ホットワックスはどこのメーカーでもよく滑る!大切なことはそのメーカーを知ること

スノーボーダーなら気になるホットワックス。
みなさんは、どこのメーカーのものを使用していますか?
おそらく、国内ではガリウムワックスが人気が高いと思います。
また、僕の周りでは、マツモトワックスの愛好者が多いです。
しかし、どこのワックスであろうとも、基本的にはよく滑るもの。
大切なことはそのメーカーを知ることです。
早速、解説していきましょう。

スキーやスノーボードショップのチューンナップ売り場に行くと、その種類の多さに驚いてしまいますね。
あまりチューンナップをやったことがない人は、どれを買えばいいのか、迷ってしまうと思います。

ちなみに、僕はカナダのウィスラーに住んでいますが、こちらのショップでこれほどまでに日本のショップほどチューンナップ用品を扱っているところはありません。
日本でここまで需要があるのは、板のメンテナンスが好きという国民性ではないでしょうか。
来るべきシーズンに向けて、ボードのチューンナップをしていると、スノーボーダーなら幸せな気分になります。

以前、メジャーリーグのイチロー選手が、「外国人の選手は、モノを大事に扱わない」と言っていたことを思い出します。
外国人は、所詮、用具は用具。そのスポーツを遊ぶための道具に過ぎないと考えがち。
対して、日本人はモノを大事にし愛着を持ち、しっかりとメンテナンスを施す。
そんな国民性が、ワックス大好きスノーボーダーたちを生んでいるのだと思います。

さて、本題に入りますが、まず結論から伝えると、どこのメーカーのワックスもよく滑ります。
高いからメチャクチャに滑るというわけではないでしょう。
安いワックスでも、よく滑ります。
大切なことは、そのワックス商品の知識だと思います。

以前、僕はスノーボード専門誌の座談会コーナーに参加したことがあり、各メーカーさんが大集合したことがあるのですが、日本の主だったワックスメーカーさん一同の共通認識は、「どこのメーカーでも滑る」というものでした。

じゃあ、いわゆるイメージ的なトップメーカーさんとそうでないメーカーさんとでは、何が違うのか?
それは、ワールドカップのデータということでした。

世界を代表するワックスメーカーさんは、スピードを競うアルペン種目のワールドカップに帯同し、そこに選手に適切なチューンナップを施します。
そして、その経験で、どんなコンディションでどのワックスが滑るか、ということがわかります。
その道のプロですから、様々なテストも繰り返し、ワックスをうまく調合して、選手の好結果をサポートしています。

しかし、私たち一般のスノーボーダーは、レーサーのように1000分の1秒を争うわけではありません。
必要なのは、どのコンディションでも快適なボードのソール状態を保ち、楽しいスノーボーディングをすることです。

具体的には、パウダーを滑っていてスタックしないように、また迂回コースなどの平らなところで低速で滑ってもグングン走ってくれること。
そんなことが求められていると思います。

そこで、必要なのが、どのような状況でどのワックスが良いのか、知ることです。
そのためにオススメしたいのは、1ブランドを決めてしまうこと。
このコンディションなら、Aブランド、このコンディションならBブランドという考えではなく、このコンディションなら、AブランドのCワックス、このコンディションならAブランドのDワックスという考え方です。

経験談としての最強ワクシング方法

ここからは、スノーボード歴35年、今でも毎シーズン100日滑る僕の経験談としての経験談としての最強ワクシング方法をご紹介します。

結論から言うと、ワクシングのクオリティ関係なく、ともかく板のメンテナンス、つまりワクシングすることです。
しっかりと滑走面をスクレイピングし汚れを取り、毎週ワクシングした板は、よく滑ります。
どれだけ高価なワックスを使用しても一度切りのワクシング・ワークよりも、安いワックス使用でも何度でも手入れした板には敵いません。

