かつてBURTONと2大ブランド時代を築き上げて来たSIMSはどうなる!? SIMSスノーボードなど、多くのスポーツ・ブランドを保有する Huffy Corporation社が、ウエブサイトのメディア・リリースで「 民事再生を受け裁判所から5000万ドルの資金調達を受けるの承認を得た」と発表した。
ここのところ世の中で、多くの買収話が増え、スノーボード界でも1999年にK2がMORROWを買収するのに始まり、翌年RIDEの買収。さらに今年に入ってBURTONがFORUMを買収するなど業界再編成がどんどん進んでいる。そして、その波に飲まれるかのように、SIMSは Huffy Corporation社のコントロール支配に入ったが、そのHuffy Corporation社が民事再生を受けるとは!
それにしてもHuffy Corporation社が扱うブランド数とその多様性には驚かされる。スノーボードでは、 SIMSを始め、LAMAR、OXYGENなど、さらにはバスケットボール、ホッケー、サッカー、スキー、バレーボール、自転車、ゴルフ、スケートボードなどのブランドも抱えているから驚きだ。この多くのブランド数と多様性に、米国量販店での販売が主であることを伺わせる。 SIMSと言うと、マーク・フランク・モントーヤ、クリス・ダフィシィ、タラ・ダギラスというスノーボード界でもかなり有名で実力者の集いで、この業界では歴史も含めアドバンテージがあるのだが、同グループのブランド保有数により、何かコア層から敬遠されがちな部分も否定できない。
そう言えば、BURTONがFORUMを買収した時にも一部の北米ライダーたちから、もうFORUMはコア層に見向きされないのでは?という懸念が走ったことを思い出させる。 ただ、スノーボードはコア層だけでは商売は成り立たず、また一般層だけ見てもブランド・イメージは上がらず、何か横乗りスポーツの独特なビジネスの難しさも、今回の Huffy Corporation社の民事再生ニュースで表したような格好だ。
かつて、クレイグ・ケリー、ティム・ウインデル、バート・ラマーなどスノーボード界の多くの伝説ライダーを生んで来たSIMSの行く末はどうなるのだろうか? ダイエーの再生機構問題のように球団を売却するとかの話でゴタゴタしないといいのだけど。
ともかく、どういう形であれ、スノーボード界で歴史に刻んだSIMSの功績がなくなるわけではないので、これからの復活ストーリーに期待したいところ。
●以下、Huffy Corporation社のウエブサイトとメディア・リリースのページ
http://www.huffy.com/
http://www.corporate-ir.net/ireye/ir_site.zhtml?ticker=HUF&script=400