
ミラノ・コルティナ2026オリンピック冬季大会、リヴィーニョで行われたスノーボードクロス男子は、アレッサンドロ・ハンメルレ(オーストリア)が金メダルを獲得。北京2022に続く連覇を達成した。
ビッグファイナルでは、エリオット・グロンディン(カナダ)との激しいデッドヒートを展開。最終ジャンプ後に完璧なタイミングでフィニッシュラインを駆け抜け、わずか0.03秒差で勝利をもぎ取った。北京大会でも両者は0.02秒差の接戦を演じており、まさに“再現”となる1-2フィニッシュとなった。
なお、今大会の男子スノーボードクロスには日本人選手の出場はなかった。
オーストリア勢が1-3フィニッシュ
銅メダルは同じくオーストリアのヤコブ・ドゥセック。9月に前十字靭帯(ACL)の部分断裂という大ケガを負い、雪上での準備期間のほとんどを失いながらも、驚異的な復活劇で表彰台に立った。4位には終盤までレースを引っ張ったエイダン・ショレ(フランス)が入った。
これでハンメルレは、セス・ウェスコット(アメリカ)、ピエール・ヴォルティエ(フランス)に続く、史上3人目のスノーボードクロス男子2度目の五輪金メダリストとなった。トリノ2006で種目が正式採用されて以来、頂点に立ったのはわずか3人のみ。その偉業に名を刻んだ形だ。
「五輪で金メダルを獲った後のプレッシャーはとても大きい。歴代王者が2つの金を持っている中で、自分もその仲間入りができて本当にうれしい。次に金メダルを獲る選手にも幸運を祈りたい。それほど大きな意味がある」とハンメルレは語った。
写真判定が続出する大接戦
この日のリヴィーニョは、まさに“スノーボードクロスらしい”スリリングな展開の連続だった。
予選、準々決勝、準決勝と、各ヒートで写真判定が相次ぎ、わずかなライン取りや接触の有無が勝敗を分けるシーンも多発。アメリカのネイサン・パレはレース中のライン取りが審議対象となり、最終的に4位へ降格するなど、判定も含めて緊張感のある一日となった。
44歳で5度目の五輪出場となったニック・バウムガートナー(アメリカ)が7位に入るなど、ベテランの奮闘も光った。

ビッグファイナルの攻防
決勝では、ショレが好スタートを決め、グロンディンが続く展開。ハンメルレはあえて後方でチャンスをうかがう“待ち”のレースを選択する。
最終ジャンプ手前で外側から一気に仕掛け、3人がほぼ横並びの状態で空中へ。完璧なタイミングで着地し、そのまま加速したハンメルレがトップでフィニッシュ。ドゥセックも終盤でショレをかわし、オーストリア勢1-3フィニッシュを完成させた。
ハンメルレの地元モンタフォンは、2027年FISスノーボード/フリースタイル/フリースキー世界選手権の開催地でもある。
「信じられない。どうやって勝てたのか分からないほど接戦だった。またエリオットと最高のレースができた。ビッグファイナルは本当に激しい戦いだったが、勝ててうれしい」
一方のグロンディンは、個人および混合団体を通じて五輪で銀2つ、銅1つを獲得。
「この4年間、このレースのことだけを考えてきた。生活も変え、より良いアスリートになるために努力してきた。今日は銀が最高の結果。でも悪くない」と語り、複雑な胸中を明かした。
ドゥセックは「子どもの頃から五輪でメダルを獲るのが夢だった。ここに立てて本当に幸せ」と喜びを爆発させた。
テレビ観戦でも盛り上がる人気種目
毎回のことながら、スノーボードクロスは“テレビで見ていて面白い種目”として評価が高い。
複数選手が同時に滑り、ジャンプやバンク、接触ギリギリの攻防が繰り広げられるレースは、展開が分かりやすく、最後まで勝敗が読めない。
今回も写真判定が続出するスリリングなレースとなり、その魅力を改めて世界に印象づける一日となった。
日本人選手の出場はなかったものの、オリンピックならではの緊張感とドラマが詰まった一戦。
スノーボードクロスという競技の醍醐味が凝縮されたレースだった。
スノーボード競技 メダル状況(2026年2月12日現在)
| 順位 | 国名 | 🥇 金 | 🥈 銀 | 🥉 銅 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 日本 | 2 | 1 | 0 | 3 |
| 2 | オーストリア | 2 | 1 | 1 | 4 |
| 3 | チェコ | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 4 | カナダ | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 5 | ニュージーランド | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 5 | 韓国 | 0 | 1 | 1 | 2 |
| 6 | イタリア | 0 | 0 | 1 | 1 |
| 6 | 中国 | 0 | 0 | 1 | 1 |
| 6 | ブルガリア | 0 | 0 | 1 | 1 |

