今、世界中から注目されているのは、日本のスノーリゾート。日本の雪、“パウダースノー”のクオリティは欧米やオーストラリアを中心に高い評価を受けています。また、日本には世界に類を見ない豪雪地域が数多くあり、アジアを中心とした“非降雪国”からも注目を集めています。「雪」「山」「温泉」「酒」「食事」など、日本のスノーリゾートにはすでに多くの魅力が凝縮されていますが、実はスキーやスノーボードなど滑るためだけではなく、さまざまな素敵な非日常を体験できるのが日本のスノーリゾートの特徴です。アフターコロナ時代の日本観光の目玉として、その魅力をインバウンド観光客だけでなく、「しばらく雪山に行っていないな…」という日本人にも、改めて注目してほしいと思います。
欧米やオーストラリアから注目される日本の“パウダースノー”のクオリティの高さは、すでにニセコ・白馬・野沢などから世界に発信されています。都市圏からのアクセスの良さ、ゲレンデのクオリティ・安全性、そして自然の景観――どれをとっても、世界に誇れる日本ならではの資産が詰まっています。「モノ」より「コト」への価値観がシフトしている昨今、スキーやスノーボードで滑るだけでなく、スノーアクティビティやナイトライフ、文化体験、食体験なども、日本のスノーリゾートの大きな魅力として楽しんでいただけることでしょう。
日本のスノーシーンとは
雪が2~3日おきに降る地域は、世界中でも日本だけ。雲のように軽やかなパウダースノーを舞い上げながら遊ぶ、そんな贅沢なスポーツは、地球上でもそう多くはありません。そして日本国内には、この極上の体験ができる場所が無数に存在します。まるで雲の中で遊ぶような感覚を楽しめるスノースポーツは、最も贅沢なスポーツと言えるのではないでしょうか。
日本各地のスノーリゾートにはそれぞれのスタイルがあり、世界のどのリゾートにも引けを取らない魅力が詰まっています。首都圏や大都市から近い豪雪地帯の魅力を体験することで、外国人観光客だけでなく、多くの日本人にも冬の楽しさを再発見してもらえるでしょう。
コロナ禍が収束し、スキーやスノーボードを中心にスノースポーツへの関心が再び高まっています。大自然の中で誰もが楽しめるスノースポーツと、それを支えるスノーリゾートは、国内外から注目の的です。しかし、その魅力を語る前に、日本のスキーの歴史を少し振り返ってみましょう。
日本のスキーの歴史
1956年、猪谷千春が銀メダルを獲得したことは、日本スキー界にとって大きなニュースでした。同じ年のイタリア・コルチナダンペッツォオリンピックでは、トニー・ザイラーが三冠を達成。その影響もあり、昭和30年代には日本でスキーブームが巻き起こり、スキー人口は1000万人を超え、世界最大のスキー人口を誇る国となりました。
札幌オリンピックを契機に、世界中のスキーヤーが日本を訪れるようになり、スキーが冬の定番レジャーとして普及していきました。日本がスキー大国になった背景には、質の良い雪とスキー場が都市部から手軽にアクセスできるという環境がありました。これは、ニューヨークやロンドンなど、スキー場が遠い都市とは大きな違いです。また、日本は国土の7割が森林地帯という豊かな自然に恵まれ、世界的にも質の高いゲレンデが多く整備されてきました。
パウダースノーと温泉の贅沢
日本の豪雪地帯にあるスキー場では、毎週、あるいは毎夜のように降り積もるパウダースノーが楽しめます。ヨーロッパでは月に1~2回しか味わえないこの贅沢を、日本では頻繁に体験できるのです。一度パウダースノーを滑れば、その特別な感覚に魅了されることでしょう。
さらに、日本のスノーシーンを語るうえで欠かせないのが温泉です。「スノースポーツ」と「温泉」という最強の組み合わせは、日本でしか味わえない至福の体験です。寒さの中でスノースポーツを楽しんだ後、温泉で心も体も癒されるひとときは格別です。
地域の食と文化の魅力
日本のスノートリップでは、地元の食文化を堪能することも楽しみの一つです。郷土料理や地元食材、新鮮な魚介類、そして日本酒など、その土地でしか味わえない体験は、スノースポーツをさらに特別なものにします。これこそが本当の「ラグジュアリー」であり、スノースポーツを通じて地方の魅力を再発見する機会でもあります。
このように、日本のスノースポーツは単なるレジャーではなく、豊かな自然、美しい雪、温泉、そして地元文化を楽しむ「贅沢な旅」そのものです。ぜひ、今冬は日本のスノーシーンを体感してみてください。
ゲレンデ力ランキング
1位 野沢温泉スキー場 / 長野県
新型ゴンドラが素晴らしく快適!雪質、コース、パウダーのどれをとっても満足できる。降雪日も多く、パウダーの確率が高い。スキー場内のツリーランエリアはリフトで回せるので、パウダーの練習にも最適。麓の村も雰囲気が最高!
