「誤審ではない。」アメリカ五輪審判ショーンのつま先グラブ知ってて金メダルにした

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米トランス・ワールド誌は、平昌オリンピック、ハーフパイプ決勝が終わった後、自国のジャッジ、コーナー・マニング氏を直撃。
日本で話題にもなったショーン・ホワイトのグラブの甘さ(注:ブーツ・グラブ)に関する質問をし、そこでマニング氏は、ブーツ・グラブをしていたが、それを知っていてショーン・ホワイトは、平野歩夢よりも1点上回り、金メダルになったことを明かした。

以下の記事、『Why Did Shaun White Win? An Interview with a 2018 Winter Olympic Halfpipe Judge』で、そのことが紹介されている。

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Why Did Shaun White Win? An Interview with a 2018 Winter Olympic Halfpipe Judge

コーナー・マニング氏は、オリンピック決勝ジャッジ6人の一人。
21歳の時、怪我を負って選手寿命が断たれたが、その後ジャッジとしてスノーボードの普及に努めて来た。これまで10年間のプロフェッショナル・ジャッジ経験を持ち、その審判した大会もUS OPEN、LAAX OPEN、X Games、Dew Tourなど世界最高峰と言われるスノーボード大会をジャッジングして来ている。

「クリーンなグラブ(きれいなグラブ)か? はい。
人々は、様々なたわごとを話すけど、あれはグラブです。

問題となったのは、キャブ1440。
ショーンは、早めにグラブしにいき、リリースしてしまっています。
あなた方が見ている一部分の映像は、「ブーツ・グラブだ!」と言います。
でも、それは短いグラブでした。

私はそれを短いグラブと呼び、その静止フレームを取り出してブーツグラブだと言うなら、それはブーツグラブだと言うことができます。

私たちジャッジ陣は、スローモーション映像で確認しました。
ショーンはブーツの内側を早くグラブして、そしてリリースします。

私はブーツ・グラブを見るのが大嫌いですが、ショーンのように大きくジャンプした時の不安定さのほうが大きかったです。(注:エアーが大きくなったため不安定感は出た、しかしブーツグラブを差し引いても上回る印象を与えたという意味だと思う。)」

つまりマニング氏は、スロー映像でも確認したが、それはブーツ・グラブというよりも短いグラブと認識。
その印象は、ジャッジ陣にとってマイナスの要素となったが、ショーンはそれを上回るエアーの高さ、ハイレベルな構成にしていたということだろう。

その話を裏付けるため、DMKの方でも何度かあのスロー映像を確認してみた。
興味深いのは、確かにマニング氏の言うように、ショーンは早めにグラブしていき、その時にはしっかりと指のつま先がボードの裏側が出ている!つまりグラブしているのだ!!(以下、写真で確認。)

その後、指先は上体の方に引っ張られるようにグラブが甘くなっていき。それはあたかもブーツのつま先外側を触ったかのような印象に。

さらに回転が続き、最後の方になると確かにブーツをつかんでいるような形になっている。

とは言え、この上の写真を見ても確かにブーツ・グラブに見えなくもないが、
まだショーンは根性で(?)グラブを離さずに、エッジのサイド部分を触り続けているような姿にも見える。

とにもかくにも、こうしたグラブの甘さは、大した減点とならずに、エアーの高さ、技の構成などで、ジャッジ陣は平野よりもショーンの方が上だと判断したのだろう。

どちらにしても平野歩夢のあのリラックスしたようなスタイルは、世界のスノーボーダーが認めているところ。
特に玄人のライダーの方が、平野派が多いようなスノーボード界であるようにも見える。
本人もそのへんはわかっているだろうし、周りがとやかく言うことではないのかもしれない。

ちなみに誤審と騒いだ人も、平野を応援していて悲願の金メダルを願ったからこその悔しさと考えれば、みんな平野歩夢を応援していたことには変わりない。

どちらにしてもあの感動的な激戦は、いつになっても色あせることはないだろう。そうった意味では、ショーン・ホワイト、平野歩夢の二人共に勝者!!

 

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