北京オリンピック男子スロープスタイル結果!マックス・パロット金、イー・スーミン銀、マーク・マクモリス銅メダル

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北京オリンピック男子スロープスタイル結果速報!
金メダルを獲得したのは、2本目に90.96点を叩き出したマックス・パロット(カナダ)。銀メダルは地元の大きな期待を背負って挑んだ蘇 翊鳴(スー・イーミン)。そして銅メダルはなんと3大会連続で3位となったマーク・マクモリス。またしても金メダルの夢は見られなかった。

期待された日本勢は、三度目の正直でなんとか手を付きながらもランをまとめた濱田海人が8位。大塚健は5つのセクションまで完璧ながら、3度ともラストのグレイトジャンプで放ったキャブ・トリプルコーク1620が決まらず10位に終わった。

今大会は、オリンピックという舞台にふさわしい、レベルアップされた激しい戦いであった。
スロープスタイルは、8年前のソチ五輪から始まり、角野友基の活躍もあって、たちまち全国区で知れわたるような競技になった。あれから、日本勢は確実に力を付けてW杯でも常に上位に入り、今回の北京大会でもメダルを狙える選手が育って来た。しかし、またしても進化を止めないハイレベルな戦いを要求されるスロープスタイル・コンペティションの世界が、大きな壁となり立ちはだかった。

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ひじょうにほしいと思ったのは、大塚健が3回のランで3回共に5つ目のウェーブジャンプのセクションまでは制したことだ。もしも1回でもラストのキャブ1620が決まっていれば、もしかしたら表彰台に手が届いていたのかもしれない。しかし、北京に設置されたラストのグレイトジャンプ(※今回のアイテムの名称)は、健を着地で突き飛ばしてしまった。ラストの3つのジャンプは、どの選手も難易度が高い高回転の連続、そのリスクがグレイトジャンプで現れてしまうのだろう。今大会でもメダル候補の一人であったセバスチャン・トゥータントも最後のジャンプを決めることができずに、9位に沈んでいる。

メダル争いはスリリングで興味深い展開となった。
まず、最初に大きな花火を上げたのは、最終的に金メダルを獲得したマックス・パロットだ。
最初のダウンフラットダウンレールでハーフキャブでハードウェイフロントサイド270オンを決めると、2つ目のセクションではバックサイド360オンからプレッツェル180オフを決める。さらにジブセクション最後となる3セクション目は、キャブ270オンから810オフという離れ技を披露。勝負どころのジャンプ・セクションでは、最初にキャブ・トリプルコーク1620を放つが狙ったインディグラブができず。次にバックサイド・トリプルコーク1440を決めて、最後には、フロントサイド・トリプルコーク1620をメイクした。
気になるスコアは、なんと全選手を圧倒的に上回る90.96点だった。
正直、この時には、「えっ、こんなに出るのか!」と思ったけれど、後々、彼のジブルーティーンの難易度を考えると理解できるスコアである。

この後に、今大会で地元の大声援を受けた蘇 翊鳴(スー・イーミン)が登場するのだが、これがまた凄いトリックを繰り出した。キャブ・トリプルコーク1440からスイッチ・バックサイド1620、そして最後には今大会ではどの選手も見せていなかったバックサイド・クワッドコーク1800を放ったのである。全体のランでも非の打ち所がないほど完璧で力強く、このランの終わった後、ジャッジのスコアが出るまでおそらくトップに立つだろう、と思われた。しかし、出て来たスコアは、88.70点でマックスに2点以上及ばなかったのである。
ルーフでもひじょうにユニークなミラーフリップ540を見せてくれて、ひじょうにユニークでレベル高いランに見えた。しかし、ジャンプ・セクションだけではなく、しっかりとジブ・セクションでの評価を考慮したジャッジ陣は、マックスに軍配を上げたのだ。たしかに、よくよく振り返れば、マックスのジブ・セクションの方が上だったと思う。ただ、全体の完成度や最後のグレイトジャンプでクワッド、しかも1800まで回したというインパクトの高さが、蘇 翊鳴の方が上に行ったような錯覚があったのだ。

さらに、メダル争いでドラマがあった。
3本目の最後の方まで銅メダルのポジションにいた前五輪の金メダリスト、レッド・ジェラードのスコアを上回るランをマーク・マクモリスが決めたのだ。
ハーフキャブ・オンからハードウェイバックサイド270オン270オフ、スイッチバックサイド270オン、キャブ270オン450オフ!
さらにジャンプ・セクションに入ると、スイッチバックサイド・トリプルコーク1620、フロントサイド・トリプルコーク1440、バックサイド・トリプルコーク1620。最後のジャンプ3発は、16→14→16で金メダルのマックスと同じ。しかも、ジブセクションを含めて、完璧。まさに完璧なストンプでどこのセクションを切り取っても失敗が見当たらない完璧なランだったのだ。ゴールは切ったマークは、「どうだい!」と言わんばかりに、ボードを空中に放った。

この時点で、メダル獲得は見えたが、果たして出で来たスコアは…。
88.53点だった。
メダル圏内から外れたレッド。ジェラードが思わず頭を抱えた。

銀メダルの蘇 翊鳴とは、わずか0.17ポイント差でひじょうな接戦だった。
これでマーク・マクモリスは、なんとソチ五輪からの銅メダルが3度も続いたのである。

どの五輪でも金メダル候補とは言われたマーク・マクモリスだったが、またしでも銅メダル。今大会は今までの中でも最もハイレベルな戦い、おそらくスロープスタイル史上で一番レベルが高かった戦いで、その中でもメダルを獲り続ける実力は、大きなリスペクト!世界中のスノーボーダー・キッズたちが、マークを大好きな所以は、この強さにあるのだろう。

いやあ、ひじょうに見応えたっぷりな男子スロープスタイルだった。
4年後には、ぜひこの表彰台に日本人の姿があることを願いたい。


2022北京オリンピック男子スロープスタイル結果
金:マックス・パロット(カナダ)
銀:蘇 翊鳴(中国)
銅:マーク・マクモリス(カナダ)
4位:レッド・ジェラード(アメリカ)
5位:エミリアーノ・ラウジィ(イタリア)
6位:クリス・コーニング(アメリカ)
7位:モンス・ロイズランド(ノルウェー)
8位:濱田海人(日本)
9位:セバスチャン・トゥータント(カナダ)
10位:大塚健(日本)
11位:ストーレ・サンドベック(ノルウェー)
12位:ショーン・フィッツサイモンズ(アメリカ)
19位:飛田流輝(日本)
21位:國武大晃(日本)

以下、男子スロープスタイル結果詳細。
https://medias4.fis-ski.com/pdf/2022/SB/6066/2022SB6066RLF.pdf

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