「スノーボード・ギアの間違いない!」選び方

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「スノーボード・ギアの間違いない!」選び方ってあるのだろうか?

結論から伝えよう。
その方法とは、長年、多くのスノーボーダーに愛されて来た人気モデルを選ぶことだ。
スノーボーダーなら誰でも聞いたことがあるであろう。
何年も継続され売られているあのモデルだ。

以下、さらに深堀り解説!!

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スノーボードのギアに限ったことではないが、どんな商品でも何年に渡り愛され続けるためには、「ひじょうに優れた良品!」という理由背景があるものだ。

トヨタのプリウス、アディダスのケースイスみたいに。
車なら「あれ!」、スニーカーなら「あれ!」
って、誰もが思う浮かぶものがあると思う。

個人的には、良書も古いほど「間違いない」と思う。

僕は、本を読むのが好きで、日本に帰った時には書店で一日過ごすことがある。
その場所にいるだけで幸せになり、買い物カゴを持ちながら、購入する本を積み重ねていくのは楽しい。
そんな時、必ず手に取る一冊は、古くから多くの人に愛され続けている本だ。

特に20年ほど前に発売されたビジネス書で、今でも読まれている本はひじょうに参考になることが多い。
さすが、様々な時代を通過して生き残って来ただけあって、読み応え十分。

それと同じように、スノーボードのギアにも長年に渡り愛され続けているモデルがあるのだ。

1996から24年間も愛され続けているカスタム。画像は20周年記念でリリースされたもの。

スノーボードのトップ・メーカーであるバートンで思い出すのが、Custom(カスタム)だ。
1996年から多くのスノーボーダーに支持され、今でも平野歩夢というスーパースターにも愛されている。
ツインに近いディレクショナル形状で、ウッド心材で癖がない。パイプからオールトレインなど、「なんでも来い!」というタイプのモデル。

バートンにはボード以外にもブーツでIONやRuler、またビンディングでCartelなど長年愛され続けられているモデルが多い。

国内メーカーに目を向けてみれば、オガサカの板、FCは1997/98シーズンからあり、今でも多くのスノーボーダーたちに支持を受けている。特にカービング愛好家に評判が高い板だ。昨今、ドメスティックメーカーのブームだが、その立役者と言ってもいいだろう。

今なおカービング愛好家を魅了するFC。オガサカの原点アルペンをイメージさせるシェイプ。

NOVEMBERでは、ARTISTE。
このモデルは、2002年にAT(アット)という名で始まっている。現在でも「凄く乗りやすい!」と高い評判で、レベルに関係なく愛好者が多い板だ。

今回このコラムを執筆するにあたり、オガサカ系の板の販売業務をする加藤高正さん(元プロ・スノーボーダーとして活躍)に、確かな年数を調べたもらったのだが、SCOOTERの人気モデル、DAYLIFEに関しては、1996年から24年間も売られ続けているというから驚きだ。「気持ち良いフリーランができる!」という高い評判の板。
当初は、曽根和広のシグネチャーモデルとして人気を博し、今に至っている。

ちなみに以下の写真は、加藤さんがまだ新人ライダー時代に自分が撮影したもの。その当時からDAYLIFEを使用している。
なんと、22年も前に撮られたものだ。当時、スノーイングという専門誌のアップカマーのコーナーで紹介された。

もちろん一年目の新しいモデルでも、良いギアはある。
ただ、一般的に情報が少ないスノーボーダーにとって、本当に良いものかどうか、ということはなかなか難しい判別ではないだろうか。

良いボードを見極める方法として、最も最良な方法に事前に試乗するデモボードのイベントがある。
しかし、2つの点で疑問がある。

1つは、デモを行うイベント時期が、3月のシャバ雪のコンディションである時期が多いこと。結果、シーズンピーク時の良質の雪やハードパックのコンディションを味わえないケースが出る。

もう1つは、最初に乗った感覚と、何日も使用していく内の感覚が変わることだ。

例えば、最初は「扱い難いなあ」と思われていたボードでも、使っている内に馴染んで来て調子が良くなるものだってある。

僕が使用するカナダのハンドメイドの板、Hightide Mfgも最初このような頑固さを感じた。
グラトリしても軽やかさがなく、重たい感じ。
でも、次第に慣れて来て、気づけば2シーズン、おそらく200日は同じボードで滑って来たのだ。
慣れたらその頑固さは、ヒールサイドでのサイドヒッツでの確かなエッジングの粘り強さとなり、愛機となったのである。

ブーツに関しても、使っていくうちに馴染んでいくタイプも多い。
逆にショップで履いた時には調子良かったのに、すぐにルーミー(緩く)に感じて調子が悪くなかったというブーツもあるものだ。

そんなわけで、間違いないギア選びというのは、長年に渡り愛され続けて来たモデルという考えに至るのだ。

もし、こうした人気モデルを使用して調子悪かったら、疑うべきは、「自分の技量」か「サイズ選びのミスティク」だろう。
人気モデルは、すでにどんな特徴があるか、情報も豊富にある。おそらくグーグル先生に「〇〇(板のモデル名)、評判」と打てば、たくさんの情報を出してくれるだろう。

そして、どんなライディングに適しているのか、ということも教えてくれる。
例えば、この板は「カービングがやたらにいい!」とか、「オールラウンドに調子いい!」など。
他には、「パウダーにいい!」とか、「グラトリに最適!」というのもある。

ところが、いざ自分が使ってみて、しっくり来ないなら、まずは自分を疑うしかない。
なぜなら、その板はおそらく20年以上もの間、〇〇に最適なボードとして、スノーボーダーに支持され続けて来たからだ。

何度も言うが、このことは新しいモデルが、不安定ということではない。
各メーカー、死力を尽くして誕生させた新モデル、良いギアをリリースしている。新しいモデルが、未来のスノーボードの方向付けにも挑戦してくれている。

だけど、「確実に!」というなら、長年愛されているモデルだろう、という話である。
よかったらご参考に!

飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴35シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWingでは、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、レッスンも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!
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