岩渕麗楽が遂に待望の初金メダル獲得!
これまでオリンピックやワールドカップなど世界のスノーボードシーンを沸かして来た小さな巨人が、遂にX GAMESで金メダルを獲得!優勝コメントでは、流暢な英語で「Dream Come True!(私の夢が遂に叶いました)」と世界に感動を伝えた。
X GAMESのビッグエアは、8人の選ばれた世界屈指のトップ選手による30分間のジャムフォーマット。得意な同じトリックを何度もできないように、2方向回転のベストトリック、コンバイン(合計)2本のジャンプ(ラン)が採用されるルール。ジャム形式とは言え、実質、5本中のトップ2ランのスコアが採用されるルールだ。
日本人は、8人中5人も参加するという中、初出場の村瀬由来(16歳)が、オープンニング・トリックのフロントサイドでのトラックドライバー1080を鮮やかにメイクすると会場はヒートアップ。続いて日本のエース格、鬼塚雅もクリーンメイクを決めて、さらに3人目もX GAMESデビュー戦の深田茉莉(16歳)が、フロントコークダブル1080をメイクした。この後に出場する岩渕麗楽と村瀬心椛もいるので、もしかしたら日本人選手が表彰台を独占か!?という上々の立ち上がり。
しかし、その後、2本目で北京五輪の金メダリストのゾーイ・サドウスキー・シノットがスイッチバックサイド1260で上位に食い込み展開となり、さらにカナダのローリー・ブルーアンは、最後にキャブアンダーフリップ・トリプルを決めて、銅メダル獲得かと思われた深田茉莉を4位の押し出した。
そんな中、終始ゲームを有利に運んだのは、岩渕麗楽だ。2本目でバックサイド1260を決めて40点というハイスコアを出しトップに立ち、さらに3本目のジャンプではフロントサイド・トリプルアンダーリップ1260をクリーンメイク!あの北京オリンピックで感動を与えた大技が、遂にXゲームという大舞台で鼻を咲かせた。最後にはローリーもスイッチ・トリプルアンダーフリップをメイクしたが、現在女子の最高峰トリックとも言える高難度トリックで頂点に立った!最終的にゾーイが、かなり岩渕に迫ったがトップの牙城は崩せず、岩渕が悲願の金メダル獲得となった。
これまで女子のビッグエア大会では、北京オリンピックが最高レベルの戦いと言われたが、今回、岩渕とローリーがキャブトリプルをメイクしたことで、さらにレベルアップした。北京オリンピックを上回る女子最高峰の戦いが完結したと言えよう。
村瀬心椛は、フロントサイド1080、バックサイド1260を決める健闘を見せた。しかし1回目の着地の際に左足首を痛めたようで、棄権も考慮…。諦めずに出場を続けたが、イメージ通りのトリックを出せなかったようで悔しい結果となった。
鬼塚雅もフロントサイドダブルコーク1080、さらにこの期間中に習得したというバックサイド1260でのインディ・グラブを決めたが、ハイレベルの戦いの中、表彰台には届かなかった。
以下、出場選手8名による上位パフォーマンス映像。
Pacifico Women’s Snowboard Big Air結果
金 岩渕麗楽(日本)
銀 ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)
銅 ローリー・ブルーアン(カナダ)
4位 深田茉莉(日本)
5位 鬼塚 雅(日本)
6位 村瀬心椛(日本)
7位 村瀬由来(日本)
8位 テッサ・コーディ(オーストラリア)