2位 ルスツリゾート / 北海道
コースの長さ、さまざまな場所でパウダーライディングが楽しめる!広大な敷地内には数多くのパウダー&ツリーランエリアがあり、特にイゾラエリアは広く、パウダーが残る確率が高い。もちろん雪質もグッド!
3位 志賀高原 焼額山&奥志賀高原 / 長野県
志賀高原焼額山は、長野オリンピックが開催されたスキー場で、ゴンドラやリフトの機動力が高い!雪質は北海道と同等か、それ以上と言われるほど。奥志賀高原は特に日本屈指の雪質を誇り、長いコースで最高のクルージングが楽しめる。その静けさは海外の雰囲気を醸し出している!
4位 白馬八方尾根 / 長野県
北アルプスの絶景を望みながらのクルージングは世界レベル!滑走距離が長く、コースバリエーションも豊富。麓の八方尾根の街には国際色豊かなレストランが充実しており、グルメも堪能できる。
5位 夏油スキー場 / 岩手県
東北屈指の豪雪地帯に位置し、ゴンドラ2機を効率よく利用できる。ツリーランコースの多さは国内随一で、東北ならではのディープパウダーを堪能できる。
6位 富良野 / 北海道
管理されたパウダーゾーンで極上のパウダーを体感できる。国内外のスキーヤーやスノーボーダーから絶大な支持を受けており、晴れた日には素晴らしい景色の中でパウダーを楽しめる。富良野の街も近く、アフターも充実!
7位 赤倉観光スノーリゾート / 新潟県
豪雪地帯ならではの降雪量に恵まれれば、ディープパウダーが楽しめる。麓の赤倉温泉ではコシヒカリをはじめ新潟県産の食材を堪能でき、日本酒好きにもたまらないスポット!温泉帰りに地元の日本酒を楽しむのもおすすめ。
8位 斑尾高原スキー場 / 長野県
スキー場内には数多くのパウダー&ツリーランエリアがあり、リフトで効率よく回しながら安心してライディングを楽しめる。麓のホテルには温泉もあり、長期滞在にもおすすめ。
9位 白馬五竜&47 / 長野県
2つの異なるスキー場が楽しめるユニークなスポット!五竜では広大なコースと北アルプスの絶景を堪能でき、47はパウダーやパークを楽しみたい人にぴったり。八方尾根の街も近く、アフターも充実。
10位 石打丸山 / 新潟県
ここ数年で最新の施設に刷新され、関東圏から近いのに雪質が抜群!ロングコースや多彩なコースバリエーションが魅力。ゲレンデベースに日帰り温泉もあり、快適なアクセスで一日中楽しめる。
次点
■ニセコヒラフ / 北海道
降雪時には、日本とは思えない素晴らしいオープンバーンを堪能できる。ナイターコースでのパウダーライディングも最高!
■アライリゾート / 新潟県
ハイクアップすれば日本では珍しいオープンバーンを味わえる。降雪時のゴンドラ待ちは長蛇の列になることも。宿泊施設も充実しているので滞在型におすすめ。
■雫石スキー場 / 岩手県
キャット(雪上車)を利用して安全にパウダーを楽しめる数少ないスキー場。以前のコースエリアを活用した新しい体験が魅力的!
まとめ
日本のスノーリゾートは、滑り好きにとってまさに“天国”。その多彩な魅力を味わい尽くせば、新たな冬の楽しみが広がります。この冬、日本のゲレンデで最高の時間を過ごしてみませんか?
岩田 克己(いわた・かつみ)
(一社)日本スノースポーツ&リゾーツ協議会参与
「Snow Heaven Japan」編集長
(株)トップエンド代表
長年に渡り日本のスノーリゾート地域を取材し、専門誌の発行に携わる。インバウンド向け冊子「Snow Heaven Japan」を創刊するなど、日本のスノーリゾート地域の魅力を国内外に発信し続けている。野沢温泉、蔵王、白馬八方、妙高赤倉、草津のクラシックリゾートの広域連携組織「マウントシックス(Mt.6)」の事務局も務める。近年では、日本のスノーリゾート地域の活性化とウィンタースポーツの振興を加速するため、「一般社団法人日本スノースポーツ&リゾーツ協議会」の設立に尽力。数多くの取材を通じて日本のスノーリゾート地域やウィンタースポーツの事情に精通し、様々な地域、ステークホルダーとネットワークを有する。
【運営メディア】
■「Snow Heaven Japan」日本語版デジタルBook
https://my.ebook5.net/resort-japan/jp/
■「Snow Hwaven Japan」英語版デジタルBook
https://my.ebook5.net/resort-japan/en/
■Mt.6公式サイト
https://sustainable-resort-japan.com