平野が銀 平岡が銅

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ライジング・サン!
ソチ五輪スノーボードのハーフパイプで平野歩夢が銀メダル、平岡卓が銅メダルを獲得した。
絶対王者のショーン・ホワイトは、まさかのメダル圏外の4位に。セミファイナルに回っていたユーリ・ポドラドチコフがヨーローフリップ(キャブダブルコーク1440)を繰り出して金メダルに輝いた!

平野は一本目から、他を圧倒するランを見せた。
一発目、特大のバックサイド・エアー、さらに続けて大きくフロントサイド1080を決めた。
そして、キャブ1080からフロントサイド900。ここまでは予選と同じラン、この後にはバックサイド900!予選では540だったので、さらにパワーアップ。そして最後はフロントサイドダブルコーク1080 。
1本目が終わった時点では、ただ一人の90点台のトップ。絶対王者ショーン・ホワイトにプレッシャーを掛けることに。

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一方のショーンは、積極的に金を狙いにキャブ1440を繰り出し、さらにダブルまで出したが着地失敗。
1本目失敗ランに終わり35得点に終わった。

残りはわずかあと1本。まさか、絶対王者ショーン・ホワイトがこのまま終わってしまうのか・・・。

2本目。
遂にこの男が目を覚ましてしまった。セミファイルから回って苦労していたユーリ・ポドラドチコフが伝家の宝刀ヨーローフリップを抜いて見事に決めてしまったのだ。
バックサイド・メソッド→クリプラー→ダブルマックツイスト1260→ダブルコーク1080→キャブダブルコーク1440(ヨーローフリップ)。
このランで、94.75というハイスコアを出したのだ。
後に滑る選手にとっては、大きなプレッシャーとなった。

そして、平岡卓が登場!
平岡にとっても残り1本。ここでの結果が、すべてとなる。1本目は、ダブルコークの着地で失敗したが、果たして。
崖っぷちの2本目はダブルコークを連発で成功させた!!この時点で、平野を抜かして2位のポジションに躍り出た。メダル獲得の可能性が高まる。

次は、平野歩夢だ。
この後、ショーン・ホワイトがさらに良いランをすることを考えれば、ここではもう守れない。暫定3位のポジションでは、メダル圏外に追いやられる可能性があるからだ。
攻めるしかない。
運命のドロップイン。
平野は一本目と同じルーティーンながら、躍動感がある。
冷静に、今、このパイプでできることを集中して挑んでいるように見えた。
平野ならではの世界最高峰のスムースなランに成功。
そして、平野のスコアは、93.50!!!
この時点でメダルは確保。残るはショーン・ホワイトだ。

誰もが息をのむ場面。世界中のスノーボード・ファンがショーンの最後のランに熱い視線が注がれる。
そんな大プレッシャー場面の中、ショーンがドロップイン。

いつものようにどデカいメソッドエアー、続いてフロントサイドダブル1080、さらにキャブダブル。あっ!だけどここでショーンの着地が乱れてしまった。
この後は、フロントサイド540からマックツイスト1260、最後に大きく飛んで意地のアーリーウープ540。

だが、ランの印象は弱い。スノーボードのパイプのランで着地を失敗することは大きな減点減点対象。いくら他に大きな技を繰り出したとしても、このスムースに技を連発で決めていくことが絶対条件なのだ。

そして、出た結果は・・・。
なんと、ショーン・ホワイトは4位。
平野が銀、平岡の銅が確定!!!

負けず嫌いのショーンが、やや微笑みを浮かべながら勝者、アイポットを称えた。
しかし、その目をうつろに見えた。

ショーンは3度目の金メダルを狙うために、スロープスタイルを直前で回避した。そのことは、一部のライダーから「逃亡」発言があった。
名誉を回復するには金メダルが必要だった中で、まさか4位に終わるとは。

歴史に「もし」はないというけど、もしもまとまなパイプでコンディションが良ければ、ショーンはいつものような大技パフォーマンスを繰り広げていたのかもしれない。
オリンピック前に練習していたダブルコーク1440のコンボ。それも出せたのかもしれない。

しかし、条件はすべての選手で同じだ。平野にしてもダブルコークのコンボを出せるのに、この日のパイプでできる最高のルーティーンに集中し、見事なパフォーマンスとなったのだ。

日本のスノーボードの歴史は動いた。そして世界のスノーボードの歴史は動いた。
2014年2月12日は、多くのスノーボード・ファンにとって忘れない日となった。

大会結果まとめ

スノーボード ハーフパイプ 順位表

順位国籍選手名最高得点
🥇 1位🇨🇭 SUIIouri Podladtchikov94.75
🥈 2位🇯🇵 JPN平野歩夢 (Ayumu Hirano)93.50
🥉 3位🇯🇵 JPN平岡卓 (Taku Hiraoka)92.25
4位🇺🇸 USAShaun White90.25
5位🇨🇭 SUIDavid Habluetzel88.50
6位🇨🇳 CHNYiwei Zhang87.25
7位🇨🇳 CHNWancheng Shi81.00
8位🇸🇮 SLOTim-Kevin Ravnjak72.25
9位🇦🇺 AUSKent Callister68.50
10位🇺🇸 USADanny Davis53.00
11位🇨🇭 SUIChristian Haller51.50
12位🇺🇸 USAGregory Bretz26.50

平野歩夢が 2位、平岡卓が 3位 という素晴らしい結果に!
優勝はスイスの Iouri Podladtchikov で、最高得点 94.75 を記録。

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