東京ドーム大会。あんなの見ちゃうと「うわあ、カッコいい~」って、思ってしまうね。「オレもあんなことやってみて~」って、思った人もいただろう。だけど、どこまで具体的にあの大会に参加した自分をイメージできた人がいるだろうか。
スタート台に立つ自分。激しい心臓の鼓動を深呼吸によって沈めようとする自分。スター選手が待ち構える中で、バインディングを付ける自分。いざアプローチの時、東京ドームの観客の多さ、そしてアプローチへの集中。華麗なるエアー、着地の時の大歓声! 表彰台に一番高いところに立ち、左右にトラビス・ライス、ショーン・ホワイトを見下ろす自分。
こういったことはセルフイメージと言うけど、人間はほぼ間違いなくセルフイメージなしに起こることなどあり得ないのではないだろうか。
東京ドームの例は極端だけど、ゲレンデを颯爽と滑る自分、大きなキッカーでスピンする自分、パウダーのスプレーを巻き起こす自分など、スノーボーダーそれぞれのレベルでセルフイメージを起こすことは可能だ。
例えば、今。明日、会社の通勤に颯爽と向かう自分を想像しよう。いつもの眠い自分ではなく、胸を張って背筋を伸ばして自信アリアリのように力強く歩く自分だ。こうしたセルフイメージをしっかりと持って、翌朝歩いてみたら、いつもの自分とちょっと違った自分を感じると思うよ。そう、『強くイメージしたことは実現できる!』って。
だから、スノーボードに対して、セルフイメージというのは躊躇せずに強く持っていた方がいい。というのもほとんどのケースでは、自分を勝手に過小評価して損していることが多いからだ。スノーボードに限らず何だってそうかもしれないけど、自分を不必要に過小評価することはないだろう。セルフイメージをしなければ、すべてのことは起こらないのだから。起こすためにスノーボードをやっているのだから。
もちろん過剰なアクションはケガにつながるけど、セルフイメージ自体は大きくていい。
あの東京ドームに立った選手たちのように。そう、それが凄く上達する人としない人の違いなんだ。