スキー場リフト恐怖の逆走にあなたならどう備える?

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スキー、スノーボードの仕事に携わる方なら、一度はこんな恐怖のストーリーを想像したことがあるのでは?
リフトが止まって動かなくなる…、あるいはリフト、ゴンドラの落下…など。
シーズンを通して、100日以上も雪山に上がるスキー場関係者なら、いつかこうした恐怖が過ったのではないだろうか。

たまたまなんだけど、ユーチューブを見ていたら、『韓国のスキー場でリフト逆回転』というのがポップアップされて出て来た。
この恐怖の光景、「他人事ではないな」と思った。というのも、記者が普段滑るウィスラーでも、昨シーズンに1メートルほどだったが、逆走したのだ。
たった1メートルなので、どってことはないのだが、ひじょうに怖かった。
そしてその時に思ったものだ。もしリフトが逆走していたら、どうしたらいいのだろう?と…。

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もしも、このようにリフトが故障し逆走してしまったら、まずは板を外すことが賢明だろう。バインディングを外し、下に人がいないかしっかりと確認してから板を投げる。韓国の例を見ての通り、リフト乗り場は大パニック状態だ。もしかしたら大きな怪我人も出てるような状況になっているかもしれない。その場から逃れるためにも、地面の高さから2メートルほどまでのところに来たら、勇気をもって飛び降りる。おそらく、これでまあまあの確率で怪我を防ぐことができるだろう。

こうしたリフトが逆走してしまった怖い例は、過去には2022年の韓国以外でも、2018年ジョージアでも起こっている。以下、リンク参考。

https://jp.reuters.com/video/watch/idRCV004P4P

見ての通り、かなり高速で逆走。まあ、自分のこれからのスノーボード人生でも絶対に起こらないだろうが、一応、万が一のために「もしもそうなったら?」ということは、イメージしておきたい。

ちなみに記者は、1990-1991シーズンからウィスラーで滑っているが、最初のシーズン、今で言うエメラルドチェア(※当時はグリーンチェアと呼ばれていた)で、止まってしまったことがあった。あの時、1時間とか2時間くらい待たされたであろうか。結局、リフトを動かせなくて、レスキュー隊のような方が来て、下ろしてもらった。その方法がとても怖かった。リフトの上部にフックを掛けて、そこからTバーのようなものを吊るし、一応安全ベルトのようなものを腰に回して、スルスルと高さ10メートルのとこから降ろされたのだ。あの時代、誰もスマートフォンも持っていなかったので、こうした映像は残っていないが、もし誰かがカメラを持っていたらちょっとしたショッキング映像、あるいは写真が残っていたと思う。
このリフト故障事故の時は、風もビュービューして寒い日だったので、かなりキツかった。

ウィスラーでは、リフトやゴンドラが止まるのは日常茶飯事でもあり、大抵20分以内には動き出す。まあ、多くのケースでは数分程度だ。
だが、2シーズン前の春、ブラッコムのジャージークリームというチェアが30分ほど止まってしまったことがあった。天気も良かったので、どってことがなかったようにも思えるが、あの時は謝罪として50ドルの商品券をいただいた。いっしょにリフトに乗っていた友人は、「ラッキー」と言っていたが、個人的には高いところが苦手なので、本当勘弁してもらいたいような心境だった。

こういうことを伝えると、「うわあ、スキー場って怖い」と思われてしまうかもしれないが、こうした事故というのは、ひじょうにレアでおそらく飛行機の事故確率と同じような、あるいはもっと安全なものだと思う。記者は、スノーボードを38シーズンも経験し、毎シーズン100日以上の滑走しているが、もちろん大きな事故に遭ったことはない。なので、みなさんも安心してスキー場に行ってほしい、と思う。ただリフトの逆走は、事前にしっかりと対応方法を考えておけば、怪我を防げるのではないか、ということで一応、伝えてみました。まあ、絶対に起こらないだろうけどね。

と、ここまで書いて、このコラムの執筆を止めようと思っていたけど、閉じる前にChatGPTなら、どのように回答するのか、気になったので聞いてみました。「リフトの安全バーを下げておく」とあるけど、当然、飛び降りる場合には、最後のところで上げておかないといけないですね。参考程度にチェックしてみてください。

ChatGPT回答:

もし、スキー場のリフトに乗っていて、逆走してしまった場合、どのように対応すればいいでしょうか。

スキー場のリフトで逆走してしまった場合は、以下の手順に従って対応することをおすすめします:

1 冷静になる: 驚いたりパニックになったりせず、冷静な状態を保ちましょう。焦らずに対応することが重要です。

2 スタッフに注意を喚起する: リフトのオペレーターや他のスキー場のスタッフに、逆走していることを知らせましょう。リフト上部や下部のスタッフが無線で連絡することがあります。

3 停止ボタンを探す: リフトの中には、緊急時にリフトを停止させるためのボタンが備えられていることがあります。周囲を探して停止ボタンがあれば押し、リフトを停止させましょう。

4 安全な降り方を探す: リフトが停止している場合は、周囲を注意深く観察して、安全に降りる方法を探しましょう。通常、リフトの下部には降りるためのプラットフォームがあります。スタッフの指示に従いながら、降りる際には注意して行動しましょう。

5 スタッフの指示に従う: スキー場のスタッフはこのような緊急事態に慣れていますので、彼らの指示に従って行動しましょう。スタッフが到着するまで、待機している間はリフトの安全バーを下ろしておくことも忘れずに。

6 アフターケアを受ける: 逆走事故は驚くことですので、身体的なショックや精神的なストレスがあるかもしれません。スキー場のスタッフに連絡し、必要な医療処置やカウンセリングの提供を受けることを検討してください。

スキー場では安全に楽しむことが大切ですが、万が一逆走してしまった場合でも、スタッフは迅速かつ適切に対応するための訓練を受けています。したがって、彼らの指示に従いながら冷静に行動することが最も重要です。

飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをしており、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Sandbox、Endeavor Snowboards等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。主な執筆書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書 』『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は38年。
スノーボード情報を伝える専門家として、2022年2月19日放送のTBSテレビの『新・情報7daysニュースキャスター』特集に、また2022年3月13日に公開された講談社FRIDAY日本が「スノーボードの強豪」になった意外な理由にも登場。
インスタ:https://www.instagram.com/fusakidmk/
ツイッター:https://twitter.com/dmksnowboard

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