最強ブランドが誕生か!?YES、LOBSTER、NOWが1つのブランドに!?

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そろそろ来季のスノーボード・ギアをお披露目する展示会の季節だが、市場では俄かにYES. Snowboards、Lobster Snowboards、NOW bindingsが1つのブランドとしてまとまりそうという、という話が出ている。もし、実現すればスノーボード界の最強ブランドの1つとなりそうだ。

元々、この3つのブランドはNidecker(ナイデッカー)グループの傘下で、土壌としてはブランドをまとめる構想があってもおかしくない。近年、特にYES. SnowboardsとNOW bindingsのコラボレーションモデルが出るなど、両ブランドの接近ぶりは多くの人に知られるところ。

YESは、DCPがファウンダーで、NOWはJFペルシャがファウンダーで共にカナダのウィスラーを中心に活動し仲がいい。
ただ、LOBSTERに関しては、ホルダー・ヘルガソンが始めた欧州ブランドで、しかもYESとは正反対なイメージがあるだけに、意外なマッチングにも見える。

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YESは、バックカントリー、フリーライドを中心に人気のブランドで、一方のLOBSTERはメチャクチャにはっちゃけたフリースタイルのイメージのブランド。だからこそマーケットがかぶることがなかった。しかし、2つの個性的ブランドが合体するとなれば、これは業界を揺るがす大きなブランドとなりそうだ。しかも、そこにNOW bindingsも加わるというのであるから驚きだ。

このストーリーを整理するために、Nideckerグループの歴史を整理しよう。

Nideckerは、1887年にスイスの企業家アンリ・ニデッカーによって創業された農機具メーカーだった。
木材を取り扱う技術を持っていたこともあり、1984年、最初のシリーズとして50本のスノーボードをリリースした。
1984年と言えば、まだ世間にスノーボードが浸透していない時期で、バートンやシムスなどごく少数のスノーボード・ブランドしかなかった。
その頃から、ナイデッカーはスノーボードを出していたのである。

記者がスノーボードを始めたのは、1985-1985シーズンの高2の時で、その時は国産のモス・スノーボードに乗っていたのだが、ニーデッカー(※その後、国内ではナイデッカーと呼ばれるのが正式名称となった)は、アルペンボードのイメージが強かった。
しかし、現在のナイデッカーはオールマウンテンボードとして不動の人気ブランドとなり、ここ1、2年はどんなブーツでもステップインが可能なスーパーマチック・ビンディングが大きな注目を浴びている。

そんなにナイデッカーは、ファウンダーの血を受け継ぐセドリック、アンリ、グザヴィエ・ニデッカー兄弟によって、スノーボード界での躍進のきっかけを作る。
その事業の1つが、2009年にDCP、ロマン・デ・マルキ、JPソルバーグのブランド、YES. Snowboardsを発売したこと。(※当時、日本人ライダーの布施忠も加わり大きな話題となった)
さらにその2年後には、ジェレミー・ジョーンズと提携し、JONES SNOWBOARDSを立ち上げた。
ジョーンズは、バックカントリー、パウダー、フリーライド用のスノーボード・ブランドとして不動の人気となり、近年はアウターウェアでも高い評判を誇る。

さらに2年後の2012年、ナイデッカーは、元プロスノーボーダーのJFペルシャとのパートナーシップでNOWバインディングを立ち上げた。
そして、2017年、ナイデッカーはバインディングとブーツの老舗メーカーであるFlow(フロー)を買収。これが、現在大人気となっているスーパーマチック・ビンディング作りのきっけとなる。

その勢い留まらず!2018年、ナイデッカーはBataleon(バタレオン)、Lobster(ロブスター)、Switchback(スイッチバック)ビンディングのオーナー会社であるオランダのLow Pressure Studio(ロープレシュア・ストゥーディオ)を買収し、同時にRome SDSもロープレシュアに加わった。

いやはや、歴史を振り返ればあらゆるスノーボード界の人気ブランドをパクパク食べていったモンスターぶりなのだ。
しかし、ブランドが多過ぎて、もしかしたら各ブランド同士がシェアを食い合う事態も招いたのかもしれない。
あくもでも想像の域ではあるが、こうしたシェアの争いを省くためにも、ここで3つのブランド、YES、NOW、ロブスターが1つになる構想が生まれたのか、と考えられる。

どちらにしても実現したら、業界にとっては大きな話題で、果たしてこのブランドがどんな風に成長していくのか楽しみだ。

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