もう1つの冬季オリンピック!?『FIS Games 2028』

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オリンピックのスノーボード種目を管轄するFIS(国際スキー・スノーボード連盟)は、4年に一度だけ開催されるもう1つの冬季オリンピックとも解釈される『FIS Games 2028』の計画を発表した。

現在、冬季オリンピックで開催されているスキー、スノーボード種目以外にも違った種目も加わることを伝えている。
スノーボードの場合、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエア、スノーボードクロス、男女混合スノーボードクロス、パラレルジャイアンスラロームがすでに五輪競技に入っているが、FIS Games 2028には新たなフリースタイル種目やアルパイン種目も加わるのかもしれない。

FISは以下のようにFIS Gamesについて伝えている。

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「FIS Games(FISゲーム)は、すべてのスノースポーツイベントの中で最も偉大なものであり、FISファミリーがかつてないほど一堂に会する画期的な祭典となる予定です。16日間にわたって開催されるこの大会は、オリンピック競技と非オリンピック競技、そしてもちろんパラ・スノー・スポーツを含む、スノー・スポーツのあらゆる才能を表現します。アルペンからフリースタイル、フリースキー、スノーボード、ノルディック、テレマーク、スピードスキー、フリーライドまで、世界最高のアスリートたちが、世界中の観客の前でその才能を披露します。」

https://www.fis-ski.com/en/international-ski-federation/news-multimedia/news-2022/fis-games-2028-the-chance-to-make-history

2028年と言えば、ちょうど冬季オリンピックの中間イヤーにあたり、夏季オリンピックと同年となっている。2028年にはアメリカのロサンゼルスで32年ぶりにオリンピックが開催されるので、もしFIS Gamesが決まるとなれば、その年はスポーツの祭典になりそうだ。

ただここで感がいい読者の方は、すでに何かきな臭い印象を拭えないだろう。
というのも、スノーボードのオリンピック種目が決まった背景には、ほろ苦い思い出がある。
IOCオリンピック委員会は、当時あったスノーボード協会を無視するような形で、強引にFISへスノーボード種目の管轄を決めてしまったのだ。
そのため多くの反感を買い、当時、最も優れたスノーボード選手であったテリエ・ハーコンセンが参加拒否に至る。

ようはスノーボードという若者に人気あるスポーツを取り込みたかったという思惑が先行した形で、お金になるので取り入れたという面がひじょうに強い印象だ。だから、今回のFIS Gamesも、何かそれと同じような匂いを感じるのである。

ちなみにこのFIS Gamesの件をいち早く伝えたメディアは、アメリカのNBC Sportsだ。

そう、アメリカのオリンピック放送ネットワークである。オリンピックに対して、最もお金を出している放送局で、NBCは2032年まで五輪放映権、7800億円で延長していることで知られている。

この先、FIS Gamesの開催が決まり、その放映でもNBCが始動して放送時間を決めることになれば、このきな臭いストーリーは完結!?
オリンピックという祭典は、NBCにとって安定的な視聴率が取れるドル箱イベントで、コロナも空けた2028年にはロサンゼルス五輪とFISゲームで大儲けを目論んでいると勘繰りたくなる。

まあ、スノーボード界から見れば、世間がさらにスノーボードに注目してくれるという意味で、ありがたいわけだけど…、我々は冷静に判断していく必要がありそうだ。

ちなみに先に紹介したFISのリリースには、以下のような計画も伝えている。

「FIS競技大会の野望は大きい。4年周期で開催されるこの待望の大会は、1つの地域が主催することもあれば、複数の主催者がさまざまな場所で開催することもあり、さらには国境を越えることもあります。盛大な開会式に続いて、素晴らしいプログラムと最高水準の閉会式が行われます。その目的は、観客とアスリートが会場で爽快な体験をし、エキサイティングで豊かな来場者向けイベントプログラムを作成することです。また、より広い世界に向けては、革新的で最先端のテレビ視聴体験を提供することで、すべてのファンが座席の端に座っていることになるでしょう。」

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