今季W杯ハーフパイプ最終戦で小野光希が有終の美!

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ハーフパイプ最終戦(5戦目)が、現地時間午後7時にカナダのカルガリーで開催!
日本勢は出場した男女7名の選手がすべて決勝に進んだ展開で、男子ではスロープ、ビッグエアとの二刀流のヴァレンティノ・グセリ(オーストラリア)がハーフパイプで嬉しい初優勝。女子では大会始まる時点でのシーズン王者トップスコアを証明するイエロービブで出場した小野光希が、高さあるダイナミックなルーティーンで優勝した。これで今季3Vという圧倒的な成績を収めることに成功した。しかもクリスタルグローバルは通算2度の快挙だ!!

(2本目Vラン。フロンサイド900テール→バックサイド540ウェドル→フロントサイド720インディ→キャブ900メラン)

北京五輪の金メダリストで今季のX Games王者のクロエ・キムは出場せず。現在ハーフパイプ界でトップと言われている平野歩夢とスコッティ・ジェームスは出場しなかった。やや主役を欠くことになった今季最後のHPファイナルマッチだが、出場する選手たちは是が非でもWカップポイント(FISポイント)を稼ぎ、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックへ向かて出場に近づけたい。

決勝は男女共に3本滑れてベストランが採用。
通常よりパイプの長さ、サイズが小さいか。女子では、多くの選手が5ヒット繰り出したが、女子では小野が4ヒット。男子では多くの選手が5ヒットを出すのが難しく、多くの選手が4ヒット・トリックの展開となった。

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小野光希は1080を出さないものの2つの900と何より女子では最も高いエアを繰り出し、1本目からジャッジに強くアピールするランを見せて88.25ポイントというハイスコア。
さらに2本目にはチャージし、高いスコア90ポイントを獲得し、すでに優勝を収めた展開に。
この後、3本目にマディ・マストロ(アメリカ)が、ダブルクリップラーを決めて、小野の牙城に迫ったが、2位上昇までに留まった。
こうなれば、あとは小野の1080への期待が高まる。あとは己への挑戦だ。近い将来、クロエ・キムを破ってオリンピックで金メダルを獲得するにはなんとしても1080が必要だ。
優勝が決まっていたため、流すこともできたが、やはり小野はさらなる高みへ挑戦した。フロントサイド900テールから入り、2ヒット目はバックサイド540を決め、ここまで抜群の高さあるルーティーン。しかし、3ヒット目にフロントサイド720を狙ったのか、1回転半回ったところで、まさか!そのまま転倒…。高さがあるだけに衝撃が大きく、そのまま動けなくなってしまった。大きな怪我を背負ってしまったのか、心配される事態に。この後、気丈にも立ち、仲間の助けを受けてゴールを切った。
すでにこの時点で今大会の優勝、さらにはシーズン王者を証明するクリスタルクラウンとなった。おめでとう!だけど、怪我が心配だ。表彰シーンでは2位のマディに助けを受けながらゆっくりとビクトリー台に歩み寄り、最後はしっかりとシャンペンをぶち巻いて喜びを観衆と共に分かち合った。

女子2位は、ラスト3本目の最後のヒットでダブルクリップラーを決めたマディ・マストロ。一発目のヒットで放ったショーン・ホワイトばりのフロント5も光ったランだった。

そして3位はコンスタントのクリーンルーティーンを披露した冨田せな。一発目にフロントサイド1080のメイク度が高く、現在の女子では、最も難易度が高いトリックだ。その後もクリーンに決めたが、やや高さがなかったが、得点は87ポイントで2位に留まり3位となった。

(今季、女子のハーフパイプ・シーンを最も盛り上げてくれた立役者の小野光希が有終の美を飾った!)

予選1位通過のヴァレンティノ・グセリ(オーストラリア)が、1本目も高いトリックとダイナミックなランでトップに立った。
そのルーティーン内容は、一発目にどデカいスイッチ・バックサイド・インディから入り、キャブ1080、フロントサイド1260、バックサイド900、フロントサイド1440テールグラブで、89.25ポイントでトップに立った。
2本目はさらに同ルーティーンをクリーンに決め91.50ポイントでほぼ1位を確保する展開。

このハイスコアを上前るよう日の丸飛行隊がチャージを賭ける。平野海祝を初め、各日本人選手が、自身の最高のルーティーンを目指して、玉砕覚悟にチャレンジすることになった。

すでに海祝は、ラスト3本目で決勝進出者の中でラストスコアであったが、「なら」と思いきや得点度返しの一発目から超・超どデカいメソッドを放ち観衆を沸かす。結局、このランは3ヒット目で転倒し、スコアを伸ばすことができなかったが、兄の歩夢と同様に、自身の最高ランを目指し姿勢はカッコ良く映った。あと、やや気がかりな点は、観客を沸かすパフォーマンスを見せながら、FISのジャッジではなかなか海祝の得点は思ったよりも伸びないところ。X Gamesのジャッジの方が、評価が高いにように思った。あくまでも記者の個人的な見解だが。

平野流佳(21)は、1本目のファーストヒットで高いスイッチバックサイド1080から入り、さらにバックサイド1260、3発目のフロントサイド1440でやや着地が乱れるも最後はキャブ1080をクリーンに締めて見せた。
流佳は、バレンティノをスコアを上回るために、2本目、そして3本目もチャージを賭けるも、残念ながら着地で嫌われ万事休す。1本目で出したスコア88.25ポイントで2位となった。

しかし、この結果を受けて今季コンスタントに結果を残した平野流佳がシーズン王者に決定!!
ちなみに2位は、今大会で優勝したバレンティノ・グセリ、さらに同じくオーストラリア出身のスコッティ・ジェームスがシーズン3位となった。

ラスト3本目、始まる前では重野秀一郎(18)は、表彰台を確保する3位になっていたが、3本目で韓国のジオに抜かされてしまった。ラストワンは何を繰り出せるのか!
フロントサイド1440→キャブ・ダブルコーク1080→フロントサイド1260→バックサイド1260→フロントサイド1440。
2つの1440を織り交ぜたルーティーンで、86.75ポイントを獲得!これで逆転となる3位を決めた。シーソーゲームがスリリングな展開に観衆は沸いた。

3本目終わった時点で戸塚、平野もグセリに迫るべきチャージをするとランは決まらず、そのまま勝者は決定!最後のグセリは観衆を沸かすハイエア協奏曲でHP最終戦を締めてくれた。

W杯ハーフパイプ5戦目ファイナル結果

男子
1位 ヴァレンティノ・グセリ(オーストラリア)
2位 平野 流佳(日本)
3位 重野 秀一郎(日本)
5位 戸塚 優斗(日本)
10位 平野 海祝(日本

女子
1位 小野 光希(日本)
2位 マディ・マストロ(アメリカ)
3位 冨田 せな(日本)
7位 冨田 るき(日本)

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