これまで数多くの命知らずな挑戦に挑んできた世界のプロ・スノーボーダーたち。その中でも最も危険と思われるトリックを7つ厳選しました。
この特集を企画するきっかけとなったのは、2つ目に紹介するゼブ・パウエルがインスブルックで開催されたストリート・イベントで成功させた鉄柱抜けのジャンプです。
そのシーンを見たとき、これまで目にした危険なスノーボードシーンを集めようと決意しました。しかし、この企画を進め始めた3年前から、過去動画の発掘や新たな映像の収集に試行錯誤を繰り返し、なかなか同じレベルの危険な映像を見つけるのは困難でした。そこで本日は、DMK編集部がこれまでに見つけた映像を、とりあえずご紹介することにします。
さらにこのレベルの危険なスノーボード・トリックの映像があれば、ぜひご教示ください。
E-mail: [email protected]
目次
ホルダー・ヘルガソン:バックフリップ・ギャップ
2013年、Nikeのスノーボード映画『Never Not』で披露されたホルダー・ヘルガソンのパート。彼がラストで見せたビル間ギャップでのバックフリップは、驚異的な度胸と技術を示したものでした。当時、このシーンは世界中のスノーボーダーたちから称賛され、その年で最も注目を集めたスノーボード映像となりました。
ゼブ・パウエル:鉄柱抜けジャンプ
2021年11月、オーストリアのインスブルックで開催されたストリート・イベントで、驚異的な身体能力を誇るゼブ・パウエルが披露した鉄柱抜けジャンプ。誰も思いつかないような、ビルの鉄柱の間を飛び抜けるという大胆なアイデアを実行に移しました。ジャンプ台から鉄柱までにはかなりの距離がありましたが、その間を見事に突き抜けるエアを決め、観客は大いに沸きました。奇抜なムーブメントで知られるゼブですが、このトリックは今なお語り継がれる名シーンとなっています。
ゼンジャ・ポタポフ:鉄柱パイプタップからのフロントフリップ
鉄柱パイプの端をタップし、その勢いを利用してフロントフリップを決めるという荒技!タップしてアイテムに入るトリッキーな技はいくつか見られますが、これほど危険な鉄柱でのタップは前代未聞です。さらに、その流れでフロントフリップまで行うとは驚異的です。
この距離感と勢いから察するに、ボードにも相当な衝撃とダメージが加わっているはず。
フランク・ブルジョア:狭いビルの谷間での2段階ボードスライド
世界最高峰のストリートライダーと称されるフランク・ブルジョアは、2019年のX GAMESで開催されたストリート映像大会REAL SNOWにおいて、狭いビルの谷間での2段階ボードスライドを披露し、世界中のスノーボーダーを驚かせました。
まず、正面からフロント方向にビルの壁に当てます(注:ここでミスして落ちれば、背中から真っ逆さまで死んでもおかしくありません)。さらに、そこからバックサイド側の反対側のビルに当て込むという離れ技です!
以下の動画が受賞した作品ですが、いずれのフッテージも激ヤバです。しかし、今回このトップ10に選んだのは、1:07~1:13のところです。
ダン・ブリーゼ:ルーフ・ギャップ・ジャンプ
数多くの危険なトリックを成功させ、その映像はどれもがデンジャラスで圧倒的なインパクトを残したダン・ブリーゼ。しかし、当時最も衝撃を与えたのは、ビルの屋上から飛び降りたルーフ・ギャップ・ジャンプだっただろう。
もはや彼はプロ・スノーボーダーの枠を超え、スタントマンと呼んでも過言ではないほど、過酷で危険な映像を数多く残した功績者。
以下は、GoProからアップされたバージョンのルーフ・ギャップ・ジャンプで、その当時の撮影の臨場感が見事に伝わってくる。
岡嶋大空:世界が生きているのか心配した巨大ドロップ
これまでにもダムのような建造物からドロップジャンプするシーンは見たことがありましたが、この高さは常軌を逸しています!
X Gamesでこの動画がシェアされたとたんに拡散が始まり、そのコメント欄には「彼はこれで生きていたのか!信じられない」といったコメントがありました。それほど、世界中のスノーボーダーも心配した岡嶋大空のスーパードロップ。
いやあ、普通の人なら、身体が壊れそうです…。
このジャンプをする度胸には、大きな拍手を送りたいです。
ジェレミー・ジョーンズ:世界初!20,000フィートのシュート(超急斜面)を滑降に成功
スノーボード界のレジェンド、ジェレミー・ジョーンズが2016年に世界初となる、20,000フィートにも及ぶシュート(超急斜面)の滑降に成功しました。
斜面というよりも、むしろ壁のような場所を滑るその姿は圧巻です。ジェレミーの荒い息遣いからは、恐怖感がひしひしと伝わってきます。
エッジングだけでは耐え切れず、ピッケルを使って何とかコントロールしながら降りていきますが、一歩間違えればエッジを外して滑落し、命の危険が迫ったことでしょう。