今年、日本発のガールズ・ビデオ「LI’L」でナース姿で登場したガールズ・ライダー。そのイケイケ・ギャルのイメージとは裏腹にスノーボード技術やセンスはかなり高いと思わせた。カナダで育ったアグレッシブなライディングの彼女は、前から気になる存在だった。スノーボードがあれほどうまいのにスポンサーもないと言う情報を聞きつけ、彼女の考えに興味を持った僕はC★4にアタック敢行した。
フサキ(以下F):C★4のライディングはかなりアグレッシブに感じたのだけど、スノーボードをやって来たヒストリーはどんなものだったの?
C★4:『波瀾万丈』でした。なんて。でも本当にケガばっかりだったから(T_T)。スノーボードを始めたのは7シーズン前かな。でも総滑走日数は意外と少なくて、100日ちょっと。滑れる時・滑りたい時に上達する『極・短期集中型♪』とでも言っておきます(笑)。
F:そもそもスノーボードを始めたきっかけは?
C★4:始めたきっかけは、スノーボードにはずっと長年恋してたのに、仕事柄・禁止されてたし、やりたいのに行かない自分にイライラしてたそんな時、友達が連れて行ってくれて♪ 行ったが最後?案の定・やっぱりハマっちゃっいましたよね☆ 実際、生まれてから一度も雪の上に立ったことなかったから怖かったですけど。でもその日のうちに普通に滑れるようになれて嬉しかったし、楽しかった♪と言うより感動したかな。「雪の上滑ってる~」って(笑)。で、その瞬間を境に、もうプチって自分の中の我慢糸が切れちゃって、いいのか悪いのか、FEELINGに任せた人生が始まっちゃった感じで。でもとても素敵なLIFEだから、そのきっかけをくれた『スノーボードに感謝!ジェイクバートン様々』ですよね。それまでは『仕事があるから』とか『彼が寂しがるから』とか結構合わせ体制な人だったんだけど、『待てよ?あたしって誰のために生きてんだ?』とか思って色々考えさせられて。。。
気が付いたら仕事とも彼氏ともバイバイしてカナダに来ちゃってた。「思い立ったら即行動」みたいな。昔から英語を話せる様になりたかったし、行くなら今しかない!と思って。
F:カナダに来てからは、どんな活動を?
C★4:最初2ヶ月間はバンフでローカルたちに付いて毎日パウダー滑ってました。その時テリエの滑りに恋してたから「テリエぐらいぶっ飛びたい!!」なんてありえないことを夢にみながら、夢中で滑ってましたね(笑)。
そしたら周りから「お前なら行けるから出ろ!」って調子に乗らされて。日本のJSBAみたいなスロープの大会で、バックサイド360やったらうっかり3位になれて。さらにスポンサーしてくれるって言われて調子に乗り(笑)・・・、次の大会は来週だからねって言われて練習してた時、肩を故障しちゃった。やっぱりあんまり調子にのるもんじゃないわって深く反省しました。と言うか、滑れなくてめちゃくちゃ落ちてました(T_T)。
それから次の年、ケガのことなんてすっかり忘れちゃってて、「もっとぶっ飛んでやる~」なんて無茶なことやってたら、またケガしちゃって、シーズン棒に振っちゃったんです。
何だかその頃からボード熱がぴゅ~って冷めてきちゃって、「このままやる気ないのにやっててもうまくなんないし、他のことやんべ~」なんて思って、その後は長い停滞期を過ごしてましたね。
雪は凄く恋しかったけど、コンピューターの学校に行ったり、インテリアデサインのお仕事とかやってたり、旅をしたり、あと移民の手続きとかもして、全くスノーボードと関係ないことやって、そはそれで良かったかな。
でもやっぱり2シーズンも一度も滑らないでいると、重症な『滑りたい病』にかかっちゃって。
これは行き時かも♪なんて思って行動に出たんです。しかも好きな人もスノーボードやってる人だったから、「もっともっとうまくなって見てもらいたい☆」なんて柄にもなく可愛らしいこと思ったりして、相当なやる気が湧いてきちゃった(笑)。と言うのも一理ありましたけど、ただホントに無性に滑りたくなったんですよね。
F:おもしれろいなあ、C★4のヒストーリー。その後は?
