CK4 &Candy監督hossy(ホッシー)を祝福したように、久しぶりに雲ひとつない快晴に迎えられた。
泣いても笑っても今日が最後。これから迎える編集という大きな戦の前に、その武器を揃える最終仕上げの時間がやって来た。
最終兵器は加えられたのだろうか。
Text & Photo: Fusaki IIDA [email protected]
今日やって来たライダーは、CK4に参加するRYOKI(小川凌稀)、Candyを代表するライダーの一人、星野"Who"文香 、そしてニューカマーのみぃちゃんこと西村美里だ。
まずは、RYOKIの追い撮りでウォーミングアップ。RYOKIも心得たもので、一瞬の画である写真用のライディングでなく、動画コンテンツという流れの中でスタイルを表現できるトリックをこなしていった。
昨日からの撮影でだいぶ撮影素材が揃ったようで、hossyは早めに文香にフォーカスを移していく。
最初のジブ・ラインでRYOKIを撮影し、巨大キッカーでは文香という具合だ。
そのキッカーだが、また固い。春とは言えここのところ晴れても涼しく、ウェアが脱げないほど。素手で撮影していると手がかじかむぐらいだ。だから、結構ハードなバーン状態なのだが、そんな中でも、文香は果敢にアタック!!小手調べに、バックサイド360→フロントサイド360を決めていく。
次は、いきなりバックサイド720。これは残念ながら、着地が決まらず転倒。そのまま市場のマグロのように流される文香。このランでは、結局、自分が思うトリックは決まらなかったようだが、次のランに向かう前、さらに集中力を高める。誰も見てない木陰で、ひたすらイメトレを繰り返していた。
写真左、RYOKIのウィーミングアップ。あいかわらず1本目からエンジン全開! 右、最初のキッカーでご挨拶代わりのバック3をピタ着した文香。 |
これだけの大きなキッカー、多くのガールズ・ライダーなら恐怖感に襲われてもおかしくないが、文香はそれ以上に「メイクをしたい」、「画を残したい」という思いが強いのだろう。「怖い」よりも「決めたい」が勝っている。だから、多くのライダー仲間たちと楽しそうに、ノリノリ元気で交流し、テンションを高めていく。こうして気分を上げながら撮影に挑んでいるように見えた。
結局、この日、文香がどれだけのフッテージを残したのだろうか?答えは、ぜひ今秋リリースされるCandy新作『Hang Out』をチェックしてほしい。
Candy期待の新人みぃちゃんは、スタイリッシュにキッカーを攻めた。文香ほどの巨大キッカーではないが、中から上ぐらいサイズのキッカーでキャブ360ミュートを卒なくメイク。過激で華やかな雰囲気の文香に比べて、みぃちゃんは、一見地味だが無骨にスタイルを追求していくタイプのように見えた。極端な話、50-50を世界一カッコ良く決めれるガールズ・ライダーを目指している感じ(!?)。そんなみぃちゃんは、アッパーレールのアウトで、クールにバックサイド180も決めてくれた。
写真左)クールにキャブ3を決めてくれたみぃちゃん。 右、燦々に輝く太陽の下、ご機嫌モードで撮影をしたhossy。 |
ところで、CK4とCandyの両プロデューサーhossyは、2つのタイトルをどのように考えているのか。
元々、最初にスタートしたのは、CK4だ。ビデオマガジンという自由の発想の元、まだ見ぬアップカマーからトップ外国人ライダー、さらにはイベントなど広く自由な視点にスポットを当てて制作された作品だ。
そして、昨年ガールズ・スノーボード・ムービーとしてCandyを誕生させた。
Candyの方は、スノーボードのマーケットを考え、作品をDVDという形でリリースし、商売にしている。言わば、飯を喰う仕事である。もちろんそこには、ディレクターとしてクリエイティビティは発揮されるが、プロデューサーとしての売上にこだわっている仕事のように見えた。
人々が、ガールズ・ビデオにどんな期待を持っているのか、そんなことを真剣に考えながら作っている。
しかし、CK4は商売云々ではなく、hossyが純粋に楽しむ作品のようにも見えた。だから、以前、DVDでリリースされていたものをウェブサイドから無料でコンテンツをリリースする。そこには売らないといけない責任はないが、スノーボード界に楽しい動画をリリースしたいという思いがある。
そもそも今回、CK4撮影ターゲットとなったRYOKIとは、それこそ小6の頃から撮影している。だから、hossyはRYOKIの成長を楽しみながら、撮影していた。多少なりともスポンサー費用が入るのかもしれないが、僕がやっているDMKとの関係と似ているかもしれない、と思った。
hossy曰く「ゆるいモノ」という表現をしたCK4。束縛されずに、思うまま行くということなのかもしれない。その言葉は、hossyのもう一方に掛ける思いを垣間見るようでもあった。本気で売りたいCandyがある。そこではマーケットに合わせるプロの仕事が要求されるのだ。
Candy最新作では、これまでなかった新しい海外ティストが入った。カナダならではの壮大な景色、凄いパーク。そこに情熱をぶつけるガールズ・ライダーたちの戦う姿、そしてオフショットで見る彼女たちの普段の姿、本音のトークも。
『Hang Out』は、より多くの人に素敵な思いをさせてくれるのだろう。