気になる温度ですが、明日の気温を考えるよりも、ともかくいろいろな種類のワックスを使います。

僕はマツモトワックスを使いますが、特にANT BB(アンチビービー)を使います。
このワックスは、ベース用のワックスと高い滑走性能もあるという下地&滑走の両方を兼ねたようなワックスになります。

ワクシング作業で完璧を求めていると疲れます。
イメージ的には、100点満点がパーフェクト・ワークというところ、80点~90点で良いと思うことです。
なぜなら、最後の10点~20点の仕上げが、最もハードワークになるからです。
多少なりとも、ワックスが剥がれていなくてもOK、多少なりともワックス塗り忘れちゃった箇所があってもOKだよ。
そんな気持ちでやることが大切だと思います。

なぜなら、ワックスを一生懸命にやると疲れると思うし、大切なことは頻繁にワクシングすることだからです。
気軽にできないと疲れてしまうのです。

以下は、僕のワクシングの方法を動画でまとめたものですが、それこそノリとしては5分ほどでやっています。
え、本当!?
と突っ込まれそうですが、実際には10分ほどなのかもしれません(笑)
ともかく、気軽にそれこそ、トイレに行くような感覚でやってしまいます。

ANT BBの一週間後には、ブルーのワックス、EXTRA BLUEなどを塗ります。
シーズン初めで寒い日が続くので、適温帯-12℃~-4℃にもガッチリ合うわけです。

そして、次の週もかなり寒ければ、同じようなワックスを塗りますが、そうでなく同じような気温だったら、あえて、適温帯-2℃~7℃のレッド、EXTRA REDを塗ったりしますね。

そもそも僕が滑っているウィスラーでは、アルパインエリアとベースでは、普通に10度くらい温度が違っていたりするので、どこのエリアに合わすかによって、適温ワックスも変わってしまうというわけです。
でも、そんなことは考えずに、感覚的に様々な種類のワックスを塗って、それもできるだけ数多くのワクシング機会を設けることを心がけます。
結果、シーズンを通して、快適に滑るベース面を作り上げるという意識です。

シーズンを通して滑っていると、どうしても忙しくてワクシングがおろそかになってしまう時期があります。
「あっ、いけね。最後にワクシングしたのいつだっけ?」
そんな感覚が開いてしまった時には、また一からやり直しで、ANT BBから始めます。

で、翌日、普段行っているイントラ仕事が暇で、スタンバイだけで終わってしまった日は、「チャンス!」とばかりに、2日連続でワックス。その時にまたある程度、気温を考えて、レッドかブルーを塗ります。

僕の感覚で、どんな気温の時、何色のワックスを塗れば良いのか。
そう、つまりメーカーをよく知っているということなのです。

僕の場合にはマツモトワックスですが、みなさんもぜひどこか1つ好きなワックスメーカーさんを決めて、そのメーカー商品をよく知っておきましょう。
その経験が、大事ですよ、という話です。

あと、僕はペーストタイプのワックスを常に持ち歩くようにしています。
このペーストは、「しばらくワクシングしていないな。ヤバイ!」という時に使うと有効です。
特に、ボードの滑走面のエッジ際に使うとよく滑ります。
なぜなら、そこの部分が最もよく使われる滑走面だからです。

以上で赤くしたところが、もっともよく使われて、ワクシングする必要性が高い箇所になります。

山で会った友達が、
「しまった。こんなに良い雪なのに、ワクシングしていなくて滑れないよ」
と泣いている時、このペースト状のワックスをさっと出して、ワクシングしてあげます。
すると、みんな本当にびっくりしながら、感謝を述べます。
「フサキ、ヤベー!あのワックス、マジでよく滑るな。驚いたよ。ありがとうー!」って。