C★4:それで、マンモスに行って修行してたんですけど、ある日疲れてるからこれで大きな台は最後にしようと思って、入ったらスピードが足りず角落ちして、、、足の骨を折っってしまって。本当にシーズン最後の1本になっちゃった。
その夜は痛いとかよりも何よりも、本当に滑れないことが悔しくて、一人で隠れて泣いてたなあ。。。
でも、今思えばケガして良かったかなって思いますね☆★☆★
学ぶこともたくさんあったし、ケガしてなければ練習してないようなことをやって幅も広がった気がするし、先を考えた結果としては悪くないんじゃない?って。自分に言い聞かせましたね(笑)。
先シーズンはボルト入れたばかりだったから、キッカーとか入れなくてレールばっかりやってたけど、今シーズンは足の調子を見ながら徐々に復活して行くつもりでなので、結構気合い入ってるかも♪
ゼロからのスタートって思って頑張ります。
(この後、インタビューは様々な方向に行ってしまったが、ここでは長くなり過ぎるので省略。今後C★4が雑誌などでさらなる魅力ある話を出してくれると思うので、その時のお楽しみに! 話は、一見感覚肌のC★4が滑走日数を覚えているという話に・・・)
F:だけどよく滑走日数とか覚えていたね? ずっとマメにカウントしていたの?
C★4:カウントしていたわけではないんですけど、私結構オタッキーなところもあるんで、絵を描いたり・文章書いたり・走り書きみたいなポエム書いてみたり(笑)。写真撮ったりとか、お料理とか、好きでよくやっていて、その中の一貫としてずっと日記をつけてるんですよ。それで、滑走日数は、こないだたまたま日記を見返した時に気付いたんですよ。「あれ~?こんだけしか滑っとらんの?私。」って、自分のことながら驚いて。。「7年も前に始めてたったのこれだけ?どんだけケガで無駄にしとるんじゃーっ★」て自分にキレてましたね(笑)。
でもそういった部分では日記っていいかもしれない。自分って個人を省みたり、いつも一歩一歩その時の状況を確認しながら前に進めるから。私の場合、日記って言ってもただの一冊のフリーBOOKで、本能の赴くままにペンを走らせてるだけなんですけどね。線のない真っ白なデッサンBOOKを買って来て、『今日はあのイカついレールでエビぞりになった。ちくしょー!』とか、『明日はあの技きめてやる!』とかを丸1ページ使ってデッカく、絵日記みたいに書いて気分を盛り上げてみたり、技のポイントをメモったり、ステッカーをベタベタ貼ってアートしたり、好きなライダーのかっちょいいシークエンスを貼って少し日記にカッコ良さをプラスしたり。。。あと、将来の自分像と言うか夢や目標を、今の自分を差し置いてデッカく描いたりして、希望に満ちた子供になってみることも多々ありですね(笑)。
それから全然スノーボードに関係のない『How much do you love me?』みたいにちょっとおセンチになったかと思いきや『あのラーメン旨かったー♪満腹。けぽっ』とか、ほんと基本的に何でもありの秘密BOOKですかね☆
たま~に見返してみると自分の成長記みたいに楽しめるしおもしろいですよ。しかも落ちたり悩んだりしても翌日にはケロリンコになってるし。病も気からって言うし、こりゃーお医者も薬もいらない・しかも楽しい・特効薬!!なんて。でもおすすめデス。
F:日記を書くことは、自分を知る作業にもなるし、自分を知らなければ成長はできないものだし、とてもいいことだよね。ところで、C★4を見ていると、自分が思い描いたイメージをきちんと滑走に生かしているように思える。女の子は比較的に様々なネガティブ環境受け止め屋さんだから、そういう集中する能力は凄いと思うのだけど、何か気合いの入れ方とかやっていることは?
C★4:私の場合は『鬼イメトレ』ですかね。暇さえあればイメトレしてるかも。でも最大のポイントはいつもハッピーでいることかなあ。気分で思いっきり滑りが変わっちゃう人なので、イケイケの時は結構ひょいってイカついレールもメイクれちゃうけど、イライラしてる時とかは何もないところでコケたりしてほんっと危ないかも(笑)。集中力が散漫しない様に気を付けてます。
あとは朝の過ごし方でかなりその日の運命かわりますね。私なりの『秘密の7か条』なるもので盛り上げるだけ盛り上げて、そして安心して、準備満タンGO!!!って♪
F:秘密の7か条かあ。おもしろそうだから、ぜひ今度雑誌とかでそんなハウツーやってみたいね。
C★4:そうですね。もし実現したら新しい感じでプチおもしろいコーナーになりそうですね。楽しそう♪
F:スポンサーをつけないと聞いたのだけど、それは何で?
