平野歩夢、複数箇所骨折で五輪に暗雲 残り20日、“命”を懸けた本番への挑戦

@Grand Prix By Isami
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スノーボード界の頂点に立ち続けてきた平野歩夢に、五輪直前という最悪のタイミングで試練が訪れた。複数箇所の骨折という重傷を負いながらも、ミラノ・コルティナ五輪の舞台を目指す。残された時間はわずか20日――“命”をテーマに掲げる男の、壮絶な自己との戦いが始まろうとしている。

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スノーボード男子ハーフパイプで2大会連続の金メダルを狙う平野歩夢が、複数箇所の骨折および打撲と診断されていたことが分かった。21日、全日本スキー連盟の発表を受け、複数の国内メディアが一斉に報じている。

平野は1月17日、スイス・ラークスで行われたワールドカップ(W杯)ハーフパイプ第5戦の男子決勝で転倒。帰国後の19日に検査を受けた結果、複数箇所の骨折が確認された。骨のズレはなかったものの、顔付近や下半身を強打し、左股関節や右膝にも痛みを訴えていたという。

各メディアの報道によると、このW杯はミラノ・コルティナ冬季五輪前、最後の実戦と位置付けられていた大会だった。決勝1本目、3発目のトリックで板が折れ曲がるほどの激しい転倒を喫し、鼻や口からの出血が止まらず、2本目を棄権。会場は一時、騒然とした空気に包まれた。

全日本スキー連盟は、腫れや痛みが引き次第、段階的に練習を再開し、代表チームへの合流を目指す方針を示している。しかし、五輪本番までの限られた時間を考えると、調整への影響は避けられないとの見方が広がっている。

平野が出場予定の男子ハーフパイプ予選は、2月11日(水)。本番まで残り20日を切った。男子スロープスタイル陣がさらに約6日早く競技を迎えるスケジュールと比べれば、若干の時間的余裕はあるものの、負傷の程度を考えれば楽観視できる状況ではない。

どこまで回復できるのか。どれほどの負荷をかけた練習が可能なのか。そして、本番を想定した大技に再び挑めるのか。関係者やファンの間では、不安と期待が交錯している。

一部では、予選は決勝進出を最優先とした、いわゆる“Bルーティン”で臨む可能性が高いとも見られている。しかし、予選からわずか2日後に控える決勝で、持ち前の最高到達点とも言えるパフォーマンスを発揮できるのかは未知数だ。

恐怖を乗り越え、再び空へと飛び出せるのか。平野歩夢がこれまで幾度となく語ってきたテーマは「命」。リスクと真正面から向き合い、限界に挑み続けてきたその姿勢が、今回の五輪ではこれまで以上に問われることになる。

ミラノ・コルティナの舞台は、単なるメダル争いでは終わらない。怪我、恐怖、時間という現実と向き合いながら、自らの信念を貫けるのか。平野歩夢にとって今大会は、“命”を懸けた、己との最も過酷な戦いになる。

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