
「気持ちE感覚!スノーボード HOW TO カービングターン」を読んで、カービングのコツはわかったんですけど、板がバタつく理由はどうしてでしょうか?
また、カービングの時に沈み込むことができません。なぜでしょうか??
実際に滑りを拝見していないので確実なアドバイスは難しいですが、想像できる範囲内でお答えいたします。
斜滑降からJターンで足首、ヒザの曲げを確かめよう!
まずカービングの沈み込みに関して。
ターン中にうまく沈み込みができないようですが、まずは単調な動きの斜滑降から練習しましょう。そして、さらに斜滑降からフォールライン(谷側)に進む時間を長くするようにして、徐々にJターンにしていきましょう。
イラストに表すと以下のようになります。
①最初は斜面は横切るように斜滑降します。ここでしっかりと沈み込み(=ヒザや足首が曲げられる)ができるか確認しましょう。
②次はさらにフォールライン側へ板を進ませ、もっとスピードを付けるようにします。
③さらにJのようなターン弧ができるように板を走らせるようにしましょう。これがJターンと呼ばれます。(以下、動画も参考にしてください。)
※以上の一連の練習は、後ろから来るスキーヤー、スノーボーダーと衝突しやすいので、よく周りを見て練習するようにしましょう!
斜滑降、Jターンは、カカト側&つま先側、両方共に練習します。
イラストでは片方だけを表しましたが、交互にカカト側からつま先側を行うと良いでしょう。
以上の練習で、カービングターンに必要なターン後半の動きを取得することができます。
ターン切り換えを早くしてきれいなターン弧を画描こう!
板のバタつく原因を想像してみたのですが、おそらくターンの切り換えが遅くなっていて、ターン後半に急激に負荷が掛かってしまったのではないか、と思われます。
これは、多くの方に見られる症状なので、以下くわしく説明していきましょう。
ターンの正しい切り換えるところは、コースのど真ん中と考えてみてください。
イメージとしては、まずゲレンデの上に立ち、コースを見下ろして、ざっと半分に折ってみます。まるで以下の写真のように。
以上の×している中央のところが、切り換え部分です。つま先からカカトへ、カカトからつま先へのトランジション(=切り換え)ポイントなんです。
ですが、多くの方は遅くなってしまう傾向があります。
以上の赤点のようなところで板を切り換えようとしている方は結構多く、ご質問者様もそのようなケースが考えられます。
コースの真ん中ではなく、端の方で切り換えようとすると、急激な重力負荷が掛かり、板がバタつきます。本来だったら、板はきれいなターン弧を描こうと走りたがっているのに、滑走する人が急激に方向付けをした結果、板が悲鳴をあげているのです。当然、脚の筋力への負荷も掛かるので、不必要な疲れも生じます。
ターン前半からカービングできないと正しいターン弧は描けない
そもそも正しいポイントで切り換えをすることは、谷側でエッジングすることなるので、この感覚に慣れない方は怖いことなんです。
ただ、谷側にエッジングしているからと言って不安定なわけではありません。
しっかりとターンの後半に板を走らせていれば、板は先に紹介したようなきれいなターン弧を描き続けてくれるので谷側エッジを実現させてくれます。
しかし、初心者時代のように板がズレていれば、板の進むエネルギーは谷側エッジしたトタンに転びます。これが初心者時代に嫌というほど味わった「逆エッジ」というやつです。
そうカービングターンの場合は、あえて逆エッジをしているのですが、力が斜面に対して真横の方向に進んでいるので、転ぶことはなくカービングターンさせてくれます。
個人的には、このターン前半の谷エッジ部分が一番気持ち良い!と思っています。だから、慣れてくれば僕と同じような感覚を抱いてくれると思います。
このへんのターン前半のことは、質問者様がお読みになったカービングハウツーのトランジションのところでも説明しているので、ぜひ改めてチェックしてみてください。
それでは、またみなさんのご質問お待ちしていまーす!
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飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴30シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWing誌では、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、シーズン中に一回は日本へ帰国しコーチングも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、今なお世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!