C★4:つけないってそんな大きなこと言える立場じゃないですよお。でもただ最近までスポンサーを付けることに対してあんまり関心がなかったってのが正直な答えかも。
『LI’L』に出させてもらってからメーカーさんにお声かけて頂いたり、そんな質問を良く耳にする様になって、あれ?やっぱついてる方が聞こえも良いんだろか?考えた方がいいのかな?って何だか戸惑っちゃいましたよね。
今回は全く滑りの映像がなかったし、キャラ先攻型でしたが、今後もっとたくさん滑りの映像を残して色んなことできるよってのをみてもらって、それからまた運よく声掛けて下さるメーカーさんがいたら、積極的にお話してみたいと思っている、そんな状況です。
私がそうやってメディアに出ることによって、ちょっとでもメーカーさん側にいい影響がもたらせるのならやり甲斐もあるし、いっしょにそのブランドを盛り上げることができたらいいなって、思いますね。
どこのメーカーさんもそうだと思いますが、特にデザインや質、ブランドの生い立ち、ブランド名の意味に誇りをもってらっしゃるメーカーさん最高!!今後そんな方達に巡り逢えたら、嬉しいですよね。
F:ところでC★4は何か人を元気にさせるというか、ハッピーにさせるような雰囲気があるね。ウチのクラブ員のタクミ(注:C★4インタビューをアレンジしたウィスラーローカル)もC★4と滑っていると楽しい、と言っていた。
C★4:アハハ。照れるけどなんか嬉しいな。でも実際私もタクミに楽しませてもらってるって感じですよ。お互いに、次は何やらかそうとか常に何か企んでるから雪といっしょに遊んでる感たっぷりで楽しいですね。キャーキャー言ってちょこまか動いてるから、端から見ると小学生、いや猿が戯れてるみたいに映るかもなあ(笑)。
元気にさせる、ハッピーな雰囲気とか、たまに言われるけど、いやもうそれは”C★4は”、ではなく、”C★4worldは”ですかね。極力自分の周りに、好きな人たちや・好きな物しかおかない様にしてるから、私がそれらによってハッピーにしてもらってる側なので、巡り巡ってって感じで。みんなアリガトウです。
でも今まで生きて来て、これは確信できるって言えることがあるなら、それは『運だけは強い』ってことかな。日記を読み返してみると、ここぞって時にかなりの威力を発揮してきたみたいで、結構ピンチもそれで逃げ切り系(笑)逆境に強い女かも。動物的勘も働いてるかな☆”って、何だか自己アピールみたいですけど、今回のキャッッチコピーに応じてってことで。。。
思えばそんな自分の直感とフィーリングに任せて生きてるから、自然といい環境に身を置けているのかもしれないですよね。「いい人間・楽しい人間探知機ついてまーす♪」「ピピッ・お・反応!」みたいな(笑)。
でもやっぱりそんな人に出逢うと、老若男女関係なくピピッツときちゃいますね☆でも恋愛になると、何だか時々センサー鈍っちゃって、あら?こんなはずじゃあ、、、ってなこともありますが、それもありな感じにしておいてます(笑)。
F:今後の目標は?
C★4:”なれるものなら”、『女版DANNY WAY』になりたい(笑)。あの人はスケーターだけど、あの人の滑りに私の夢が詰まってるから。
技術面だけを見ても感動しちゃうけど、それまでの過程とか、あんなことをやっちゃおうと思って、そしてやってみせるあの鍛え上げられたというより、天才的メンタルに衝撃をうける。存在自体が意味不明。じゃなくて、あの人は神。いやスーパー宇宙人ですね。
F:最後に夢を聞かせてください。
C★4:いつも思っていることは、強くて優しい『母』になりたいって。結婚に大きな夢を持ってるとかじゃなくってもっと先のことで、一言一言に重みのある、子供が壁にブチ当ったときに最良の解決策を見つける「きっかけ」を与えてあげられるような、そんな母になりたいな。
●インタビュー後記
存在が華やかだ。街を歩いていたら、ちょっと振り向いてしまうルックス。そんな華やかさが一見軽く見えるのだけど、実際にはそうではない。自分の考えをしっかりと持っている。最後に夢を聞いて「強くて優しい母になりたい」との一言にC★4の強さと、そして温かさを感じた。
強さと言えば、さらにビックリする事件(?)があった。3連テーブルでの撮影中、その真ん中にあったテーブルが前のテーブルよりもちょっと高くなっていた。それで180した時にエッジに引っかかって転んだのである。その直後に撮影したのが上の「イテーッ」の写真なのだが、あの撮影から3週間経った今でもC★4は滑りに行っていない。実を言うと、アバラにヒビが入るケガだったのだ。痛めた後も何度も元気よくハイクアップして撮影していた姿を思い出すと、改めてC★4の強さを思い知らせれる思いである。
いい意味での企画外の彼女は、このインタビューを機会にさらにスノーボード界に台風を起こして行きそうだ。