ジョージアのバクリアニで開催されているスノーボードの世界選手権で、またしても彗星が現れた!
ハーフパイプを制したのは韓国からやって来た彗星、李チェウン(16歳)だ。
奇しくも先日、平野歩夢がアメリカのプロ戦、DEW TOURで見せた同じフロント1440からキャブ1440で見事に世界チャンピオンとなった。
韓国からやって来た彗星が、とんでもない大仕事をするのはラスト3本目だった。この時点では、まだ銅メダルのポジションにいたが、李チェウンは最後の勝負に出た。
フロントサイドダブルコーク1440でスタートした李は、そのままスイッチスタンスでキャブ1440をメイク。さらにフロントサイドダブル1260インディ、バックサイドダブルコーク1260インディ、そしてフロントサイド900メランコリーで締めくくった。その瞬間、新たな歴史が生まれた。
李チェウンは、男子でスノーボード世界選手権史上最も若い王者となり、韓国では全種目の史上初の世界王者になった。おそらく、韓国でもこのニュースは大々的に取り上げられて、李チェウン旋風が巻き起こっているに違いない。
一方、期待された日本勢は、今季W杯リーダーの平野流佳が87.50点で日本勢最高の4位、前回優勝の戸塚優斗は6位に終わった。戸塚は予選では1位通過していただけに、この結果は残念。
また、平野海祝は7位、重野秀一郎は10位となり、全4人の選手が決勝へ行き、表彰台を狙いに行ったサムライ戦士は悔しい世界選手権となった。
男子ハーフパイプ結果
1 李チェウン(韓国)
2 バレティーノ・グセリ(オーストラリア)
3 ヤン・シエラー(スイス)
4 平野流佳
6 戸塚優斗
7 平野海祝
10 重野秀一郎
女子では今季絶好調だった小野光希(18歳)が83.00点をマークして銅メダルを獲得した。冨田るきは4位。
優勝は中国のベテラン、蔡雪桐(29歳)で90.50点をマークして3度目の優勝を果たした。
小野は、決勝3本ラン中の2本目で、キャブ720ウェドル→フロントサイド540テール→バックサイド540ウェドル→フロントサイド720インディ→キャブ900を決めて83ポイントを獲得。このランで銅メダルを決めた。
W杯を勝っている時の小野は、2発目のヒットでフロントサイド900まで決めたので、そのへんでより上位に行けなかった要因。
DEW TOURで優勝した韓国のチェ・カオン(14歳)(※今回は年齢の関係もあり出場せず)は、2つの900に加えて、さらにフロントサイド1080までメイクしているので、今後、オリンピックへ向けてより上位に狙うには、より一層の回転数が求められて来そうだ。
優勝した蔡雪桐は、フロントサイド900のタックニーか、バックサイド540ウェドル、エアートゥフェイキー、スイッチフロントサイド720テール、そして超スタイリッシュなアーリウープバックサイドロデオ540で締めくくった。全体的な回転数としては驚くものではないと思うが、何しろエアーの高さがダイナミック。そのへんがジャッジから高い評価を受け、90.50ポイントでレジェンド女子に新たな栄冠となった。
女子ハーフパイプ結果
1 蔡雪桐(中国)
2 エリザベス・ホスキング(カナダ)
3 小野光希
4 冨田るき