オリンピック金メダリストである平野歩夢の夢が結実したトレーニング施設『村上スノーリサーチ&トレーニングセンター』が、彼の故郷である新潟県村上市に誕生した。
この施設は、スノーボードやスキーのハーフパイプ競技において世界初の試みであり、雪のない時期でも空中でのトリックを練習できる革新的なトレーニング施設である。これにより、選手たちは季節に左右されることなく、常にハーフパイプの技術向上に取り組むことができる環境が整備された。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックで2大会連続の金メダルを目指す歩夢にとって、大きなサポート施設でもある。スノーボード・スキー業界にとっても大きな飛躍をもたらすものであり、今後の競技力向上が大いに期待されている。
運営と管理は、歩夢の父、英功さんの会社が行うと言う。
施設の完成に際し、平野歩夢自身が初めて施設を使用し、見事なトリックを披露した。集まった観衆や関係者を大いに沸かせたのは、彼が世界初となる「フロントサイド・ダブルコーク1620」を成功させた瞬間だった。この技は、北京オリンピックで金メダルを獲得した際のパフォーマンスをさらに発展させたトリックであり、歩夢の技術力とその限りない可能性を改めて示すものとなった。
歩夢は施設の完成について、次のようにコメントしている。
「この場が世界一の練習環境になってくると思うので、自分のレベルアップ、成長につなげながら頑張っていきたい」
彼の言葉からも、この施設が自身のトレーニングにおいて極めて重要な役割を果たす場所となることがうかがえる。
また、この施設は、未来のオリンピックを目指す若いスノーボーダーやスキーヤーにとっても、飛躍的な成長の場となることが期待されている。歩夢が思い描いていた夢が具現化し、今後この場所から世界を目指す新たなアスリートが誕生することは、スノーボード・スキー界にとって大きな希望である。
現在、施設は試験運用中であり、再来年の春には段階的に利用者の拡大を図る予定である。この計画により、国内外からアスリートが集まり、最高の練習環境を提供する施設として世界的な注目を集めることになるだろう。村上市という地方都市にありながらも、世界レベルの施設を擁するこの場所は、今後ますます発展し、日本のみならず国際的なスノーボード・スキー業界に新たな潮流をもたらすに違いない。