速報!!!
アメリカのコロラド州アスペンで行われたワールドカップのハーフパイプ決勝で、戸塚優斗が優勝!3年ぶりにコンペティションに復帰したショーン・ホワイトの目の前で見事なビクトリーを飾った。戸塚は今季全勝!!!また、日本のハーフパイプ陣を引っ張って来た兄貴!片山來夢も1本目に爆走し見事に2位に入った。

Photos: @ussnowboardteam // @markclavin


アスペンは今日も温かな陽気に包まれた。板は走り難いコンディションで、ちょっとしたミスが命取り。多くの選手が思い通りにランが決まらない中、男子予選1位で通過した最終滑走ライダーとなった戸塚優斗は、1本目から王者の滑りを見せた。

フロントサイド・ダブルコーク1440→キャブ・ダブルコーク1260→スイッチ・バックサイド・ダブルコーク1080→バックサイド・ダブルコーク900→フロントサイド・ダブルコーク1260

90点越え!ネクストレベルの強さだ!

かつてショーン・ホワイトは、青野令、國母和宏、平野歩夢などの大きな壁となり、ことごとく日本人選手の金メダルの夢を打ち砕いていたが、現段階では、戸塚優斗の方が圧倒している感があるような戦いぶりだった。

ショーン・ホワイトは、1本目にフロントサイド・ダブルコーク1080→キャブダブルコーク1080→フロントサイド540トマホーク→フロントサイド・ダブルコーク1260→アーリーウープ・ロデオというルーティーン。
しかし、4発目のトゥエルブのところで着地の際にボードが流れて、なんとかリカバリーしてのランをメイク。そのポイントは76.35点に留まり、遠く戸塚選手には及ばなかった。

あいかわらずカッコいいトマホーク540を決めるショーン・ホワイト。

ならばと、2本目はさらにチャージして、フロントサイド・ダブルコーク1440から入り、キャブダブルコーク1080→フロントサイド540トマホーク→フロントサイド・ダブルコーク1260→アーリーウープ・ロデオというルーティーンに切り替えた。
しかし、アーリーウープのところでグラブができずにバランスを崩し転倒。

3本目、このままのルーティーンでは、おそらく戸塚選手の上には行かないと思われたが、同じルーティーンを試みたショーン。
元王者、力強いランで決めるあたり力はさすがだ。最後までまとめる精神力の強さを見せた。アーリーロデオを決めた後、両手を上げてビクトリーポーズ。しかし、スコアはあまり伸ばせず81.50点。「マジかよ」という顔をして(のように見えた)、そそくさと退散。

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ショーンは予選2位だったため、その後に予選1位だった戸塚が残る展開となり、そのまま戸塚が優勝を決めることになった。
すでに優勝が決まった戸塚は、最後のランで果敢にも新ルーティーンとなる一発目にスイッチ・バックサイド・ダブルコーク1260を決めた!しかし着地で失速してしまい、次の大技につなげることができなかった。
ちょっと残念なラストランだったが、さらに上昇を目指す戸塚の姿が頼もしく映った。

おそらく今大会の戸塚のビクトリーランは、自身が理想とするランよりもリラックスしてメイクできるものだったのだろう。
そのお釣りが来るくらいのストロングさに、今大会の圧勝劇が漂った。
ショーンが15歳ですでに世界で戦っていた時に、この世に生を受けた19歳の若きエースは、今後さらに大きな上昇を遂げるに違いない。

結局のところショーンは表彰台に乗ることもできずに4位に終わった。
だがショーンはアメリカ勢では最も上の成績を残すことができたので、現時点で北京オリンピックに向けてアメリカ選手の選考の中ではアドバンテージを収めることに成功した。北京では、5度目のオリンピック挑戦となりそうだ。

2位に入ったのは、長年ジャパンチームを牽引し、いつもチーム内に戦うパッションを注入して来た熱男、片山來夢だ。

フロントサイド・ダブルコーク1080→キャブダブルコーク1440→フロントサイド900→バックサイド・ダブルコーク1260→フロントサイトダブルコーク1080


1本目から86.75点というハイスコアを出し、この時点でのトップ。
結局、1本目の最終走者であった戸塚が滑った後に2位のスコアとなったが、最後までこのランが全体の2位をキープし、見事に準優勝となった。
この後の片山は、さらにスピン数を上げるなど、上を狙ったがうまく決まらず、そのまま2位確定となった。

おそらく、通常のようなもっと固められた雪質なら、ある程度のちょっとしたミスもリカバリーして、次のヒットにつなげることができると思うのだが、今回のような柔らかめのシャバった春雪では少しのミスでも致命傷。
ワールドカップ表彰台のヤン・シエラーも2本連続で一発目からバックサイド1260を狙うも決められなかった。結局、最後の3本目は上位狙いでランをまとめに掛かるため、1260から900に変更するも3ヒット目で転倒し、良い成績を残すことができなかった。ヤンの滑りは、この日、悪戦苦闘する全選手を代表するランにも映った。

