密着取材!平昌五輪を目指す広野あさみ

広告 five  

 

平昌五輪を目指す広野あさみが、ブラッコム・パークで練習中。トレーニングパートナーの若手ライダー北原あゆみ、そして広野をスロープ選手のきっかけを作ってくれた恩人でもあるコーチ、阪西 翔と共に練習ブラッコム・パークでトレーニングに励んでいる。今日は、そんな広野あさみの密着取材。一日トレーニングに同行させてもらった。

広告

16-17シーズン全ワールドカップに出場!オリンピックという夢に向かって駆け抜けたシーズンを送った広野。
当初は、4戦だけの参戦予定だったようだが、全日本スキー連盟が指定する成績を収めるたびに、さらにW杯への追加出場許可が降りた。すでに全戦許可をもらっていた鬼塚雅、藤森由香という選手を後を追うかのように、広野はW杯で戦いながら結果、ただ一人の全戦出場を果たしたのである。

一人旅で時にはバゲージ・ロストすることもあり、大変苦労もあったようだが、今季のW杯シーズンを終えて一層たくましくなった広野。そしてシーズン終わったのもつかの間、今度はカナダのウィスラーに。ブラッコム・パークでおよそ30日間近くの自主練だ。

シーズン中は、全日本スキー連盟のコーチである西田崇氏に様々なサポートを受け結果を残して来た広野だが、この時期は、自分でトレーニングをしていかないといけない。思えば、昨年は同じナショナルチームの藤森由香がいたが、今回、藤森は別の練習や撮影などあり、いっしょに来ることができなかった。しかし、頼もしいパートナーが同行することに!6年間、広野を見てくれた阪西 翔が来てくれたのだ。

阪西コーチとの出会いは、今から遡ること6年前のKINGS。

あまり知られていないが、JWSC全日本ウィンタースポーツ専門学でスノーボードを学んだ広野は、将来の方向性をスロープスタイルやビッグエアーに定めていなかった。当時は、ハーフパイプをやったり、テクニカルの大会も出たこともあったとか。様々なスノーボード・スキルを磨いていた広野が、結果的にプロになれた種目はボーダークロスだった。

しかし、6年前にKINGSでフロント360などベーシックなスピン技を練習している時に、出会ったのが阪西コーチ。アドバイスを受けて瞬く間にうまくなっていったという。その時にジャンプの虜となり、持ち前のクロスで磨いた技術がうまく合わさり、日本を代表するトップ・スロープ選手に成長していったのだ。

阪西 翔は、ビデオクルー、ハイウッドでの撮影中に大腿骨骨折という大怪我を見舞われたが、コーチングに目覚める。自分のアドバイスが、様々なライダーを成長する楽しさを知ったのだ。そんな時に現れたライダーの一人が広野だったのである。

そして今回のトリップではさらに広野と同じビラボーン・チームライダーの北原あゆみも参加し、阪西コーチの手ほどきを受けている。たまたま広野といっしょにカナダに行くことで、このようなチャンスに恵まれたようだ。広野にとっても可愛い後輩という感じで、オフの時間も含めて楽しく過ごしているようだ。


(期待のアップカマー、あゆみも元気にトゥイーク!若いけどしっかりとした性格な印象で、好感が持てた。これからさらに人気が出て来そうなライダーだ。)

 

 

広野の一本目からの完全密着取材レポート

朝イチのウォーミングアップでは、Lサイズのキッカーを中心にハーフパイプにも。コーチは別に大きなジャンプとかしなくても良さそうだが、より選手と同じテンションを保つためか、阪西も同じアイテムを入っていく。


(まだだまライダーとして活躍片鱗を見せる翔。この春も自身のスキルを上げることに力を注いでいるようだ。)

広野のフリーランは、誰よりも深回りターンで印象的だ。そのことを伝えると、あえて逆エッジに滑る意識を持っているということ。
逆エッジというと、初心者時代に谷側のエッジを引っかけてしまって突然転ぶ「あれ」、を思い浮かべるがそうではない。
カービングターン中に谷側にエッジングを掛けることで、キッカーに向かうライン、そこの練習をしているのだ。


(ふだんから深回りターンが印象的な広野。特にヒールからトゥに入った谷側エッジングの部分を大切にしているようだ。)

阪西コーチ曰く、この谷側エッジにうまく乗れないと、ジャンプでスピンをする時に、横っ跳びになってしまうという。
実際に、取材ノートにそのライン取りを書いてもらった。

(実際にイラストを描いてくれた阪西コーチ。バックサイド・スピンの理想は右のラインで縦に抜けること。左は、トゥで巻き込んでしまった例。)

今日は、予想以上に温かくなり、朝からシャバ雪気配。
そんな状況を考えた阪西コーチは、バックサイド・スピンからやろうと提案。
あまりにも柔らかくなったシャバ雪でのバックサイド・スピンは難しくなるから、という考慮からだった。
そんな中、Lサイズ・キッカーでバックサイドを決めていく広野と北原。

そして滑るたびに阪西コーチが撮影した映像をチェックし、ライディングを修正するという作業を繰り返していった。

広野同様に、北原も同じよう自身の課題に取り組んでいく。
すぐに撮影した自分の映像を確認できるので、ひじょうに効果的なコーチングだと思った。

そのコーチの助言を活かして、広野はコースの起伏を使って新たな感覚に取り組んでいく。一見すると不器用な印象もあるがこの愚直なまでに素直にやっていくのが広野の良いところだ。課題に向かってひたむきにトレーニング。

最終的に、この日はバックサイド・スピンから始めて、BSは700、そしてフロントサイドでは900まで決めていった。

そう言えば、昨シーズン飛んでいたXL巨大サイズのキッカーを飛んでいない広野。そのことを尋ねると、
「大きなキッカーで高回転をするよりも、小さいサイズのキッカーで高回転をする方が難しいから。」とのこと。

また、この夏には南半球ニュージーランドのワールドカップも出場する可能性があり、それに備えるためにLサイズで練習しているそうだ。ニュージーのジャンプは、細かい操作も必要いになってくることも予想されるので、それに慣れる必要があると言う。

今回のカナダでのトレーニングでは、メイク率を上げること。技の完成度を上げること。さらなる高回転トリックに取り組むこと。以上を課題に挙げた広野。大会に出す技をガンガンに練習していきたい!と豊富を語ってくれた。

オリンピックへ出場するためには、ワールドカップでのさらなる好成績を残すなど、まだまだ険しい道のり。しかし、ど根性ファイターの広野だけにぜひともその夢を成し遂げてほしい。そして、来年の2月は平昌で輝く姿が見たい!

 

広告