山田琉聖がW杯初優勝、日本勢ワンツー達成

広告 five  

戸塚優斗が2位、女子は冨田せなが準優勝/ハーフパイプW杯第2戦カッパーマウンテン

スノーボード・ハーフパイプのワールドカップ(W杯)第2戦が12月19日(現地時間)、アメリカ・コロラド州のカッパーマウンテンで行われ、男子は19歳の山田琉聖(りゅうせい)が自身初となるW杯優勝を飾った。2位には戸塚優斗が入り、日本勢によるワンツーフィニッシュが実現。女子では冨田せなが2位に入賞した。

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックを2か月後に控える中で行われた今大会。日本代表選考にも直結する重要な一戦となった。

広告

男子決勝:琉聖が圧巻の2本目で大逆転

決勝には予選を通過した14人が進出し、各選手2本ずつ滑走。高得点の1本で順位が争われた。風やフラットライトなど難しいコンディションの中、五輪2大会出場の戸塚優斗がラン1本目で90.50点をマークし首位に立つ。

一方、1本目を77.50点の4位で終えた山田琉聖は、2本目で一気にギアを上げた。
ダブルマックツイスト1080、スイッチマックツイスト1080、キャブダブルコーク1440を完璧に決めると、4つ目のトリックを3回転から4回転にアップグレード。最終ヒットではスイッチバックサイド・ダブルアーリーウープ・ロデオ900を成功させ、94.50点を記録。劇的な逆転でW杯初優勝を手にした。

最終滑走となった優斗は逆転を狙い、4つ目でトリプルコーク1440に挑んだが着地が決まらず、2位でフィニッシュ。3位には復帰戦となったヴァレンティノ・ギュゼリ(オーストラリア)が入った。

Mens Final Trick Breakdown

RankRiderNOCRunTrick 1Trick 2Trick 3Trick 4Trick 5Score
1YAMADA RyuseiJPNRun 1D-Mc-10-Jpx-McCab-D-14-If-D-10-Tdrx-b-D-AO-Rd-9-Mel77.50
Run 2D-Mc-10-Jpx-Mc-JpCab-D-14-Muf-D-14-Ix-b-D-AO-Rd-9-St94.50
2TOTSUKA YutoJPNRun 1x-b-AO-5-Ngx-b-D-10-Mub-D-12-Muf-D-14-ICab-D-10-Ddr90.50
Run 2x-b-D-AO-Rd-9-Melx-b-D-10-Mub-D-12-Muf-T-14-IDNI
3GUSELI ValentinoAUSRun 1b-AO-3-NgCab-D-10-Muf-12-Tg-to-Melb-D-12-Muf-14-Tg79.75
Run 2b-AO-3-NgCab-D-10-Muf-12-Tg-to-Melb-D-12-Muf-14-Tg84.75
4SHIGENO ShuichiroJPNRun 1b-D-12-Stf-T-14-I12.50
Run 2b-D-12-Stf-D-10-ICab-D-10-Muf-D-14-Tgx-b-D-AO-Rd-7-Tg81.75
5BLACKWELL ChaseUSARun 1x-b-7-Jpb-9-Tgf-D-10-TdrCab-D-10-Muf-D-12-Mel79.00
Run 2x-b-D-10-MuDNI
6PATES JakeUSARun 1x-b-D-10-Mub-D-12-Mu-to-Tgf-D-10-TdrCab-D-14-Str-A48.75
Run 2x-b-D-10-Mub-D-12-Muf-D-10-TdrCab-D-14-Muf-D-12-I68.25
7WACHENDORFER RyanUSARun 1x-b-9-NgCab-D-10-Stf-D-12-MuCF-Tgf-D-10-St63.25
Run 2x-b-9-NgCab-D-10-Stf-D-12-MuD-CF-Melf-D-10-St65.75
8HIRANO RukaJPNRun 1x-b-D-10-Jpb-D-12-Muf-D-14-ICab-D-14-Mu64.75
Run 2x-b-D-10-Jpb-D-12-Muf-D-14-ICab-T-14-DdrDNI
9OKESSON JoeyUSARun 1f-9-Melb-9-MuAF-ICab-D-10-Ddrf-D-10-St55.25
Run 2f-9-Melb-D-12-MuAF-ICab-D-10-Ddrf-D-10-IDNI
10BARBIERI AlessandroUSARun 1x-b-9-MuCab-D-14-Muf-D-12-Ib-D-12-Muf-D-10-Tdr37.50
Run 2x-b-9-MuCab-D-14-Muf-D-12-Ib-D-12-Muf-D-10-Tdr46.50
11LEE JioKORRun 1f-D-12-Ib-9-Melf-D-14-TgCab-D-14-Mub-AO-5-Mel32.75
Run 2f-D-12-Ib-9-Melf-D-14-Tg
12JOSEY ChaseUSARun 1Cab-12-Mu-to-Stx-D-CFCab-D-10-Muf-D-12D-CF26.25
Run 2Cab-12-Mu-to-StDNI
13BURGENER PatrickBRARun 1x-b-D-10-MuD-CF-Mel-to-I13.75
Run 2x-b-D-10-MuD-CF-Mel-to-If-D-10-Tdr18.25
14WANG ZiyangCHNRun 1f-D-14-IStr-AStr-Af-D-10-I7.50
Run 2f-D-14-IStr-ACp-St17.25

