意外に知られていない!?オリンピック選手がビブスの片側を外した理由

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北京オリンピックの時に、一部の選手のビブス(ゼッケン)の片側が外れて、違和感を持った人もいるかもしれませんね。
僕のフェイスブックでは、五輪前のW杯である日本人選手がそのようにビブスを付けていて、「けしからん!」と怒っていた業界重鎮の方もいました。
大会には、スポンサーがあり、スポンサー様があって成り立っている。なのに、ビブスの片側を外したら、スポンサーロゴが隠れてしまうではないか!
あとは、その姿がだらしない、という意見もありました。

僕はこの投稿を読んだ時、「ああ、なるほど。たしかに重鎮さんがおっしゃる通り、それも一理あるな」と思いました。
と同時に、なんで一部の選手たちはそんなふうにビブスを付けるのか、謎でもありました。

推測
1)動きやすくするため?
2)ファッション?

そんな疑問をずっと抱いていたところ、その答えとなる記事を発見しました。
そのことを教えてくれたのは、New To Skiという海外のスキー情報サイトです。

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Why Do USA Skiers & Snowboarders Wear One Arm Out Of Their Competition Vest at The Olympics?(アメリカのスキー、スノーボード選手たちは、なぜオリンピックで競技用ベスト(ビブス)から片腕だけ出しているのか?)
https://newtoski.com/why-skiers-snowboarders-wear-one-arm-out-of-vest/

この記事によると、そもそもビブスというのは、1サイズしかなく個々の選手の体形に合わして作られていないとのこと。
したがって、サイズが大きめだと、そのビブスが風により選手の視界を遮る可能性もあり、演技に影響をもたらしてしまう。
4年に一度というオリンピックの大舞台で、そのような心配をしたくなかった選手が、ビブスの片方を外して対応したという。

改めてオリンピック時の写真などを振り返ってみると、たしかに身体の大きい男性ライダーのビブスは、身体の小さい女性ライダーよりもピタっとジャストサイズにも見える。特に身体の小さな日本人女性ライダーの場合、ぶかぶかになっていたのかもしれない。

あと、この片方外しがちょっとしたファッションステータスになったことも否めないということも伝えている。
なんとなく、それがクールに見えてしまって(?)、アメリカ選手だけではなく他の国の選手にも伝わったようだ。

そもそも選手の身体にもっと合ったビブス、滑っていても肩部分の生地が顔に覆うことがないようなデザインなら、このような着こなしをしないで済む。今後、ワールドカップ等大きな大会のスポンサーロゴが隠れる懸念があるケースで、選手に正しくビブスを付けてほしいなら、こうしたサイズ感を調整したことが望まれるのではないだろうか。

コラムニスト・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox、Endeavor Snowboards等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。主な執筆書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書 』『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は37年。
スノーボード情報を伝える専門家として、2022年2月19日放送のTBSテレビの『新・情報7daysニュースキャスター』特集に、また2022年3月13日に公開された講談社FRIDAY日本が「スノーボードの強豪」になった意外な理由にも登場。

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