
世界最高峰の招待大会、冬季Xゲームが米コロラド州・アスペンで開幕し、スノーボード女子ハーフパイプでは日本の16歳コンビが圧巻の存在感を放った。ミラノ・コルティナ冬季五輪代表の清水さらが95.33点で初優勝を果たし、工藤璃星が92.00点で2位に続くワンツーフィニッシュ。五輪本番を目前に控えた前哨戦で、日本勢が大仕事を成し遂げた。
清水は昨年3月の世界選手権で2位に入るも、その後は負傷が続き、今月のワールドカップ第5戦で約10カ月ぶりに実戦復帰したばかりであった。完全復活と成長を印象づけたのが、2回目のランである。女子では最高難度とされるフロントサイド・ダブルコーク1080トラックドライバー(グラブ)を一発目にクリーンに決め、その後も540やハーフコンフリップなどを織り交ぜながらルーティンを整え、最後にはバックサイド900まで成功させる見事な滑りを披露した。フィニッシュ後にはガッツポーズを見せ、喜びと手応えをあらわにした。
(※フロントサイド・ダブルコーク1080とは、空中で体を前後に傾けた軸で2回転させつつ横にも回転し、合計1080度(3回転)を行う女子ハーフパイプ屈指の超難度技である。トラックドライバーとは、両手でつま先側とかかと側をつかむグラブのことで、その姿がトラック運転手の操作姿に似ていることから名付けられた。女子でこの大技を成功させたのは、クロエ・キム、マディ・マストロに続く3人目である。)
このルーティンで清水はトップに浮上した。工藤が同じ2回目のランで92点をマークし一時首位に立っていたが、それを上回る完成度と難度で逆転した。最終3回目ではスコアを伸ばせなかったものの、そのまま首位を守り切った。工藤のラスト3本目ではフロントサイド900、バックサイド900、さらにフロントサイド1080を決めたものの、高さがやや足りなかったのか、92.66点にとどまった。しかし、一発目の大きなエアートゥフェイキーからスイッチ着地を挟むルーティン構成など、まるでベテランライダーのような組み立てで、スタイリッシュかつ高いレベルを披露した。
日本勢では、まさかの3人の16歳が揃って大暴れした。清水さらが初優勝、工藤璃星が2位に入ったほか、22年北京五輪銅メダリストの冨田せなが4位、大橋空奈も16歳ながら5位と健闘し、若き日本人ライダーの勢いを世界に印象づけた。
今大会は、五輪2大会連続金メダリストのクロエ・キム(米国)が肩関節唇断裂のリハビリ中で不参加。さらに今季ワールドカップで3連勝中の崔ガオン(韓国)もエントリーしておらず、世界のトップ・オブ・トップが顔をそろえる形とはならなかった。それでも、五輪前最後の大舞台で日本の若きエースたちが結果と内容の両面で示した価値は大きい。加えて、今回彼女たちが決めたルーティーンは、仮にキムや崔が出場していたとしても十分に勝負できる完成度であった。
滋賀県大津市出身の清水は、工藤や大橋と同学年で、小学生時代から切磋琢磨しながら成長してきた。ワールドカップには昨季デビューし、早くも初優勝を経験。その後の故障を乗り越えてつかんだXゲーム初制覇は、ミラノ・コルチナ五輪へ向けた大きな弾みとなった。
五輪本番では、クロエ・キムや崔ガオンといった世界最強クラスとの直接対決が待つ。その舞台を前に、日本の16歳コンビが示した現在地は、確実に世界の頂点を見据えるレベルにある。
Monster Energy Women’s Snowboard SuperPipe Final Results
| Rank | Athlete | Medal | Run 1 | Run 2 | Run 3 | Best |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Sara Shimizu | 82.00 | 95.33 | 66.33 | 95.33 | |
| 2 | Rise Kudo | 85.66 | 92.00 | 92.66 | 92.66 | |
| 3 | Queralt Castellet | 88.33 | 34.33 | 88.33 | 88.33 | |
| 4 | Sena Tomita | – | 83.00 | 17.66 | 17.66 | 83 |
| 5 | Sorana Ohashi | – | 81.00 | 29.00 | 6.33 | 81 |
| 6 | Isabelle Loetscher | – | 72.00 | 36.00 | 32.00 | 72 |
| 7 | Kinsley White | – | 61.00 | 60.33 | 10.00 | 61 |
| 8 | Rochelle Weinberg | – | 55.00 | 50.00 | 16.33 | 55 |

