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今季、1戦目となるスノーボードのワールドカップ・ビッグエア大会が、スイスで開催され日本勢が男女ともに頂点に立つ結果となった。男子では長谷川帝勝(18)、女子では深田茉莉(17)が、今季ワールドカップの初戦で見事な優勝を飾った。

毎年恒例のシーズン開幕を告げるビッグエアのワールドカップ初戦「Big Air Chur」は、スイスのクールで開催される一大フリースタイル・イベントだ。

女子決勝は8人の選手による3本のジャンプのうち、ベスト2本のスコアが採用されるお馴染みのルール。深田茉莉は1本目にフロントサイド1080ウェドルを完璧に決め、87.50点という高得点を記録。1本目終了時点では、イギリスのミア・ブルックスに次ぐ2位につけていた。

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続く勝負の2本目では、スイッチバックサイド1260ジャパングラブを鮮やかにメイク。スタート地点で送り出したYASUコーチも、その素晴らしい技に両手でガッツポーズ!ジャッジからもこの日の女子選手で最高の94.00点が与えられた。

2本が終了した時点で、深田は合計スコア181ポイントを記録し、他の選手を大きくリード。2位にはカナダのローリー・ブルーアン、3位には村瀬心椛が続いた。しかし、4位のミア・ブルックスは1本目で深田を上回る89.75点をマークしており、最後の3本目で何が起こるか分からない緊迫した展開となった。

迎えたラスト3本目は、2本目の時点で下位のスコアからスタートする。
岩渕麗楽は1本目は失敗したものの、2本目にバックサイド・ダブルコーク1080ウェドルをメイクし、追い上げを見せていた。そんな彼女が、ラストでフロントサイド1080を鮮やかに決めた!これにより、合計スコア167点で2位にジャンプアップ。昨年同地で2位に輝いたが再び高成績を収めた。

その後の後続の選手たちも逆転を狙って大技に挑むも成功には至らず、最後から2番目の滑走したローリー・ブルーアンもキャブ1080で転倒してしまった。
この結果、深田茉莉の優勝が確定!ビクトリーが決まった深田は、YASUコーチからスイスの旗を受け取り、それを手にして最後のジャンプへ。旗を持ちながストレートエアを披露し、ゴール後は旗を振りながら大観衆の声援に応えた。

平昌と北京五輪で2大会連続王者に輝いたアンナ・ガッサーは、予選での2本ラン共に振るわず、28位で決勝に進めなかった。

W杯スイス/クール大会 女子ビッグエア1戦目結果

1位 深田茉莉(日本)
2位 岩渕麗楽(日本)
3位 ローリー・ブルーアン(カナダ)
4位 村瀬心椛(日本)
5位 ミア・ブルックス(イギリス)
6位 ハンネ・エイレルツェン(ノルウェー)
7位 ユ・スンウン(韓国)
8位 鬼塚雅(日本)


一方、男子は予選通過者10名による熾烈な争い。決勝に進んだ選手たちの顔ぶれは、女子以上に「新しい」印象があり、男子ビッグエア界の競争の激しさを感じさせた。昨日までの王者が、今日は異なる選手に変わってしまうような状況だ。 そんな中、やはりこの男は今年も強かった!予選を1位で通過した長谷川帝勝は、1本目にキャブ1080ウェドルを見事にメイク。2本目ではフロントサイド1800インディを狙ったが、着地が安定せず失敗。しかし、最後の3本目でしっかりと1800を決め、優勝を手にした。

2本が終了した時点で、帝勝は5位に位置しており、残る4人の滑走を待つこととなったが、結局、誰も帝勝を上回ることはできず、そのまま優勝が決まった。終わってみれば、帝勝の2本合計スコアは177点に達し、2位に入ったニュージーランドのロッコ・ジェミーソンの163点を大きく引き離した。

2位に入ったロッコ・ジェミーソンは、2本目でバックサイドロデオ・インディ・プレッツェルスイッチを大会で初めて披露し観衆を驚かせた。

もう一人、決勝に進出した日本人選手の荻原大翔は、1本目と2本目でスイッチバックサイド1980という大技に挑むも、惜しくも失敗し、追い込まれた。しかし、3本目にはバックサイド1800メランコリーを完璧に決め、笑顔でフィニッシュ。最終結果は6位となり、W杯初戦としては上々のスタートを切った。

男子の優勝候補の一角であったマーカス・クリーブランド(ノルウェー)は、スタイリッシュなノーリーからの高回転技など、多彩な技を披露したものの、決勝では振るわず8位に終わった。ワールドカップで10回表彰台に立った経験を持つアメリカのクリス・コーニングは、予選を通過できず、最終的に15位となった。

その他、日本勢では濱田海斗が11位、宮村結斗が25位、飛田流輝が30位、木俣椋真が40位でそれぞれ予選敗退。
また、國武大晃と木村葵来はDNS(欠場)で試合に出場しなかった。

2戦目のW杯ビッグエアは、11月30日~2月1日まで中国の北京で開催される。

W杯スイス/クール大会 男子ビッグエア1戦目結果

1位 長谷川帝勝(日本)
2位 ロッコ・ロッコ・ジェミーソン(ニュージーランド)
3位 ロマン・アレマン(フランス)
4位 イアン・マテオリ(イタリア)
5位 ヤクブ・フロネス(チェコ)
6位 荻原大翔(日本)
7位 イ・ドンヒョン(韓国)
8位 マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
9位 リヨン・ファレル(ニュージーランド)
10位 フランシス・ジョビン(カナダ)

2024-25 FIS WORLD CUP ビッグエア&スロープスタイル日程、結果

ビッグエア開催日開催場所男女優勝者
1戦目10月19日、20日スイス(クール)長谷川帝勝(日本)/深田茉莉(日本)
2戦目11月30日~12月1日中国(北京)
3戦目1月3日~5日オーストリア(クラーゲンフルト)
4戦目1月9日~11日オーストリア(クライシュベルク)
5戦目1月30日~2月6日アメリカ(アスペン)
スロープスタイル
1戦目8月30日~9月1日ニュージーランド(カードローナ)キャメロン・スポルディング(カナダ)/村瀬心椛(日本)
2戦目1月15日~1月18日スイス(ラークス)
3戦目1月30日~2月6日アメリカ(アスペン)
4戦目2月19日~2月23日 カナダ(カルガリー)
5戦目(未定)3月12日~14日イタリア(リヴィーニョ)
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