3位に入ったのは、ドイツ出身のアンドレ・ホフリック。
一発目のスイッチ・メソッドは、この日、誰よりも高く決めて会場を沸かしていた。(※ちなみに以下の映像、3位を決めたランのスイッチメソッドより1本目と3本目はより高くカッコよく飛んでいた)

日本人選手では、もう一人、穴井一光も決勝に残り9位と健闘。
最初のヒットで放つ、フロントサイドアーリー540がひじょうにスタイリッシュ!その後は、フロントサイド1080や1260も決めるも全体的なスピン数の弱さからか、スコアはそれほど伸ばせず。
アーリーウープは、通常、フロントサイドの壁で決める選手が多いが、穴山選手のようにバックサイドの壁で決めるのはひじょうに珍しい。今後も国際大会において唯一無二のオリジナル・トリックとなっていきそうだ。
(注:アーリーウープは山側にスピンして戻る特徴から、バックサイドで行うとフロントスピンになり、その結果、技名はフロントアーリーとなる。)

W杯アメリカ・アスペン大会 男子ハーフパイプ結果

1 戸塚優斗(日本)
2 片山來夢(日本)
3 アンドレ・ホフリック(ドイツ)
4 ショーン・ホワイト(アメリカ)
5 チェイス・ブラックウェル(アメリカ)
6 ルーカス・フォスター(アメリカ)
7 タイラー・ゴールド(アメリカ)
8 デビッド・ハブルッツェル(スイス)
9 穴井一光(日本)
10 ヤン・シエラー(スイス)

https://medias3.fis-ski.com/pdf/2021/SB/6487/2021SB6487RLF.pdf

まったくスイッチには見えない巨大メソッドを決めたクロエ・キムが、連続Vを決めた!

女子の方は、1本目にハイスコアを出したクロエ・キムが優勝!

クロエのランは、日本選手たちが繰り出していたフロントサイド1080までのスピン数は出していなかったが、全体的に高さがありダイナミック。特にスイッチの技が多い点で際立っていた。

バックサイド360→スイッチメソッド→キャブ900→スイッチバック540→マックツイスト

優勝コメントでは、復帰から勝ち続ける理由について、「離れていたことでモチベーションが高い。スノーボードを楽しめている」と答えていたが、おそらくしばらく休んだことで、スノーボードのルーティーンに対する新しいアイデアも生まれたのではないだろうか。彼女のランは、ただ回転数を上げる試みでなく、ひじょうにクリエイティブ!そうした挑戦を楽しんでいて、その結果、良いスコアを出しているようにつながっているようにも見えた。


2位は、スペインの実力者、ケラルト・カステリェト。ケラルトは一発目にバックサイド900を狙い、クロエに迫るチャレンジを見せていたが、残念ながら決めらず。2本目にルーティーンを変更し、バックサイド540から入り、そのランを力強く決めて2位に入った。


冨田せなが嬉しい3位を決めた!
一発目のショーンばりのトマホーク・スタイルのバック5が、激シブ。
2本目、3本目には果敢にフロント10を狙うも着地に嫌われメイクできず。もし、決まっていたらさらに上位を狙えただろう。

フロントサイド540→バックサイド→540→フロントサイド720→キャブ720→フロントサイド900

他の日本勢女子の小野光希、今井胡桃、松本遥奈も健闘したが、春の湿雪に苦労したようで、思っていたフロント9や10の着地をピタッと決めれることができなかった。
しかし、まずは上位を狙うルーティーンを決めてから、さらに表彰台に立つ攻めのルーティーンへの挑戦意識は、ジャパン女子勢のチームとしての強さも感じさせた。おそらくコーチと念密に作戦を練り、大会に挑んでいるのだろう。北京オリンピックに向けて、表彰台の可能性を感じさせるゲーム運びだった。

予選3位だったマディ・マストロは、残念ながら前日の練習中に転倒し顔面を強打してしまったために欠場している。

W杯アメリカ・アスペン大会 女子ハーフパイプ結果

1 クロエ・キム(アメリカ)
2 ケラルト・カステリェト(スペイン)
3 冨田せな(日本)
4 小野光希(日本)
5 エリザベス・ホスキング(カナダ)
6 今井胡桃(日本)
7 松本遥奈(日本)
8 マディ・マストロ(アメリカ)

https://medias2.fis-ski.com/pdf/2021/SB/6488/2021SB6488RLF.pdf

男女合わせて1位、2位、3位はチーム一丸の勝利!あっぱれジャパンチーム!!!