がってからのウィスラーピークの景色。まだこの時は、メンツルの新雪が残っていた。あとでこの左手のリトルウィスラーコースを一番乗りで滑る幸運に恵まれる)
(生徒さんと共にハーモニーチェアに向かっているところ。いやはや、すでにもの凄い人の量!)
(生徒さんと共にピークチェアを上がった時の景色)
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