W杯初戦で準優勝を果たした村瀬心椛の悔しかった理由

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JAPAN SNOWBOARD TEAMが、ワールドカップの初戦で見事に準優勝を果たした村瀬心椛の公式練習とコメント動画をアップした。
準優勝という輝かしい成績を残しながら、なぜ悔しかったのか、コメントを聞くと察することができる。

「自分のやりたかった技が、トゥエルブと、フロント・テンとフロントダブル・ナインだったけど、そのフロントダブル・ナインでコケちゃって、テンにつなげられなかったことが、とても悔しいです」

実際に村瀬が決勝で放ったトリックは、

1発目:バックサイド・ダブルコーク1260
2発目:フロントサイド・ダブルアンダーフリップ900(※転倒)
3発目:フロントサイド・ダブルコーク900インディ

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以上のようになっている。

ビッグエアー競技では、3本中に2本滑った得点を採用。同じスピンでの得点はカウントされないために、バックサイドスピンで得点を伸ばした後には、違う種類のスピン、すなわちフロントサイド・スピンで得点を上げていくしかない。
もし、2発目のフロントサイド・ダブルアンダーフリップ900が決まっていれば、この時点で大きな合計得点が期待できた。なぜなら、村瀬は最初のバックサイド・ダブルコーク1260で、92.0ポイントという最高得点を稼いでいたからだ。これは、この日の2番目&3番目の高得点となったアンナ・ガッサーのバックサイド・ダブルコーク1080メランの86.60点と、鬼塚雅のフロントサイド1080ウェデルの87.80点を大きく引き離すものだった。

村瀬にとって3本目のトリックの選択は、難しかっただろうが、本来予定していたフロントサイド・ダブルコーク1080を900回転までに抑えて、確実に得点を取りに行ったのだろう。結果、優勝したゾーイ・サドウスキー・シノットには、わずか合計得点で0.6ポイント差及ばず、準優勝となったのだ。

もし、最後のトリックで攻めの姿勢で、1080まで挑戦していたら、どうだったのだろう?
転倒していれば、準優勝はなかったし、メイクしてれば間違いなく優勝していた。

結局、16歳の彼女が大人の選択をして、準優勝を獲得したとも言えるが、もしかしたらひじょうに迷った中、900を選択し、この冒頭インタビューの悔しさを滲ませるコメントになったのかもしれない。

ただ、村瀬にとっては、確実に結果を出して、ポイントを加算させ、オリンピック出場権を獲得することが大切。
また気持ちを切り替えて、次戦でのスイスでのスロープスタイル大会にも頑張ってほしい。
スロープスタイルは、一発で決まるビッグエアー以上にベテラン勢が活躍する傾向が強く、まだ若い村瀬にとっては大変だと思うが、ここでもぜひ輝かしい結果を期待したい。

また、他の日本人選手も、素晴らしいパフォーマンスを発揮し続けているので、日本からしっかりと応援パワーを送ろう!

●関連リンク
W杯初戦で村瀬心椛が準優勝!!
https://dmksnowboard.com/cup-murase2nd-aut/

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