北京オリンピックに弾み!戸塚優斗が世界選手権を制し金メダル獲得!!!

広告 five  

本日、コロラド州アスペンで行われた2年に一度のスノーボード世界選手権ハーフパイプで、戸塚優斗が金メダルを獲得!
予選で引けを取ったライバルのスコッティ・ジェームスを圧倒し、見事に北京オリンピック前哨戦を制した。

Photos: U.S. Ski & Snowboard / SmugMug

男子決勝は、10人の選手が3本滑り、ベストランを争うフォーマット。
金メダルを獲得した戸塚は、1本目は失敗ランに終わったものの、2本目で93.00点というハイスコアを出し、すでにトップに立った。
終わってみれば、このポイントですでに勝利を決めていたが、3本目にはさらにチャージをかけ96.25点というランで他を圧倒した。

一方、銀メダルに終わったスコッティ・ジェームスは、1本目は90.50点でトップに立ったが、2本目に失敗し、戸塚に抜かれる展開となった。3本目も逆転狙うも失敗ランに終わり、またしても戸塚に甘んじで2位という結果となった。

広告

かつては、常にスコッティの下に戸塚という順位が続いていたが、最近のワールドカップやX GAMESでは、逆に戸塚が上に行く展開となっている。昨シーズンのUS OPENから逆転劇がスタートし、今季のLAAX OPEN、先日のX GAMES、そして今回の世界選手権と見事に4連勝を飾った。
まだワールドカップに登場できていないショーン・ホワイト、平野歩夢もいるが、現在、戸塚優斗が間違いなく世界のハーフパイプ界エースだ!

戸塚が挑むラスト3本目、ちょうどその時にアスペンには白い粉雪が舞い降りて来た。
しかし、戸塚の目はパイプに注がれ、まるで雪が降って来たことさえ気づかないような集中力。
自分の後には、かつての王者スコッティ控えている。逆転優勝させないためにも、戸塚にはチャレンジする必要に迫られていた。

https://youtu.be/7N-kJ77k3Vw

フロントサイド・ダブルコーク1440→キャブ・ダブルコーク1260→スイッチ・バックサイドダブルコーク1080→バックサイド・ダブルコーク1260→フロントサイドダブルコーク1260

奇しくも同じX Gamesのスーパーパイプ会場で争われたアスペン、戸塚はまったく同じルーティーンで挑んだ。しかも、今回の方が、すべてのランディングがリップ近くだ。その結果、高さも抜群!より迫力あるようにも感じた。このパーフェクトラン後に、ガッツポーズだ!パイプ上部にいた村上コーチも満面の笑みで両手を掲げた。

一方、その後に滑ったスコッティは、相当なプレッシャーになったのか、グローブを叩きながら気合を入れてドロップする。
しかし、2発目の着地で転倒し、ゲームオーバー。またしても戸塚に甘んじる2位という結果となった。

金メダル戸塚、銀メダルにスコッティ、そして銅メダルにヤンという流れは、最近のパイプ大会でよく見られる光景。
文字に起こせば、数秒のストーリーかもしれないが、その裏にはトップ3選手が切磋琢磨して練習して来た膨大な時間と努力がある。

ラストランの転倒で、悔しさのあまり雄たけびを上げるスコッティ。そこには、かつて優勝がすでに決まったラストランで「もうパイプに入る必要もない」とばかりに、プラットフォームの観客たちにハイファイブで流して滑る王者の風格はなかった。

一方の戸塚は、ゲーム後には終始リラックスして笑顔。アメリカ人のインタビューアーにも、通訳なしで英語で答えた。
I am happy now. A dream come true. Have fun (on his emotions before dropping in today
「夢が叶ってとてもハッピー。最後の3本目はただ楽しむように入りました」

以前何かの本で、これまでのオリンピックの金、銀、銅メダリストにアンケートを取ったところ、意外にも銅メダルを獲った選手の方が、銀メダルを獲った選手以上に幸せを感じていたというデータを思い出した。元王者スコッティは、またしも苦汁を飲まされ、まるで敗者の銀メダル。一方、銅メダルに入ったヤン・シエラーは、3本目滑り終わった後にメダルを獲った安堵感から幸せそうに見えた。

果たして、北京オリンピックでは、誰が悔しい思いをさせられてしまうか。最高の笑顔の選手が日本人選手であってほしいと願うが、今後の男子パイプの戦いから、ますます目が離せない。

日本勢男子では、片山來夢も決勝に残ったが、残念ながら3本とも決められずに9位に終わった。
しかし、片山がいつも見せてくれる熱いライディングは、観客のハートを揺さぶる。
今では、日本パイプ陣をリードする主柱的存在でチームを盛り上げてくれる欠かせない。北京オリンピックでは、その爆発エネルギーでぜひメダルを期待したい。

スノーボード世界選手権アスペン大会男子ハーフパイプ結果

1 戸塚優斗(日本)
2 スコッテイ・ジェームス(オーストラリア)
3 ヤン・シエラー(スイス)
4 デビッド・ハブルッツェル(スイス)
5 チェイス・ジョセー(アメリカ)
6 チェイス・バックウェル(アメリカ)
7 アンドレ・ホフリック(ドイツ)
8 タイラー・ゴールド(アメリカ)
9 片山來夢(日本)
10 デレック・リビングストン(カナダ)

https://medias2.fis-ski.com/pdf/2021/SB/6038/2021SB6038RLF.pdf

一方、女子の方では、平昌オリンピックの金メダリスト、クロエ・キムが金メダル獲得!
1本目に早々と90点というハイスコアを叩きだすと、2本目はさらに以下のルーティーンを完璧にメイク。

https://youtu.be/V3tAjrU0XxM

バックサイド360→メソッドエアー→フロントサイド1080→フロントサイド900→マックツイスト

これで、93.75点を出し、3本目を必要とせず金メダルに輝いた。

銀メダルを獲得したのは、独特の鼻歌ドロップインと共にダブルクリプラーを決めたマディ・マストロ。
かつては、手を合わせるスタイルでドロップしていたが、今回はハートマークを作るようにドロップ。それが功を奏したのか、3本目で見事に理想のルーティーンを完成させた。

銅メダルは、スペインの実力者ケラルト・カステリェト。小さな身体でアグレッシブに攻める選手だが、今回もバックサイド900からフロントサイド900というバックトゥナインを決めてみせた。

日本勢女子では、冨田せなが4位であと一歩でメダルに届かず。
5位に松本遥奈、6位に小野光希、8位に今井胡桃。出場した4人がすべて決勝に行くというのは素晴らしい結果だが、今大会、強豪の中国勢では、コロナを心配する国の要請で参加はしていない。今後北京オリンピックでメダル獲得するには、あともう一歩の上昇が期待される。

スノーボード世界選手権アスペン大会女子ハーフパイプ結果

1 クロエ・キム(アメリカ)
2 マディ・マストロ(アメリカ)
3 ケラルト・カステリェト(スペイン)
4 冨田せな(日本)
5 松本遥奈(日本)
6 小野光希(日本)
7 エリザベス・ホスキング(カナダ)
8 今井胡桃(日本)

https://medias2.fis-ski.com/pdf/2021/SB/6037/2021SB6037RLF.pdf

広告