前シーズンのある日、朝一番で同じ職場のスノーボード・インストラクターと一緒にゴンドラに乗る機会がありました。彼も私同様、ウィスラーブラッコムで15シーズン以上働くベテランライダーです。その時、「グローブは何ペア持っている?」と聞いてみたら、彼も私と同じく7ペアほど持っていると言いました。やはり、山で働く人たちはみなグローブを多めに持っているのだな、と改めて感じた瞬間でした。
さて、みなさんはどうでしょうか? グローブは何ペアお持ちですか?
今回は、スノーボーダーならグローブを多めに持っておくべき理由を紹介していきます。
理由1:雨の日でも2ペアのグローブで快適!
通常、1日に1ペアのグローブを使用するのが一般的ですが、私は雨の日や湿った雪の日には2ペアを使うことがあります。私は長年のスノーボードの経験で、どんなに優れたグローブでも濡れには弱く、雨の日には手にまで水が染み込んでしまうことを実感しました。そんな時、ランチ後に乾いた新しいグローブを使用できると、午後も快適にライディングを楽しめます。
理由2:気温に応じたグローブを選べる柔軟性
スキー場の気候は非常に多様で、厳寒の日もあれば春のような暖かい日もあります。そんな時、寒さ対策に特化したグローブやスプリング用の軽めのグローブを持っていれば、その日の気温に合わせて最適なものを選ぶことができます。この柔軟性は、特にシーズンを通して滑り続ける人にとって重要です。
理由3:同じグローブを毎日使うと傷みが早い
週末に時々滑りに行く程度ならあまり影響がないかもしれませんが、毎日山で働く人にとって、同じグローブを連日使うとすぐに傷んでしまうことが大きな問題となります。数ペアを日替わりで使い分けることで、グローブをより長持ちさせることができます。同じ種類のグローブでも、使用頻度を分散させるだけで寿命が延びるのです。
まとめ:多めのグローブが安心をもたらす
スノーボード用のグローブは、ウェアやボードのように毎年の流行に左右されるアイテムではありません。ですから、この時期に昨シーズンのセール品などで特価グローブを手に入れるのも賢い選択です。まずはメインで使う一つのペアを揃え、すでに持っている古い方をサブに回していくことも良いでしょう。また、特に痛みやすいスプリングライディング用にもう一つ用意しておくことも検討すべきです。
一般のスノーボーダーなら、2~3ペアのグローブを持っておくと非常に便利です。今回のアドバイスをぜひ参考にしてみてください。
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飯田房貴(いいだ・ふさき) プロフィール
@fusakidmk
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴40シーズン。その大半を雑誌、ビデオ、ウェブなど、スノーボードメディアでのハウツー記事の発信に費やしている。
1990年代を代表するスノーボード専門誌『SNOWing』では、「ハウツー天使」というハウツーコラムを執筆。季刊誌という環境下で100回以上の連載を達成し、金字塔を打ち立てる。『SnowBoarder』誌でも初期からハウツーコーナーを担当し、その中でも読者へのアドバイスコーナー「ドクタービーバー」は大人気となった。
また、自身でディレクションし出演したハウツービデオやハウツー本も大ヒットし、1990年代のスノーボードブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボードクラブ「DMK Snowboard Club」の責任者として活動し、レッスンを行っている。普段はカナダ・ウィスラーでインストラクターとして、多くの人にスノーボードの魅力を伝え続けている。2016-17シーズンには、ウィスラーのインストラクターMVPを受賞。
著書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書』、『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。