女子決勝:チェ・ガオンがW杯2連勝、冨田せなは2位

女子決勝では、17歳のチェ・ガオン(韓国)が圧巻の滑りを披露し、第1戦に続くW杯2連勝を達成した。

北京2022冬季オリンピック銅メダリストの冨田せなは、ラン1本目でフロントサイド900、バックサイド540、フロント720、キャブ720を連続で成功させ、最終ヒットではフロントサイド1080もクリーンにメイク。完成度の高いランで88.75点をマークし、首位に立った。

しかし最終滑走となったチェが、スイッチバックサイド900から始まる高難度かつ安定感のあるランをまとめ、94.50点を記録。せなのスコアを上回り逆転優勝を果たした。冨田は2位、3位には長期離脱から復帰したベア・キム(アメリカ)が入った。

なお、世界選手権女王で五輪2連覇中のクロエ・キム(アメリカ)は決勝進出を果たしていたものの、当日の練習中に激しく転倒した影響を考慮し、安全面を優先して出走を回避。DNS(Did Not Start)となった。詳細な負傷内容は明らかにされていないが、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックを見据え、無理を避ける判断だったとみられる。

Womens Final Trick Breakdown

RankRiderNOCRunTrick 1Trick 2Trick 3Trick 4Trick 5Score
1CHOI GaonKORRun 1x-b-9-MuCab-7-Stf-9-Melb-9-Stf-7-I40.50
Run 2x-b-9-MuCab-7-Ddrf-9-Melb-9-Stf-7-I94.50
2TOMITA SenaJPNRun 1f-9-Melb-5-Muf-7-ICab-7-Muf-10-Tg88.75
Run 2f-9-Melb-5-Muf-7-ICab-7-Muf-10-TgDNI
3KIM BeaUSARun 1x-b-5-MuCab-7-Melf-5-Tgf-5-Muf-7-I27.00
Run 2x-b-9-MuCab-7-Muf-5-Tgb-5-Muf-7-I75.25
4CAI XuetongCHNRun 1AF-MuCab-7-Muf-9-Ib-5-Mub-AO-Mu71.75
Run 2AF-MuCab-7-Mufs-Ib-5-Mub-AO Str-ADNI
5SCHAFFRICK MadelineUSARun 1b-5-Muf-5-Melf-AO-3-Ngx-b-5-MuCab-7-Mu63.75
Run 2b-9-MuDNI
6MASTRO MaddieUSARun 1Cp-Ib-5-Muf-3-ICab-3-Tgf-5-St50.00
Run 2Cp-Ib-5-Muf-7-TgHF-5-Stf-5-St61.75
7KUDO RiseJPNRun 1f-9-Melb-9-Muf-7-ICab-7-Muf-10-Tf33.50
Run 2f-9-Melb-9-Muf-7-ICab-7-Muf-10-TgDNI
8WU ShaotongCHNRun 1x-b-5-MuCab-7-Mub-515.25
Run 2x-b-5-MuCab-7-Mub-AO-Mu19.25
9KIM ChloeUSARun 1DNS
Run 2DNS
10OHASHI SoranaJPNRun 1DNS
Run 2DNS

オリンピック代表争い、佳境へ

今大会を終え、ハーフパイプW杯は全7戦中の第2戦を消化。日本代表選考は1月19日まで続き、昨季および今季のワールドカップ、世界選手権、日本選手権の成績をもとに、男女それぞれ最大4人が選出される予定となっている。

若手の台頭と実績組の安定感が交錯する中、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックへ向けた代表争いは、いよいよ佳境を迎えている。

男子では、平野歩夢、戸塚優斗、平野流佳の3人が代表内定と見られる状況の中、残る「4枠目」を巡る争いが最大の焦点となっている。そうした中で、今大会で山田琉聖がW杯初優勝を飾ったことは、代表選考においても非常に大きな意味を持つ結果と言えそうだ。

スノーボード・ハーフパイプW杯第2戦 カッパーマウンテン結果

男子決勝
1位 山田琉聖(日本)94.50
2位 戸塚優斗(日本)90.50
3位 ヴァレンティノ・ギュゼリ(オーストラリア)84.75
4位 重野秀一郎(日本)81.75
5位 チェイス・ブラックウェル(アメリカ)79.00
※平野歩夢は未出場

女子決勝
1位 チェ・ガオン(韓国)94.50
2位 冨田せな(日本)88.75
3位 ベア・キム(アメリカ)75.25

広告