そう、このペーストは、一日は持たないワックスだけど、大事な朝2時間とか、凄い威力を発揮するのです。

もちろん、マツモトワックスだけでなく、どこのメーカーさんでもこのようなワックスを出しているので、ぜひご利用ください。

最後に改めてスーパー大事なことを伝えます。
それは、メンテナンスよりも勝ることはない!ということです。

意味は、常にボードをクリーンに保ちましょう、ということです。
イコール、スクレーパーを使ってスクレイピングすることです。

みなさん、ワクシングする時、最後に必ずスクレイピングしますよね?
あの作業が、本当に大事ということです。

例えば、ワクシング前に、滑走面でよく使う両脇の部分、そこにただ単にスクレイピングするだけでも良いです。

春になると、滑走面が汚くなったりするけど、そんな時にはリムーバーをちょっとかけて、このスクレイピングをしましょう。
すると、驚くほど滑走性能が上がります。

ワクシングというのは、板を滑らすようなコンディション作りすることだけど、それ以上に滑走面をきれいに保つこと。それが大事だと思います。

そこ、みなさんあまり知らないポイントなので、気を配るようにしてみてください。
ワクシングすれば、自然に走る板になりますが、同時に滑走面をきれいにしているわけですね。
それが、滑走効果を上げることになっているのです。

だから、春になって板が汚れる時なんかは、ただ単にワックスを使わずに、
滑走面をきれいにするだけでも滑走性能が上がるわけです。

ということを考えると、スクレーパーを常に紙やすりなど使って、しっかりとスクレイプするようにしておくことが、大事です。

まとめ

1)あなたの好きなワックスメーカーを見つけて!そのメーカーの商品(ワックス)の適正を把握しましょう。
2)なるべく小まめにワクシングしましょう。質以上に数が大事なのがワクシング。いろいろな温度帯のワックスを使って、
滑る滑走面を作りましょう。
3)滑走面をクリーンに保つことが大事。スクレイプするだけでも、滑走性能を上げる方法です。

人気ワックスメーカーのご紹介!

ガリウムワックス

おそらく国内のスノーボーダーで最も人気が高く認知度も高いメーカー。
オリンピックに行く選手も愛用していることで知られている。
大きな特徴は、なんと言っても名前にもあるようにガリウムが入っていること。

ガリウムは融点が低いため、常温でも伸展性がありよく延びると。
また、微粒子であるため付着力が強く、ワックス効果を長持ちさせると言われている。

イメージからがグリーンなので、パッケージに緑があったらガリウムの可能性が高い。気になる方は、ぜひショップなどで探してみよう!

マツモトワックス

名前の通り、松本さんが作っているワックス。
ユニークなデザインは、デビューしてから瞬く間に人気となりスノーボーダーたちに浸透した。
イメージとは裏腹に、真剣に良いワックスを作っているメーカーだ。
イエローがイメージ・カラーで、ショップでもよく目につく。

ベースワックスとして知られるANT BBは、元々ベースワックスだったが、塗りやすくそれ自体がよく滑ると評判。Lサイズはお買い得で、これさえあれば、サンデースノーボーディングの方なら、1シーズン無敵!
近年、さらにコアに雪山に攻めるBLACK LINEシリーズも評判が高い。
僕も愛用しています!

JAM’S WAX

工場長が1つ1つ丁寧に作っているというオールハンドメイドJAM’S WAX。
ホットワクシングしていると、独特な匂いがするけど、なんとこちらのワックスは、お菓子のような良い香りがする。
DMKのマイルン動画でもお馴染みのマイちゃん愛用。
パッケージのキャラも可愛いよ!

その他スキーワックスも優秀です!

なんとなくスノーボードのイメージが強いワックス・メーカーを3つ紹介したけど、当然、スキーとスノーボードのワックスの境界線はなく、スキー用として名の知れているワックスでも、よく滑ります!
だから、スノーボードショップでなくても、スキーショップで購入するワックスもOKです!
大切なことは、そのワックスを知ることなので、ぜひあなたもファンなワックス・メーカーを選んでワクシングを楽しみましょう!
滑る板は気持ちいいし、ワクシングすることで愛着もより一層湧くことでしょう。

飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴35シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWingでは、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、レッスンも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!
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